私が、
スピーチレッスンをしていることもあり、
常日頃から「スピーチ」に関することに
アンテナが立っています。
今日は、
最近本を読んで思わず感銘した、
【娘に贈る人生最高のスピーチ】
をご紹介していきますね。
そのスピーチを贈ったのは、
昭和を代表する政治家だった
田中角栄元首相。
スピーチは、娘の田中眞紀子氏の
結婚式でされたものでした。
このスピーチは、
田中眞紀子氏が2017年に出版した
「父と私」の中で生涯忘れられない
スピーチとして綴っています。
政財界から多数の出席者が参加していた
眞紀子氏の結婚披露宴。
お開きが近づいてきた頃。
父・角栄氏が司会者に手を挙げてから
マイクの前にスタスタと歩み出したそうです。
いったい何事かとざわめく人々の前で
恭しく頭を下げてから、こう語り出しました。
「花嫁の父がスピーチをするなどということは
異例であることは充分心得ております。
しかし、眞紀子の父親としてどうしても
直紀君に言っておきたいことがあります」
この言葉の後、長男の死後眞紀子氏を
男の子のように育ててきたこと。
そのために夫となる直紀氏が家事一切を
普通の女性並みに求めてもらっては困ること。
口が達者で言うことが的を得ていること。
しかもそこから続く理屈が理路整然としているため、
私も酷い目にあっている。
今後そういうことがあったら遠慮なく
殴ってくれて結構。
ここまで一気に話し終えた頃には、
会場は大爆笑の渦。
「ただし」とさらにつけ加えます。
「君は体がでかいから本気でたたかれたら
さぞ痛いだろう。
殴れとは言ったが、
その時は手加減してくれるよう頼みます」
そう言って新郎へ向かってお辞儀をしたそう。
そして
「お転婆娘が今日から私の手を
離れると思うと、
こんなにうれしいことは
あ・り・ま・せ・ん・・・」
そう言って絶句してしまった角栄氏。
このスピーチは未完了のままで、
自席へ戻り、白いハンカチーフで
目頭と鼻を拭っていたんだそうです。
このスピーチは、
「当時の政財官界でかなり有名な話」
になったとか。
当時、多大な影響力を持ち
政界のリーダーであった角栄氏が見せた、
ひとりの父親として素直な想いを語った言葉。
世の中を動かす影響力を持つ政治家が、
娘の結婚式で贈ったその言葉は
愛に溢れていますよね。
眞紀子氏がこのスピーチを、
「生涯忘れられないスピーチ」と
評しているのも納得でした。
プライベートの感情を隠さず語るその姿に、
会場が爆笑に包まれながらも
あたたかい空気に満ちていたことが
想像できる話ですよね。
ということで今日は、
昭和を代表する政治家田中角栄氏が、
娘の結婚式に贈ったスピーチを
ご紹介しました。
本日も結びまでお読みいただいて
ありがとうございます。