ラーメンの進化と未来 | ラーメンプロデューサー「イソベ」のblog

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ラーメンは様々な形に進化して、様々な味が生まれて、様々な
アイデアにより多種多様な形が出来ました。
 
自分がラーメンにハマってから20年以上。
自分で作るようになってから10年以上が経ち、様々なラーメンを
体感して、今までに様々なラーメンを作ってきました。
 
 
しかし、現在はもう「出尽くした感がある」…なんていう声も耳に
するようになりました。

確かにここ最近出てくる新しい味や形は、今までにあったモノを
さらに進化、ブラッシュアップさせたモノも多く、模倣的なラーメンも
増えてきたように思います。
 
 
 
 
 
 
ですが、自分は

ラーメンの未来はまだ明るい!

と思っています。
 
 
出尽くした…なんて言葉を聞きながらも、多くのお店から様々な
アイデアで新しいラーメンが生まれていますし、そういうアイデアは
まだまだ出てくると思っています。
 
 
 
 
 
 
まず、昨今のラーメンはどのように進化してきたのでしょうか。
 
ブームという点では
 
魚介豚骨
 
このスープはここ15年以内で飛躍的に増えた味の一つですね。
 

「青葉@中野」さんのライトなタイプのスープが流行してから
「渡なべ@高田馬場」さんが現在の主流である濃厚なスープを
作り出して、「六厘舎@大崎」さんがそのタイプのスープのつけ麺で
さらに飛躍的に認知度が上がっていきました。
 
また「頑者@本川越」さんの魚粉「TETSU@千駄木」さんの
焼き石や、IHヒーターを使ってスープを冷めないようにする工夫
など、つけ麺は様々なアイデアで進化したように思います。
 
他にも「ロックンロールワン@町田」さんで生まれた昆布水
麺を入れたスタイルは、現在では清湯系のお店でかなり多くの
お店で取り入れられていますよね。
 
他にも割スープに様々な工夫をしたり、まぜそば+つけ汁
タイプ、パイ包みにしたつけ汁のお店なんかもあったりと
つけ麺は様々な形が生まれました。
 
 
 

清湯系のスープではやはり前述の「ロックンロールワン@町田」
さんのラーメンはかなり大きな影響を与えていると思います。
 
地鶏生揚げ醤油、素材をシンプルにした引き算のラーメンなど、
このお店の登場から現在の清湯系の名店が数多く出てきたのでは
ないでしょうか。
 
 
また佐野実氏の「支那そばや」はもちろん現代のラーメンの
進化に大きな影響を与えていますよね。
 
厳選素材を使用する店や自家製麺の進化はこのお店の存在が
大きいと思いますし、このお店に影響を受けた名店が数多く生まれ、
さらにその弟子が…という感じで味だけではない部分で影響の
大きいお店ですよね。
 
 
 
ここ最近は煮干ラーメンの台頭も気になるところでしょうか。
 
元々は「伊藤@王子」さんが都内の煮干ラーメンの火付役になり、
青森の煮干ラーメンに影響を受けた「凪@新宿」さんからさらに
広まっていきました。
 
以前は煮干という素材は産地や品質、種類にまでこだわって使う
店はかなり少なかったのですが、現在では様々な煮干をや品質に
こだわって扱うお店も本当に増えましたね。
 
 

他にも横浜で生まれた家系ラーメンの人気が全国区になったり、
最近では「台湾まぜそば」のように、一つの店のメニューが広まって
いくこともあります。
 
さらに全国各地にはご当地ラーメンと呼ばれる地元に根付いた
様々な形のラーメンがあり、それらがさらに全国区になっていく
ことも多いですよね。
 
 
 
さらに「中村屋@海老名」さんが有名になったことで、広く浸透して
いった香味油の進化。
 
「ほん田@東十条」さんが有名になったことで、認知度がグンと
上がった低温調理のチャーシュー
 
煮干系のお店で流行している「和え玉」のように、追加の麺などの
アイデアもありますね。個人的には「風来軒@宮崎」さんの替玉は
初めてみたときビックリしました。
 
 
 
 
さらに辛い系のラーメンも様々な形があります。
 
定番の担々麺は様々なお店で色んな形に進化していきましたし、
全国区の知名度になった「中本@上板橋」さんの存在はかなり
大きいと思います。
 
あとは「鬼金棒@神田」さんの「カラシビ」というキーワードや
ここ出身の「卍力@西葛西」さんのスパイスの使い方などは
自分も衝撃を受けました。
 
 
 
