数学・化学講師 佐藤学による受験生に役立つ濃縮ポイントと…etc -116ページ目

入試問題文を聴いて覚える化学 16族元素編

今日も、入試問題文を聴いて覚える化学 16族元素編です。

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入試問題文を聴いて覚える化学 16族元素編

■ 2011年度 関西大学
 雨水中には空気中の二酸化炭素が溶けているため,通常の雨水は弱酸性を示す。しかし,これよりも酸性の強い雨が降ることがあり,これを酸性雨という。

 酸性雨の原因の一つは,化石燃料などの燃焼中に窒素が酸化されてできる赤褐色の気体である二酸化窒素が雨水に溶けて,硝酸が生成するためである。また,硫黄化合物の燃焼により生成する無色の気体である二酸化硫黄も酸性雨の原因となる。これは二酸化硫黄が空気中で酸化され,雨水に溶けて硫酸が生成するためである。

 酸性雨により大理石製の彫像など歴史遺産に大きな被害が出ているが,これは,大理石の主成分である炭酸カルシウムが雨水中の硫酸と反応してセッコウになるためである。


■ 2011年度  明治大学
 酸性雨は産業革命が全盛を迎えた19世紀後半に英国で初めて用いられた言葉であるが,20世紀後半になると世界各地で観測されるようになり,地球規模の環境問題となっている。

 酸性雨の原因として,化石燃料が燃焼する時に生じる硫黄酸化物や自動車の排気ガス中に含まれる窒素酸化物がある。これらが大気中で酸化され,その結果として生じる三酸化硫黄や二酸化窒素が雨水中に溶け込み,硫酸や硝酸を生じることで酸性の雨をもたらす。


■ 2011年度 東京理科大学
 硫黄から製造される硫酸は化学工業上,最も重要な酸である。硫酸のうち,濃硫酸は強い吸湿性があり,脱水剤や乾燥剤として用いられる。希硫酸は強い酸性を示し,銅,銀などを除く多くの金属を溶かし水素を発生する。

 濃硫酸の製造は,硫黄を空気中で完全燃焼させて生じる二酸化硫黄を,酸化バナジウム(Ⅴ)の存在下で空気中の酸素により酸化し,これを濃硫酸に吸収させて発煙硫酸をつくる。これに希硫酸を加えて濃硫酸とする。このような硫酸の工業的製法を接触法という。


■ 2011年度 同志社大学
 硫黄の単体は火山地帯に産出するが,工業的には石油を精製するときに大量に得られる。硫黄の単体には,斜方硫黄,単斜硫黄,ゴム状硫黄などの同素体が存在する。硫黄が他の元素と反応してできた化合物を硫化物という。

 硫黄に点火すると青色の炎を上げて燃焼し,二酸化硫黄になる。二酸化硫黄は水によく溶け,その水溶液は亜硫酸とよばれる。亜硫酸は,弱い酸性を示す。また,二酸化硫黄は,亜硫酸水素ナトリウムに希硫酸を反応させても得られる。二酸化硫黄を酸化させると,三酸化硫黄が得られる。三酸化硫黄は発熱をともなって水と激しく反応し,硫酸を生じる。工業的には,硫酸は次のようにして製造される。
 高温状態の二酸化硫黄と酸素を,触媒を詰めた接触室に通し,三酸化硫黄にする。三酸化硫黄を濃硫酸に吸収させて発煙硫酸とし,これに希硫酸を加えて濃硫酸にする。この製法を接触法という。


■ 2011年度  新潟大学
 硫黄は多くの酸化数をとることが知られている。火山ガスに含まれる硫黄の化合物には硫黄の酸化数が+4である二酸化硫黄と酸化数が-2である硫化水素がある。

 二酸化硫黄は刺激臭,硫化水素は腐卵臭をもつ気体で,どちらも空気より重く,毒性がある。火山ガスの噴出孔付近では,二酸化硫黄と硫化水素が反応することにより単体の硫黄が生成し析出する。硫酸は工業的に大量に生産されている硫黄の化合物で,硫酸の中の硫黄の酸化数は+6である。

