Q.「座る時の良い姿勢を教えてください」A.「落ち着きのない人になりましょう」 | めるもバレエ metamorphose Ballet

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バレエスタジオをつくることになり、奮闘する様子を中継してます。

2024年2月オープン
東横線 日吉 綱島・グリーンライン高田駅@横浜

metamorphoseを初回受講される方へは、今後のピラティス・セッションで使われる言葉の意味に迷わないよう、座学から始めてゆきます。

 

「関節のNeutral Position(ニュートラル・ポジション)」の概念や、ポールスターピラティスの専門用語である「Axial Elongation(アクシアル・エロンゲーション=軸の伸張)」などについて解説し、良い姿勢を目指すため必要な知識をつけていきます。

 

良い姿勢には練習が必要になるので、まず立位と仰向けを使って動くのですが…

 

そのセッション後に度々「座る時にはどうすれば?」「座る時の良い姿勢って?」というご質問をいただきます。

 

座位!椅子

 

めるもでの「よくあるご質問」No.1かもしれません。

 

多くの人が「座っている時の姿勢が悪いと感じている」ことの証であり、また多くの人が「長い時間座っている」ことの証ですね。

 

これは難しい問題なのです…。

 

私もピラティス・インストラクターとはいえ自営業者で、パソコン作業は延々と終わりませんショボーン

 

お仕事で8時間も10時間も座り続けている、という方たくさんいらっしゃいますよね。

 

座る時の良い姿勢があるなら知りたい!となるのは必然です。

 

そして私の回答は!

 

「悲しい事実なのですが『座る』こと自体が身体に悪いです」

 

毎回、申し訳ない気持ちになります。

本当にこの事実、悲しすぎるううううううショボーン

座らないと仕事にならないのにいいいいいショボーン

 

ご質問される時点でお気づきとは存じますが、改めて座位によくあるパターンを羅列してみますと

 

・ストレートネック

・胸椎屈曲・肩甲骨外転(猫背・巻き肩)

・腰椎過伸展または過屈曲(反り腰またはスウェイバック)

・股関節屈曲(鼠蹊部にある大きな管が潰され体液の流れを阻害)

・膝関節屈曲(ふくらはぎを動かさないことでエコノミー症候群の原因にも)

 

これは主に見た目(筋骨格系)からの話。

 

「そういうのが分かるから質問してるのー」ですよね。

 

PC画面を凝視していればもちろん目も疲れ、表情筋も固まります。

 

そして、みなさんあまりお気づきではないですが最も重大な問題の一つとも言えるのが

 

内臓が潰れる


ことです。ヒィィィィィィィガーン

 

座位は普段親しんでいる体位ですし、私も毎日座っていますが…

 

座っている時の内臓って、イメージとしては「地震で潰れた建物の下で僅かに息があるような人」のような状態です。

 

なんてひどい…。

 

そのため、座ることは内臓疾患に繋がってゆきかねないのです。

 

バレエでひたすらに言われる「引き上げ」は、建物の下で潰れている人(内臓)を、瓦礫をどかして助けてあげるような素晴らしい身体操作です。

 

ポールスターピラティスでは「Axial Elongation(アクシアル・エロンゲーション=軸の伸張)」という言葉を使います。

 

このせっかくの引き上げやAE、座位では消えてしまいます…。

 

仮に骨盤を座面に対して垂直にし、脊柱+頭蓋骨(=頚椎0番)までをニュートラル(負荷が少ない位置)にしたとしても、股関節は曲がっていますよね。

 

例えば長座・胡座で背筋を起こした姿勢などは、内臓の圧迫は減少します。

 

しかし股関節屈曲位で脊柱ニュートラルを維持するのは、なかなか長時間もちません。

 

そして座るということはだいたい何らかの作業が伴うことが多いですから、姿勢よりは作業に意識が向きます。

 

骨盤をニュートラルに保てる時間はほんの少しでしょう。

あっという間に猫背に戻ってしまいます。

 

