音楽図鑑 | シン・メンズビギ横浜店ブログ

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メンズビギ横浜店スタッフによる、何でもアリのフリースタイルブログ

あれは1985年の夏だった。


進学で上京していた僕は、

バイト仲間たちの影響を受けて

夏休み直前にバイクの免許を取り、

すぐにクラシックなバイクを買って

その数日後の夜中には

北海道函館の実家へ向け出発した。


慣れないバイクで

いきなり北海道だなんて…

と今なら思うが、

当時はさして気にしてなかった。

しかし、青森港のフェリー乗り場に

辿り着いた頃にはもうヘトヘトで、

単気筒エンジンの振動のおかげで

手の痺れが治まらなかった。


時間はいっぱいあった。

毎日気が向くままバイクを駆って

夏の北海道を満喫していた。


ある日、同じく帰省していた友人のTから

家に遊びに来ないか?と誘われた。

Tとは高校の同級生だったが、

クラスも部活も一緒になったことはない。


ただ、僕の高校は私服だったせいか、

その着ている服を見れば

趣味が近そうなヤツが分かった。

当時のお洒落な同級生は

メンズビギやメルローズのトレーナー。

天の邪鬼な僕は先に上京していた

姉に頼んで送ってもらった

ビームスやシップスのトレーナー。

そしてTはミルクボーイだった。

僕とTは東京でしか手に入らないモノ

という共通点で仲間意識が芽生えたのだ。


そして聴いている音楽の趣味。

音楽… 

特にロックに飢えていた僕たち高校生。

お金のない高校生がたくさんのロックを聴く

手っ取り早い方法はレコードの貸し借りだ。

◯組の◯◯が◯◯の新譜を買ったらしい…

とか、アイツは◯◯を持ってるらしい…

という噂が口づてで伝わると、

瞬く間に順番待ちになる。

Tから借りた最初のレコードは、

ツェッペリンの「プレゼンス」だった。

同じ釜の飯を食わなくても、

女の子の好みが違っても、

ファッションと音楽の趣味さえ合えば

それだけでよかった。


Tの家には一度も行ったことがなかった。

函館市内から離れた隣町に住んでいたTは、

汽車通学だったのだ。

鉄道が電化されていない北海道では、

電車ではなく汽車と呼んでいた。

学校帰りに気軽に寄れる場所ではない。

でも今ならバイクがある。


Tの実家は海の目の前にあり、

昔からその町の産婦人科医院を

営んでいたことだけは知っていた。

産婦人科…

当時の男子高校生にとってこのコトバは

口にするだけでドキドキする悩殺ワード。


さて、僕とTの第一目的は、

目の前に拡がる函館湾の海で

ホッキ貝を採ることだった。

北海道の夏は短い。

でもその日は夏らしい陽射しに溢れ

湾内はほとんど波がなく、

水温もちょうどいい塩梅だった。

顎まで海に浸かった僕とTは、

海底の砂を足裏とつま先で探りながら

ホッキ貝採りに精を出した。


僕は初めての体験だったが、

子供の頃から慣れ親しんでいるTは

コンスタントに獲物を探り当てては潜り、

数秒後には右手に握ったホッキ貝を

海面から突き出した。

その日の収穫はほとんどTだった。


戦利品を抱えTの家に戻った。

ちょっと待ってて! と言って、

Tは僕を先に自分の部屋へ通した。

彼の二階部屋の窓からは、

函館湾と函館山が一望できた。

そこはまるで海辺の民宿だ。

実家の僕の部屋から見える函館山と

形が違って妙に感動した。


ほどなくするとTのお母さんが、

採れたてのホッキ貝の刺身を

大皿に盛って部屋に持ってきた。

Tはサッポロの赤星大瓶と

グラスを抱えてきた。


文字通り産地直送のそれは

文句なく旨かった。

やっぱ自分で採ったホッキ貝は旨いな!

と僕が言うと、

それ全部オレが採ったんだけど…笑


昔話や共通の友人が今どうしてるとか

お互いの近況を話してるうちに、

さっきまでの海で遊んだ疲れや

心地よいビールの酔いが回り

徐々に弛緩していった二人は、

やがて言葉少なになっていった。


開け放たれた窓からは、

午後の陽射しに照らされた静かな海が

魚の鱗のようにキラキラ輝く…。

そして久しぶりに再会した友人との時間…。

嗚呼、なんて気分がいいんだろう。


僕はふと、さっきからずっと

気になっていたことをTに聞いた。

いつも聴いてるロックとは毛色が違う

部屋を流れていた不思議な音楽…

それはTが針を落としていた

一枚のレコードだった。

今のまったりした気分と

ゆっくりと流れる時間に寄り添い、

あまりに馴染んで心地よかったのだ。


僕はレコードプレーヤーの方を指差し、

ところでこれ、誰?

と聞いた。

するとTは、

あ、これ? 坂本龍一の「音楽図鑑」だよ。

と答えた。


何の根拠もないのに、

明るい未来を信じて疑わなかった

あの時の自分…。

今でもあの時の情景を思い出すたびに、

私の脳裏で「音楽図鑑」が鳴り響く。




GMです。

坂本龍一さんの追悼文を

ちょっとだけ書くつもりだったのに、

気がつくといつの間にか

陳腐な短編小説になってしまった、、、

でも40年も前の “A DAY IN THE LIFE” が

不思議とスラスラ書けたのは、

その時の映像が鮮明に蘇ってくるから。

それは間違いなく坂本龍一の音楽と

セットになっていたからだと思う。

坂本龍一さんのご冥福をお祈りします。



さて、ここからは通常営業だ。

今日ご紹介するのは、

いまやメンズビギ夏の定番の一つに

数えられる、

【ACTIVE TAILOR】COOL MAX
ニットサッカー ポロシャツ

価格:¥15,400(税込)

カラー:ホワイト・ブルー系・ネイビー・

                ブラック系

サイズ:01(S)・02(M)・03(L)・04(LL)


さらりと着られる夏場のビジネスシーンにもピッタリのポロシャツである。
コーディネートに取り入れやすく、デイリーに使える上にゴルフなどアクティブなシーンでも活躍するおすすめの一着だ。

吸水速乾性のあるCOOLMAXの糸を使用し、凹凸感の出るサッカー織でさらりとした清涼感のある肌触りが特徴。さらに軽量で、シワになりにくいのも嬉しいポイント。ボタンダウン仕様の襟元はVゾーンのアクセントに最適だ。
シンプルなデザインながら細やかなディテールにこだわることで、大人が着るにふさわしい上質な仕上がりになっている。

私GMのイチオシは新色のブラック系だ。



ほらね!  いいでしょ?
きっと40年前の自分だったら
似合わなかったと思うんだけど…。
大人もいいもんだぞ!
と昔の自分に言いたいな(笑)

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