(前回はこちら。)


ケアマネの正しい歩き方  ~ケアマネタマゴに贈るケアマネ道!~
これが、梨の実です。


このたくさんある梨の実から一番大きく、

形の良くなりそうな実を選んで…





ケアマネの正しい歩き方  ~ケアマネタマゴに贈るケアマネ道!~
他の実を取ることを「間引き」と言います。




おじいさんは鮮やかな手さばきで

間引きをしていきました。


「○○さん、すごいですね。」

「そりゃ、70年はやっとるからな。」

得意げなおじいさん。



しかし、得意げなおじいさんに

水を差すように息子さんが、

「それ切ったら、いけんがな!」と

言いました。


「それ、&%"@*&%…」よく聞き取れません

でしたが、「双子」という言葉は

聞き取れました。

要するに、(実を2つ残せる)みたいなこと

なのかな?


”ピタッ”


果たして、おじいさんの手が止まりました。


息子さんの指摘を聞いて、

おじいさんは…。







「ほんとじゃな。」


う~ん、おじいさんの負け(苦笑)





私みたいな素人には上手にやっているように

見えても、どの実を摘んだらよいか、

難しい選択基準があるようです。




要介護1で、足下がふらつくことから

デイサービスを始めたおじいさん。

元気にはなったけれども、やはり90歳。

多少のボケはあって、「どの実を摘むか」という、

ハイレベルの判断は難しいのか…。



しかし、くじけずにおじいさんは

間引きを止めません。


その様子を黙って見ている息子さん。



再びおじいさんは言いました。


「早うやれ!うちだけだぞ、間引きが

終わってないのは!!」


(やれやれ…)という感じで、

隣で間引きを始めた息子さん。


しかし、すかさずおじいさんの

厳しい叱咤が!!!


「てっかバサミでやらんかい!」



「てっかバサミ」とは、「摘果バサミ」のことで、

間引きをするときは、ハサミで切るものだとか。


ぐだぐだと手で摘んでいる息子さんの様子に

腹を立てたおじいさん、だったのでした。




しかし、おじいさんがきちんと判断して

仕事ができているのかどうか。

できてなければ、仕事の邪魔をしているだけなので、

これはなんとかしないといけません。


でも、できていれば十分戦力になる訳で、

よその農家より仕事が遅れていれば、

おじいさんの言うように、

デイサービスに行く時間なんか、

もったいないわけです。


(続く。)

(前回はこちら。)


寒くもなく、かといって暑くもなく、

その日は本当に良い天気でした。


公用車の軽の窓を全開にして、

軽トラで走る息子さんの後を

ついていきました。


山の中の林道みたいなところを

少し入って、果樹園に到着しました。




ここは全国でも有数の梨の生産地。

今では、農家も高齢化になって、

木を切ってしまう家も増えましたが、

この息子さんたちのように、

代々、耕してきた土地を守っている

人たちも大勢います。


「ここだ。」息子さんの案内で、

果樹園に入らせてもらう私。


軽く学校の校庭ぐらいの広さはあります。




学校の校庭と言っても、

いろいろな広さがありますね。


全校生徒、300人ぐらいの学校の校庭です。



…中途半端な例え、すみません(^ε^)






「あそこ、あそこにおる。」

息子さんの指さす方向におじいさんはいました。


梨の木にしがみつくように立っています。


落ち葉と雑草のために、歩くたびにガサガサ。

その音を聞いてか、おじいさんはこちらに目をやりました。


息子の後ろを歩く見知らぬ男に

おじいさんはいぶかしそうに。


「こんにちは。○○の田中です」

デイサービスの名前を言うと、すぐに

分かりました。


「やあ、遠いところ、よう来られましたな。」


そして、次のひと言。

「仕事が忙しくてな、よう行きませんわ。」


おじいさんは、さっそく予防線を張りました。

(動くな!俺に一歩でも近づいてみろ、

どうなるか、分かってるんだろうな…)みたいな、

昨日ドラマで見た誘拐犯のように…(苦笑)



「そうですか。忙しそうですね。」

「そうですに。間引きが終わっとらんのは、

うちだけですに。」


そして、「何しとるだ、おまえも早うやれ。」と

息子さんに言いました。


(続く。)

すがすがしい天気のある日、

その息子さんはやって来ました。


そして「困ったわあ…。」と、

笑いながら、ひと言。


「どうしたんですか?」と、

聞くが早いか、

「ボケがきつうなりよる。」と

息子さん。


ヘラヘラ笑う、息子さん。

ヘラヘラ、を返す私。




「どんな感じのことですか?」

「言うことを聞かん。」


「何を聞いてくれないんですか?」

「デイサービスも行かずに果樹園に

行きたがるだ。」


(う~ん、まあ、良い天気だしな…)




「世話が焼けますか?」


やっぱりヘラヘラ笑う、息子さん。


息子さん、はっきりものを言わない方で、

つかみどころがない感じです。




「やっぱり仕事にならない感じですか?」

「(^^)(^^)(^^)…」

言葉にはされないけど、どうも、

そういう感じみたいです。


こういうときに私は、

(仕事ができるんだったら、させてあげたら)

と思うんですが、息子さんの仕事に

影響するのは良くありません。




「どうしましょうかねえ。」

しかし、もうちょっと粘りました。

この時の私の気持ちは、

(息子さんのほうから、おじいさんに言えませんか?)

です。

デイサービスに行くのか、仕事をするのか、

家族の中で話し合えないかな、と思って。


もちろん、関係の良くない家族には

しませんけど、おじいさんのほうも

物分かりが悪いおじいさんでもなかったので。




息子さんの答え。

「(^^)(^^)(^^)…」

でした(苦笑)




わざわざ事務所までやって来られるんですから、

助け舟が欲しいのは当然でした。


意地悪、言っちゃったみたい(・・。)ゞ


そうなると、

「じゃあ、私から言ってみましょうか」と

言ってしまうことになります。


「じゃあ、今から果樹園、案内してもらっても…」

息子さんの顔、(ニヤ~~)でした。





午後から急遽予定を変えて、

果樹園へ行きました。


(続く。)