(前回「混乱から生じてくる心理は「不安」」こちら)

 

ふたたび話を私の体験談に戻しますが、

排泄介助はもちろん、他の業務も満足に

できない日々が続きました。

失敗したことに対して、その間違いを指摘されることは

当然のことですが、それは私に「怯え」と「孤独」という

心理状態をもたらしました。

 

次に失敗したら、何を言われるだろう?

また(怒られる)(呆れられる)(笑われる)

これは私のプライドを大きく傷つけます。

50歳にもなって一人前として扱ってもらえない。

自分の仕事ぶりをみれば当然のことだけれども、

17年もケアマネジャーをやってきた。

大学院で講演したこともある。

県の研修講師もしている。

ブログでは「先生」とまで呼ばれている(苦笑)

…しかし、介護の世界では全くど素人。

「できない人間」というレッテルを

貼られる恐怖。これが「怯え」る心理。

 

「孤独」とは、この組織の先輩たちは

阿吽の呼吸で業務を流している。

そこにまったく乗れていない私。

あっちのほうで利用者さんの健康状態のことや

家族の状況なんかを話していたり、

業務の少し空いた時間で世間話をしていたり。

それにまったく乗れていない私。

誰かに話しかけてほしいと思うけど、

かまってくれる時間なんてないんだよなあ。

 

どんどん萎縮して、自分だけが置き去りに

されているような感じ。「不安」がマイナスを

おびき寄せ、底なし沼にはまってしまう感じ。

ここから抜け出すのは、誰かの助けを

借りないと出られないと感じる。

 

こんな心理状態をずっと続けていたら

精神おかしくなってしまうだろうと直感する。

 

認知症の人って時間の観念が

曖昧になっていくから、こんな気持ちを

ずっと持ち続けていくんだろうな、と。

それはそれは、辛い時間を

過ごすことになるだろう、と。

 

つづく