靖国合祀はA級戦犯の遺志に合致するのか。 | メタメタの日

 A級戦犯の靖国合祀は,靖国神社の責任で1978年になされたが,昭和天皇がそれに不快であったことは,2006年に「富田メモ」が公開されて明らかになり,また,宮内庁御用掛として昭和天皇を始め皇族方の和歌を24年間指導されていた岡野弘彦さんの退任の際(2007年)の朝日新聞のインタビューでも確認された。今年7月の毎日新聞のインタビューでも岡野さんは昭和天皇の遺志を再確認されている。

岡野さんには,宮内庁御用掛の任にあったときに刊行した歌集『バクダッド燃ゆ』(2006年)に次の歌があり,当時話題になった(ことを私は最近になって知った)。

 地に深くひそみ戦ふ タリバンの少年兵を われは蔑()みせず

 ひげ白みまなこさびしきビンラディン。まだ生きてあれ。歳くれむとす

 かくばかり世は衰へて ひとりだに 謀反人なき 国を危ぶむ

 
 今回岡野さんにインタビューする機会に恵まれた。テーマは歌だったが,8月でもあり,毎日新聞の記事が出た直後ということもあって,A級戦犯の合祀問題にも触れられた。私は7年前に,合祀は東條英機の遺志に反すると書いたことがあるので,A級戦犯自身の遺志について質問したところ,岡野さんも同じように考えていられたことを知った。