著者: 高見 広春
タイトル: バトル・ロワイアル

勝手に採点 ☆☆☆☆

東洋の全体主義国家、大東亜共和国において繰り広げられる
中学生を対象にした「殺人バトル」。ルールはいたって簡単。
クラス内で最後まで生き残った1人が勝ち。

狂気の世界に突き落とされた「城岩中学校3年B組」の生徒達の
運命は?勝者は誰の手に?

大人がエンターテイメントとして読む分には、フィクション・
娯楽として単純に楽しめた。ゲーム感覚で描かれているので、
スピード・スリル感は申し分なし。

ただし、殺戮シーンや残虐な描写も多々あるので、子供に読ま
せるのはおすすめしない。

着想の独創性には感服。ストーリー、登場人物の設定は単純その
もので複雑さとは無縁。

生徒内における疑心暗鬼、恋愛、信頼、裏切り、そして駆け引き、
みんなで信じあって仲良くやっていこう!が全く通じない世界・・・。

目の前でクラスメートがバタバタと死んでいき、殺さなければ、
殺されるかも知れない過酷な現実・・・。

そんな中でも良心的な主人公たちと悪人の代表みたいのが生き残り、
対決!そして、仲間の裏切りか?といった終盤は、お約束どおりで
意外性はないものの、ストレートなだけ感情移入もしやすい。

にっくき「坂持金発」の扱いなんかは、まるで水戸黄門!を見てる
ようで胸がすく。

ただひとつ気がかりなのは、ゲームやこういった小説に悪影響を受け
て、子供達が変な方向に行かないように注意しなければならないこと。

人間の欲求として、「残虐さ」を好む傾向があることは否めない。
いじめや虐待もそうした深層心理が影響しているため、根絶することは
困難だろう。

両親や学校がそうした気持ちをいかに建設的、創造的な方向へ導くかが
重要な鍵であることを忘れてはならない。