 希硫酸は強酸で,水素よりもイオン化傾向が大きい金属と反応して水素を発生する。また,濃硫酸を加熱したものは酸化力が強く,銅と反応して二酸化硫黄を発生する。


■ 2011年度 慶應義塾大学
 硫化水素は.無色の腐卵臭をもつ有毒な気体で,水に溶けると弱酸性を示す。また,強い還元作用があり,自身は酸化されて硫黄を生じる。
 
 また,銅イオンや銀イオンを含む水溶液に硫化水素を通じると水に溶けにくい黒色の硫化物が沈殿する。

 二酸化硫黄は無色の刺激臭をもつ有毒な気体で,水によく溶け,その水溶液は酸性を示す。多くの場合,還元剤として働くが硫化水素と反応するときは酸化剤として働き,このとき単体の硫黄が生成する。



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入試問題文を聴いて覚える化学 15族元素編です。

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入試問題文を聴いて覚える化学 15族元素編


■ 2011年度  京都工芸繊維大学

 窒素は15族の典型元素であり,いくつかの酸化数をとる。窒素の単体は,大気中に窒素ガスとして存在している。窒素ガスと水素ガスの混合気体から,四酸化三鉄を主成分とした触媒を用いることによりアンモニアが工業的に合成されている。この方法はハーバー・ボッシュ法とよばれている。

 アンモニアは弱塩基で,水に溶かすと,電離していない分子と電離して生じたイオンとの間に,電離平衡が成立する。また,窒素を含むいくつかのオキソ酸があり,それらのうちには,強い酸性を示すものもある。この化合物は,オストワルト法で合成されている。


■ 2011年度 立命館大学
 実験室でアンモニアは,塩化アンモニウムと水酸化カルシウムを混合して加熱すれば得られる。アンモニアは水によく溶ける無色の気体であり,その水溶液は弱い塩基性を示す。工業的には,鉄を主成分とする触媒を使って直接窒素と水素からアンモニアが合成される。この反応は平衡反応である。

 硝酸は,工業的にはアンモニアを酸化して製造される。この反応はオストワルト法と呼ばれ,次の3段階の化学反応式で表される。

第1段階 4NH3 + 5O2 → 4NO + 6H2O
第2段階 2NO + O2 → 2NO2
第3段階 3NO2 + H2O → 2HNO3 + NO

第1段階の触媒は白金であり,この反応で生じる一酸化窒素は水に溶けにくい無色の気体である。第2段階で生じる二酸化窒素は水によく溶ける赤褐色の気体である。
第3段階では,生じた二酸化窒素が硝酸になる。その時,生じる一酸化窒素は再び第2段階で酸化されて,二酸化窒素になり,第3段階で硝酸へと変わることになる。


■ 2011年度  徳島大学
 窒素Nは原子番号7の元素であり,その単体は,常温においては二原子分子のN2である。人類は,窒素化合物を肥料や火薬などに利用してきたが,N2は化学的に安定であるため,空気中のN2を直接利用することは困難であった。

 20世紀の初め,ハーバーとボッシュは,窒素N2と水素H2からアンモニアNH3を合成する方法を開発し,その工業化に成功した。アンモニアは刺激臭のある無色の気体であり,水に溶けやすく,その水溶液は弱い塩基性を示す。合成されたアンモニアは硫酸アンモニウム,尿素,硝酸など,さまざまな化合物に変化させたのち,工業原料や肥料などとして用いられる。
 
 窒素の酸化物にはさまざまなものが知られている。たとえば一酸化二窒素N2Oは笑気ガスともよばれ,麻酔作用などの薬理作用を有する。N2Oは,CO2などとともに,温室効果ガスとして大気の温度上昇にも関与している。

 一酸化窒素NOや二酸化窒素NO2は,物質が燃焼する際に,燃料中の窒素原子の酸化や,高温・高圧下における空気中のN2とO2との反応により生成する。これらは,大気中での反応を通して,光化学スモッグや酸性雨の発生にも関与している。



