「共通認識」の定義 | メタメタの日

Google入試問題をめぐる論議は、さらにさらに深まっている。

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============以下、525番発言==============

>515 KiLiさん


「「共通認識」という言葉がどういう事態を表しているのかを明確に定義しないとまずいですね。」


 その通りなんです。

 私も「共有認識」と言ってきたが、「共通認識」という用語の方がいいように思えてきたし。


 452番NatcHさん発言を元に、次のように定義します。


k(X)={Y}     Xは、Yがであることを認識している。

k(X,Y)={Z}   XとYは、Zがであることを共通認識している。


 4人の場合は、次のようになります。


k(A)={B,C,D}      Aは、B,C,Dの●を認識している。

k(B)={A,C,D}

k(C)={A,B,D}

k(D)={A,B,C}


k(A,B)={C,D}  AとBが共通認識している●は、CとDである。

k(A,C)={B,D}

k(A,D)={B,C}

k(B,C)={A,D}

k(B,D)={A,C}

k(C,D)={A,B}


 つまり、AとBの「共通認識」k(A,B)は、Aの認識k(A)である{B,C,D}とBの認識k(B)である{A,C,D}の積集合{C,D}になります。もしも、AとBが話し合ってお互いの認識を交換しあうとAとBの「共有認識」は、Aの認識とBの認識の和集合{A, B,C,D}になりますが、このゲームのルールはそうは規定していません。


 さて、続けます。

k(A,B,C)={D}       AとBとCが共通認識している●は、Dだけである。

k(A,B,D)={C}

k(A,C,D)={B}

k(B,C,D)={A}


註: k(A,B,C)={D} という事態からは、Dのみが●で、A,B,Cの3人が○であることを仮定することができることになります。(ワイネフさんの主張の反論になりますが)

 k(A,B,C)={D} という事態はAの立場からは、次のようにも言えそうです。「Aが自分を○と仮定し、Aの想定する(頭の中の)BもB自身を○と仮定し、そのBがC自身を○と仮定しているCを想定するならば、DはD自身を●と立証する」とAは考える。  

A(A(○∧B(○∧C(○)))⇒D【●】)    註終。(この註は無視した方がいいかもしれません。なら書くなよ>自分)


 さて、そして、4人全体の「共通認識」です。

k(A,B,C,D)={ }  


 これは、A,B,C,Dの4人の共通認識である●が「いない」「0人」という意味でもあり、●については「言えない」「不明」「回答不能」という意味でもあるでしょう。しかし、「共通認識」の「集合の要素は無い」「空集合である」「0人」と言った方が良いように思える。(前発言では、私は、こういう意味ではない、と書きましたが、訂正します)


 つまり、4人の●の存在の有無やいわんやその数についての「共通認識」は無いのです。AもBもCもDも、個々別々には、●が3人は存在していることを認識している。しかも、自分以外の他のメンバーも少なくとも2人の●を見ていることを知っている。自分を入れて3人のメンバーは、1人の黒を見ていて、それが誰であるかも言える。しかし、4人全体になると、●がいるかいないかさえ言えなくなる。とても不思議な気がするが、論理的にはこうなる。

 したがって、4人の「外部から」、「●が少なくとも1人はいる」と言われることは意味がある。そこで始めて、4人の共通認識が生まれる。

k(A,B,C,D)={1人以上} 

誰であるかは特定できない。しかし、●の存在は特定できた。

これが「夫殺しゲーム」開始の合図となる。

===========(以上、525番発言)==============