 
 
このように、元々あったラーメンが一つのお店がきっかけで広まり、
さらにそれに付随するアイデアや手法などで様々な形に進化して
きたわけです。
 
さらには、元々あったアイデアや作り方などが一つの有名店が
フューチャーされることで、広く浸透していくパターンも多いですよね。
 
こういう店基準のきっかけも非常に重要なポイントだと思います。
 
 
 
 
 
 
 
 

では、これらの進化やトレンドなどは本当に出尽くしたのでしょうか。
 
確かに「味」「手法」的な部分で一つの大きな「ジャンル」として
認知されるようなラーメンが今後出てくるのはなかなか厳しいかも
しれません。
 

しかし、前述のつけ麺のように、元々ある形を
 
 
「アイデア」で一つの
        新しい形にする
 

というパターンは今後もまだまだ出てくると思っていますし、
それによって元々ある形がさらに進化していくことは、まだまだ
あると思っています。
 
 
 

少し前に
 
ダブルテイスト
 
というワードがラーメン業界で流行しました。
 
「きら星@武蔵境」さんの「カツオ餡」のように一つのラーメンで
2度味を楽しめるようなアイデアですね。
 
これは現在では多くの店で様々な形で考えられて、進化しており
最近では「一笑@南阿佐ヶ谷」さんの「ベジ」なんかは凄い面白
かったですし、こういうアイデアはまだまだ出てくるのではないかと
興味深くなりました。

そういえば、自身も同じ系統の味をさらに強めたり、魚介の味を別のタイプの魚介味にする
「プラステイスト」というジュレを作ったのですが、誰にも知られることなく消えていきましたね…w
一応、ラーメントライアウトで優勝したときのアイデアの一つだったんですが…(苦笑)
 
 
 
 
 

また、自分は「食材」「素材」「調味料」などにおけるラーメンの
新しい形はまだまだ豊富にあると思っています。
 
今までも、多くのお店で珍しい食材や調味料を使ったラーメンが
作られてきました。
 
ここ最近の流行で言えば「トリュフ」なんかがそうでしょうか。
他にも洋風なテイストを取り入れるのは、ここ最近さらに増えた
ように感じています。
 
 
 
他にも鹿、猪などのジビエ素材やその他の動物系食材には
まだまだ可能性があると思いますし、魚類も世界には豊富に
あるわけで、今後メジャーになる可能性がある食材は自身も
注目していますし、自身でも試作を今まで結構しています。

他にも一般的に知られていない食材や調味料なども世の中
にはまだ沢山あるわけです。

ま、それらがラーメンに使えるかどうかはわかりませんが…w
 
 
 
 
 
 
やはり、これらはラーメンが
 
これをやってはいけない
 
という邪道的な概念が無い料理だからこそ、ここまで様々な形に
進化していったんだと思います。

この概念がある限り、発想、アイデア、新たな手法、理論、技術の
向上、知識の向上、情報の伝達、未知の食材の発見…
 
様々な要素から自分はまだまだ進化していくと思いますし、
まだまだ色んな形が出てくると思っています。
 
 
 
 

だから自分は
 
 
ラーメンの未来は
   まだまだ明るい!
 
 
と信じているわけです。
 
 
 
 
 
自身でもラーメンに取り入れられそうな要素やアイデアはいくつも
メモにして残しています。
 
外で食事をした際、それこそファミレスや居酒屋なんかでアイデアが
浮かんでくることもありますし、何気ない会話やTVで見た映像から
ヒントを得たり、料理本を見てるときや、何気ない会話からなど…
 
それらでラーメンに使えそうなことは、いつもメモしています。
お笑い芸人が日常でネタを探しているような感じでしょうかw
 
 
そして、それらのアイデアはまだまだ世の中に出ていないであろう
内容もたくさんあるんですよね。
 
中にはこりゃ取り入れるのは無理だな…なんて思う内容はいくつも
あるし(苦笑)、書いてある内容が意味不明なモノまで色々あるんで
すがw、それでもそういうちょっとしたアイデアや発想から大きな形や
流れが出来ていくかもしれないし、今後もネタを探していくつもりです♪
 
 
 

そして、いつか自分もそういうラーメンの一つの形になるような
パイオニア的なものを作り出せたら本当に嬉しいですね。
 
さて、いつになることやら…