■ 2011年度 京都産業大学
 窒素の単体は,窒素原子が2個結合してできた分子であり,室温で安定な気体である。窒素を含む化合物であるアンモニアは,刺激臭を持つ無色の気体で水によく溶け,その水溶液は弱塩基性を示す。

 実験室では,アンモニウム塩を強塩基とともに熱してアンモニアを発生させ,これを捕集する。また,工業的には,窒素と水素を体積比1:3で混合し,鉄を主成分とした触媒を用いて高温,高圧で化合させてアンモニアを発生させる。窒素はいろいろな割合で酸素と化合する。一酸化窒素は,実験室では銅に希硝酸を加えて発生させ,これを捕集する。

 一方,二酸化窒素は,銅に濃硝酸を加えて発生させ,これを捕集する。硝酸は,実験室では硝酸塩に濃硫酸を加え,加熱して発生させる。

 窒素と同じ周期表15族に属する非金属元素のリンは,リン酸塩として動物の骨や歯に多く含まれる。単体は,工業的にはリン鉱石を電気炉中でけい砂と反応させてつくられる。このときリンは蒸気となって発生し,これを水中で固化させると黄リンが得られる。

 黄リンを250℃で空気を断って熱すると,赤褐色固体の赤リンとなる。赤リンはマッチ箱の側)薬として用いられている。

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入試問題文を聴いて覚える化学 14族元素編

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入試問題文を聴いて覚える化学 14族元素編


■ 2011年度 同志社大学  
 二酸化炭素は,常温・常圧で無色,無臭の気体である。気体の二酸化炭素を常圧で冷却すると,液体を経ずに直接固体となる。固体が直接気体になることも気体が直接固体になることも昇華という。固体の二酸化炭素はドライアイスとよばれる。ドライアイスは,気体になるときに熱を吸収する。

 二酸化炭素は,水に少し溶け,溶液は弱酸性を示す。二酸化炭素の分圧が等しい場合で比較すると,温度が高い方が二酸化炭素の水への溶解度は小さい。ルシャトリエの原理に基づいて考えると,これは,二酸化炭素が水に溶解するときの溶解熱の符号が正であることを示している。このように,ルシャトリエの原理は,化学反応だけではなく,溶解平衡にも適用できる。また,気液平衡や固液平衡などの物質の三態の変化にも適用できる。

 実験室では,二酸化炭素は炭酸カルシウムに塩酸を加えて発生させる。工業的には,炭酸カルシウムを熱分解してつくられる。二酸化炭素は,炭酸ナトリウムの工業的製造過程でも重要な物質である。塩化ナトリウムの飽和水溶液にアンモニアを十分に溶かし,二酸化炭素を通じると,炭酸水素ナトリウムの沈殿が生じる。

 そして, 炭酸水素ナトリウムを熱分解すると炭酸ナトリウムが生じる。このような炭酸ナトリウムの製造法はアンモニア・ソーダ法とよばれている。炭酸ナトリウムはガラスの製造などに用いられる。


■ 2011年度 岡山大学
 炭素にはいくつかの同素体が存在する。例えば,二次元結晶となる炭素の同素体としてはグラフェンがある。グラフェンは正六角形の格子が原子1個分の厚さで平面状に繋がった2次元結晶であり,炭素分子が蜂の巣状に並んでいる。

 グラフェンは炭素が持つ価電子のうち3個を使って共有結合しており,残る価電子は結晶表面を移動できるため,電気伝導性を持つ。2010年にガイムとノボセロフはグラフェンの研究によってノーベル物理学賞を受賞した。

 グラフェンが層状に重なったものがグラファイト(黒鉛)である。層と層の間は弱いファンデルワールス力で結合している。そのため,グラファイトは層状にはがれやすいという性質を持つ。
 
