昔、ひきこもっていた時に
美輪明宏さんの本を読みました。
美輪明宏さん、分かる人いるかな？
そう、あの〝スピリチュアル〟を日本に広めた美輪さんです。
夏河は、辛い時苦しい時、さびしい時
事あるごとに美輪さんの本を開いていました。
美輪さんの本って暖かいんだよね。
そんな美輪さんの本の中の一節に、こんなことが書いてありました。
「私は、莫大なお金も、無限の自由も持っているのに、不幸な人物を知っていますよ」
美輪さんによると、その男の人は
生まれながらに莫大な資産を受け継いだ、お金持ちのなのだそう。
そして一生豪遊しつくしても、尽きることが無いどころか
どんどん湧いてくるほどの資産を持っている。
そんなお金持ちの人の豪邸に遊びに行った時、
美輪さんは、どういう訳か
彼の顔に覇気が無いことが気になったという。
広いリビングの上の高級なテーブル、何千万円もするだろうソファー。
だけどどこか殺風景を感じさせる部屋。
そしてテーブルの上には、飛行機の雑誌が１冊置いてあるだけで
彼はうつむき加減で座っている。
そんな彼が気になって、
あなた、いったいどうしちゃったの？
と美輪さんが聞いてみると
彼は
「人生でやることがない」
と答えたという。
そんなことはないでしょう？
あなたには皆がうらやむほど、お金も、自由もいっぱいある。
出来ないことなんて、なにもないでしょう？
と聞くと、
「私が望めば、何でもすぐに叶ってしまう。だから私は、雑誌を見て夢想している時が、イチバン幸せなんだ…」
この美輪さんの話は面白くてね、
つい思いだしてしまいました。
私たちは、お金があること
自由であること が
幸せの条件だと思っていて
その為にがんばったりするけれど
お金があること、自由があること
それ自体が
幸せということじゃあないんだね。
じゃあ、いったい何が
私たちが〝幸せ〟だと感じさせてくれるというのか？
というと
ここからは、私見になるんだけど
価値があると感じるものを
手に入れた時
なんじゃないかな、と思うのです。
少し、俗にいうと
昔は欲しい欲しいと思っていたけど
手に入れられなかった〝何か〟
これを何とかして
自分の力で手に入れてやろう…と気持ちが働く時
生きがいを感じるし、
嬉しさを感じるのだと思う。
私たちが、お金が欲しい、自由が欲しい
と言うのは
お金や自由は、なかなか得られないものだ
ということを
経験から知っているからだよね。
この経験があるから、
人生の中で、
お金だとか、自由だとかに
価値が生まれることになる。
特定のものを追うことが
その人にとっての楽しみとなり、
好奇心となり、
生きがいになるのだと思う。
愛が欲しかった人は、
愛に対して価値を感じて
愛を求めることが生きがいになる。
お金が欲しかった人は、
お金に対して価値を感じて
お金を求めることが生きがいになる。
自由が欲しかった人は、
自由に対して価値を感じて
自由を求めることが生きがいになる。
コミュニケーションが欲しかった人は、
コミュニケーションに対して価値を感じて
コミュニケーションを求めることが生きがいになる。
そしてそれらを求めることを動力として
自分の人生を進んでいく。
色んな人と、出会ったりする。
そう考えると、不幸というのは
悪いものではないのかも知れない。
だって、
不幸だと感じる経験をしたからこそ
自分にとって、
価値のあるものが生まれたのだから。
不幸だと感じる経験をしたからこそ
自分にとっての、
幸せ
が分かったのだから。
不幸を知っているということは、
自分にとって〝何が幸せなのか〟
もうすでに知っているということ。
そこに気づいたら、
自分にとって、価値のあるものを感じられる方向に…
手に入れられる方向に…
自分を進ませてあげると、いいのだ。
きっとそれだけで、人生はわくわくするだろう。
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