■ それでも、やっぱり生きていてほしいです | 自分軸makingパートナー☆高橋かのんブログ

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彼女は、疲れていた。


私も、疲れていた。


駅の階段を上ると


ホームの柱に

しゃがんで寄りかかっている


彼女が見えた。


ひどく疲れているように見えた。


髪が乱れて、うかない表情

とにかく顔色が悪い・・・・


でも、具合が悪い感じではない

そう、だから、「疲れている」なのだ。


携帯を両手に持って、

懸命に見ていた。


こんなに疲れている人、見たことかも・・・

それに比べたら、私のは、眠いだけだ・・・


そんな風に思いながら、過ぎ去った。



しばし、電車を待つ。


”間もなく電車が到着します”


ランプが点滅した頃


それは起こった。



「ダメです!」


大きな声。


いざこざの空気が広がった。



「飛びこませてください!

 わぁーーー」


悲痛な彼女の声が響いた。


「ダメです」

何度でも、誠実に答える。



電車がものすごい風を巻き起こしながら

滑り込んでくる。



駅員さん二人が両脇から押さえられたものの

彼女は、崩れ、横たわった。



グレーのスーツを着たその姿が

目に焼きついた。



働いている人なんだな・・・

とても近い存在に思えた。



大変なことが起きている。



そう思いながらも、

体は、それを認めたがらないように、

いつものように、電車に乗り込む。


空いている。


腰を下ろした。


ふぅーっと一息つくと

先ほどのことが、頭の中で繰り返される。


カウンセラーをしていると


きのうリストカットをした・・・と手首を見せる少女を目の前にすることがある


死にたい、と言う人を目の前にすることもある


でも、本当に、今、その命を、投げ出だそうとするところを

目の前にしたことは初めてだった。



ふと、私は、ここに乗り込んで、よかったのだろうかと思う。



誰かが倒れたら、

「この中に、お医者さんはいませんかー?」

とか探される。


もしくは、誰かがさっと、寄ってきて

「医師です」

と言う。


あんなとき、私は、

「カウンセラーです」と駆け寄って

彼女が落ち着いて、話ができるようになるまで

近くに待機していてもよかったのかもしれない。


そんな考えが湧いてきていた。


まぁ、ああいう場合は、病院に運ばれることに

なっているのかな。



彼女を見かけたときも

具合の悪そうな人には声をかけやすい

(私も、具合が悪い時、声をかけてもらったり、

 お水を買ってきてくださる人に出会う)


これからは、誰もが、ひどく疲れて見える人にも、

声をかけてみていいのかもしれない。


八ヶ岳で、近くに住む人たちに

あいさつされて、自殺を思いとどまる人も多い

と聞く。


きっと、駅員さんたちは、

それが分かっているのかもしれない。


だから、止められたのかもしれない。



駅員さんは、命を守る仕事でもあることを

今日、初めて知った。


駅員さん、ありがとう!

そう、心の中で何度もつぶやいた。



彼女が携帯で、誰と繋がっていたのか、

繋がりたかったのか、

私には、わからない。


彼女が、なぜ、死のうとしたのか

私には、わからない。


今、どんなにつらい状況にあるのかも。


でも、


それでも、やっぱり生きていてほしいと

願ってしまうのです。


そう、

願わずにはいられません。



誰かに話してしまえたら、


小さな小さな悩みの種から、

誰かに言ってしまえたら、


どうか、どうか。