 グラフェンに関連した同素体として,グラフェンが筒状になったような構造を持つカーボンナノチューブや,炭素原子60個からなるサッカーボール状の構造を持つC60フラーレンなどがある。1996年にはC60フラーレンの発見によりノーベル化学賞がクロトー,カール,スモーリーに与えられている。C60フラーレンは結晶構造を取る場合がある。このとき,C60フラーレン分子を一つの粒子と考えると,立方体の各頂点および各面の中心にC60フラーレン分子が位置する。
 
 炭素の同素体にはさらに,三次元結晶となるダイヤモンドがある。ダイヤモンドは,各炭素原子が4個の価電子により隣接する炭素原子とそれぞれ共有結合を作って正四面体のかたちをとり,これが繰り返された立体構造を持つ。この原子の配置は幾何的に理想な角度であるため,ひずみがなく,安定である。ダイヤモンドは天然で最も硬い物質であり,電気伝導性を持たない。


■ 2011年度 名古屋大学
 炭素の同素体の一つである黒鉛は,光沢のある灰黒色の結晶で,柔らかく,電気や熱をよく伝える。黒鉛の結晶では,炭素原子は共有結合によって他の3個の炭素原子と強く結合して網目状の平面構造を形成している。

 この平面構造は互いにファンデルワールス [分子間]力により弱く結びついて層をなしており,層の間に原子や分子を取り込むことができる。
炭素の新たな同素体として1985年にフラーレンC60が発見された。


■ 2011年度  宮崎大学
 ケイ素は,岩石や鉱物の成分元素として,地殻中に酸素に次いで多量に存在する。ケイ素は,周期表14族の非金属元素で,価電子を4個もつ。単体のケイ素は,シリコンとも呼ばれ,天然には存在せず,酸化物を電気炉で還元してつくる。結晶は,共有結合の結晶で,灰色で金属光沢があり,半導体の性質を示す。そのため,高純度の単体は,コンピューターのIC(集積回路)や光エネルギーを直接電気エネルギーに変える太陽光発電などのエレクトロニクス分野で重要な材料として広く用いられる。

 ケイ素の酸化物である二酸化ケイ素SiO2は,主に石英として岩石中に存在し,砂状のケイ砂としても産出する。ケイ砂はガラスやセメントなどの製造のための原料となっている。
 二酸化ケイ素は一般に薬品には侵されにくいが,フッ化水素酸HFにはヘキサフルオロケイ酸H2SiF6を生じてとける。

 二酸化ケイ素に水酸化ナトリウムや炭酸ナトリウムなどの塩基を加えて約1300℃で融解すると,Na2SiO3などの種々の組成のケイ酸ナトリウムになる。

 ケイ酸ナトリウムに水を加えて煮沸すると,水ガラスという無色で粘性の大きな液体となる。水ガラスに酸を加えると半透明ゼリー状のケイ酸SiO2・nH2Oが生じ,ケイ酸を熱して脱水すると乾燥剤や吸着剤として使われるシリカゲルになる。


■ 2011年度 長崎大学
 地殻に含まれている鉱石は,セラミックスや金属などの製造に利用される。セラミックスは,原料を加熱処理によって焼き固めてつくられる製品の総称であり,ガラスやセメント,やきものなどが代表例である。

 植木鉢やタイルなどのやきものは,原料としておもに粘土が用いられ,成形されたのちに焼き固めることで製品がつくられる。約1400℃で焼き固められるものを磁器といい,たたくと澄んだ音がし,吸水性もなく,やきものの中でも比較的硬い。

 セラミックスのおもな原料は,天然のケイ酸塩であり,窓ガラスに使用されるソーダガラスは,けい砂(しゃ)と石灰石,炭酸ナトリウムの混合物を融解してつくられる。また,近年の科学技術の進歩にともない,ケイ酸塩以外にも金属酸化物や炭化物,窒化物などの高純度原料を使用し,人工骨などの生体関連材料や熱やガスなどを感知するセンサーがつくられている。このような窯業(ようぎょう)製品をファインセラミックスという。
 
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