
著者: 東野 圭吾
タイトル: 毒笑小説
勝手に採点 ☆☆☆
標題からお察しの通りブラックユーモアに溢れた短編集。
抱腹絶倒型ではなく、毒がちりばめられ、クスッ、ニヤッ
とするような笑いを奇抜な発想で描く。
ただ、「ホームアローンじいさん」と「花婿人形」は途中から
結末がわかってしまい興ざめの感。特に後者は今まで
どうしてたんだよ!突っ込みたくなる。
最後のオチもいただけない。もう少し違った展開で花婿の
滑稽さを伝えて欲しかった。
一番良かったのは「つぐない」。思わず「愛をつぐなえば~♪」
と口ずさみたくなるタイトルだが、ストーリーは全く無関連。
さえない中年サラリーマンが、個人教授を付けてまでピアノを
特訓して、しがない発表会で披露する理由とは?
ラストは切なさと程良い感動が胸を包み、同じ感覚を味わった
氏の別作品を彷彿とさせ、これってユーモア?と少し疑問に。
ところが、巻末の「東野&京極」の対談を読んで納得。
「へぇー、そうだったんだー、確かに似た感じがある」と疑問
が氷解し大満足。
この対談では、人気作家二人がユーモアに対する姿勢・考え方
を率直に語りあっておりとても興味深い。特に「笑わせる方が泣か
せることよりテクニックが必要」というくだりには感心させられた。
これほどの作家でも、はずす、シラける、おもしろくないヤツとい
うレッテルを張られることに恐怖してるってこと。
本編には「鉄道員」のような珠玉の一品があるわけでないが、作家の
笑いにかける挑戦、意気込みのようなものを感じさせる意欲作と言える。







