すがすがしい天気のある日、

その息子さんはやって来ました。


そして「困ったわあ…。」と、

笑いながら、ひと言。


「どうしたんですか?」と、

聞くが早いか、

「ボケがきつうなりよる。」と

息子さん。


ヘラヘラ笑う、息子さん。

ヘラヘラ、を返す私。




「どんな感じのことですか?」

「言うことを聞かん。」


「何を聞いてくれないんですか?」

「デイサービスも行かずに果樹園に

行きたがるだ。」


(う~ん、まあ、良い天気だしな…)




「世話が焼けますか?」


やっぱりヘラヘラ笑う、息子さん。


息子さん、はっきりものを言わない方で、

つかみどころがない感じです。




「やっぱり仕事にならない感じですか?」

「(^^)(^^)(^^)…」

言葉にはされないけど、どうも、

そういう感じみたいです。


こういうときに私は、

(仕事ができるんだったら、させてあげたら)

と思うんですが、息子さんの仕事に

影響するのは良くありません。




「どうしましょうかねえ。」

しかし、もうちょっと粘りました。

この時の私の気持ちは、

(息子さんのほうから、おじいさんに言えませんか?)

です。

デイサービスに行くのか、仕事をするのか、

家族の中で話し合えないかな、と思って。


もちろん、関係の良くない家族には

しませんけど、おじいさんのほうも

物分かりが悪いおじいさんでもなかったので。




息子さんの答え。

「(^^)(^^)(^^)…」

でした(苦笑)




わざわざ事務所までやって来られるんですから、

助け舟が欲しいのは当然でした。


意地悪、言っちゃったみたい(・・。)ゞ


そうなると、

「じゃあ、私から言ってみましょうか」と

言ってしまうことになります。


「じゃあ、今から果樹園、案内してもらっても…」

息子さんの顔、(ニヤ~~)でした。





午後から急遽予定を変えて、

果樹園へ行きました。


(続く。)