これくらい綺麗に背筋が伸びていれば座る姿勢として良いですが、

果たしてこのまま長時間PC操作などできるでしょうか。

 

やはり「長時間良い姿勢を保ち、かつ何らかの作業に取り組める」体位は、座位では両立が難しいです。

 

じゃあずっと立っていれば良いかというとそういうわけでもなく、「同じ体位を長時間続けることが良くない」ので。

 

先進的なオフィスでは従業員の健康を考え、電動昇降デスクなどを用いて一定時間立位・座位を繰り返す環境が提供されています。

 

「そのような環境はウチにはない」という場合、対症療法的に対策していくしかありません。

 

「同じ体位を長時間続けることが良くない」理由ですが、30分座ると血流は70%程度も低下するそうですガーンコワイヨー

 

私も自戒を込めて!こういう記事を書いたり事務作業をしたり、30分なんてあっという間です。

 

「仕事や作業に集中する」ことと矛盾してしまいますが、実は「落ち着きがない状態」の方が身体にとっては望ましいのです。

 

昇降デスクなどがない場合、「落ち着きがない環境」を自分で作っていくしかありません。

 

バランスボールに座るオフィスもあるそうですね。

 

あるいは小さなボールを座面に置いて骨盤をゆらゆら回してみたり

リフレクスボールを足元に転がしておいて時々踏みつけたり

 

『タバコの呼吸を会得せよ』でもお伝えしているのですが、喫煙習慣から「タバコさえ」排除すれば、とても良い行動パターンなのですよねw

 

30分に1回程度、喫煙所に向かうため歩行し→深呼吸をし→リラックスし→また歩行し→仕事に集中する。

 

これをタバコなしでやるのです禁煙

 

「喫煙者は非喫煙者よりも休憩が多く、仕事する時間が短い」などと揶揄されますが、個人の身体にとって定期的な休憩は良い習慣です。

 

会社側も、従業員に長く健康で働いてもらいたいのならばそのように考えていく方が得策なのです。

 

 

良いイメージのことが身体に悪かったり、悪いイメージのものが身体に良かったりすることはたくさんあるのです。

 

「仕事に集中する」良いイメージですよねー。

でも、身体にとっては「30分に1回程度の休憩が望ましい✨」です。

 

「しょっちゅう休憩に行く」悪いイメージですよねードクロ

でも、身体にとっては「歩行ランニングで血流が向上する✨」ので良いことです。

 

「落ち着きがある」良いイメージですねー。それに対し

「貧乏ゆすりをする」落ち着きがなく、悪いイメージですねードクロ

 

でも、身体にとっては「ふくらはぎのポンプ運動促進✨」になって良く、必要な生理現象です。

なんなら意図的に時々貧乏ゆすりをして、下腿に血液・体液が溜まり過ぎないよう習慣にしてください。

 

貧乏ゆすり、名前がひどいので悪いことにされてしまっており、名前を変えてあげたい!

 

最後にまとめです。

 

Q. 「座る時の良い姿勢を教えてください」

 

A. 「『座っての長時間作業』と『良い姿勢』は両立しません。

 

何も作業をしないただの美しい座位ならある程度は実現可能ですが、

長時間作業可能な姿勢の良い座位は存在しないと考えてください。

 

座位に対しては、対症療法的に、時々座面などにボールを用いて骨盤を動かす・しょっちゅう歩いてウロウロする・貧乏ゆすりをする・全身を揺らす・伸びをする・定期的に深呼吸でリラックスするなどで対策してください」

 

「それじゃ仕事にならねえw」というのは、ごめんなさい めるもでは解決できませんw

うまくやってくださいスーツ

 

大人であれば自分の身体に責任を持って管理しましょう。

体調管理については、自分以外の誰も面倒見てくれませんから。

あなたがあなたを大切にしてあげるしかないのです。

 

一生使うかけがえのない身体ですまじかるクラウン

 

  

 

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