著者: 京極 夏彦
タイトル: 文庫版 絡新婦の理

勝手に採点 ☆☆☆☆

人気の京極堂シリーズ第5弾!
房総のとある女子校を舞台に繰り広げられる連続殺人劇。

悪魔・魔女崇拝に溺れる女子中学生、女性連続目潰し殺人鬼、名門
富豪・織作家に秘められた禁断の過去、それらが複雑に絡み合い、
八方に張り巡らされた蜘蛛の巣に捕らわれていく・・・・。

この悲劇は悪魔の呪いか?謎の解明に京極堂が立ち上がる!

このシリーズを読むにあたって最も失敗した点は、順番どおり
進めなかった点。

物語が微妙に重なるし、登場人物も洗練されていくので、ぜひ
シリーズ順に読むべき!

内容的にはシリーズ中、最もエロティック&ショッキング!
また、次作「塗仏の宴」に比べると入りやすい気がします。

最もこの読みにくさ、複雑怪奇な理屈がたまらないという方々
も多いでしょうが。

ちょっと混乱したのが構成。最後まで行ってから最初に戻って読み
返して、やっとああ、こういうことかと納得。

できれば間を空けて、もう一度読んだ方が良いかなと感じました。

なにせ文庫本としては超分厚くボリューム満点!
一度通読したぐらいではもったいない気が・・・・。

終盤の京極堂の活躍には胸のすく思いがしますが、関口にはもうちょ
っと出て欲しかったかな。まあ、次作で過酷な苦労をするから休養か。

それにしても毎回思うのは複雑なストーリー構成と独特な時代設定、
登場人物の役割・人間像の描き方が見事な点。

映画の封切りも期待大。