入試問題文を聴いて覚える化学 銅編
今日も、入試問題文を聴いて覚える化学 銅編です。
録音した音声はyoutubeにアップしています。
□テキストは下記参照ください。
入試問題文を聴いて覚える化学 銅編
■ 2011年度 秋田大学
銅は,単体として天然にも存在するが,工業的には銅鉱石を製錬して製造される。黄銅鉱(主成分CuFeS2)などの銅鉱石を空気を吹き込みながら加熱すると,鉱石中の鉄や硫黄成分は酸化されて除去される。この方法によって不純物を含む粗銅が得られる。
粗銅から純銅を得るためには電解精錬を行う。電解精錬では,電解液である硫酸酸性の硫酸銅(Ⅱ)水溶液中で粗銅板を陽極,純銅板を陰極として0.2~0.5ぼるとVの低電圧で電気分解を行う。
このとき,粗銅板に含まれている亜鉛,鉄,銀,金などの不純物金属のうち,銅よりもイオン化傾向が大きい不純物金属は,銅(Ⅱ)イオンとともに陽イオンとなって電解液中に溶け出す。これと同時に,電解液中の銅(Ⅱ)イオンは還元され,陰極上に析出する。この操作によって陰極上に純度99.99%以上の純銅が得られる。
また,陽極の下には,電解液中に溶け出さなかった不純物金属が沈殿する。この沈殿物に含まれる金属は,別の操作により回収される。
■ 2011年度 中央大学
銅は,天然に単体として産出することはまれで,多くは銅鉱石中に硫化物や酸化物のかたちで,不純物をともなって存在している。高純度な銅の単体を得るためには以下の工程が必要となる。
銅鉱石(黄銅鉱など)をコークス,石灰石,ケイしゃ砂とともに溶鉱炉中で加熱することにより硫化銅(Ⅰ)に変える。その後,硫化銅(Ⅰ)を転炉中で加熱し粗銅と二酸化硫黄にする。ここでできた粗銅は不純物を含んでいるので,さらに電気分解により高純度な銅の単体を得る。
この電気分解では,粗銅を陽極に,純銅板を陰極とし,硫酸銅(Ⅱ)の硫酸酸性溶液を電解液に用いて0.3V程度の電圧をかける。すると,粗銅中の銅はイオンとなって溶液中に溶け出した後,溶液中を陰極である純銅板に向かって移動し,その純銅板上に析出する。しかし,粗銅中に不純物として存在するニッケル,鉄,亜鉛などは,銅よりもイオン化傾向が大きいため,溶液中に溶け出して陽イオンとなるがそのまま溶液中に残る。
一方,銅よりもイオン化傾向の小さい金属(例えば,金,銀)はイオンとはならずに陽極の下に沈殿する。以上の電気分解の工程は,電解精錬と呼ばれている。
銅の単体は酸に侵されにくいため塩酸や希硫酸には溶解しないが,希硝酸,濃硝酸及び,熱濃硫酸には溶解する。また,銅の単体は室温で乾燥した空気中では変化しないが,長く雨風にさらされると,表面に緑青という緑色の物質を生成する。
緑青を大気中で強熱すると,1000℃以下では黒色の酸化銅(Ⅱ)を生成するが,
1000℃以上の温度では赤色の酸化銅(Ⅰ)を生成する。
■ 2011年度 同志社大学
周期表で3族から11族の元素は遷移元素とよばれ,日常生活で重要なものが多い。遷移元素の最外殻電子の数は1または2個であり,同一の遷移元素でも複数の酸化数を示すことが多い。
銅Cuは第4周期の遷移元素である。銅鉱石(主に黄銅鉱CuFeS2)を還元すると粗銅が得られる。得られた粗銅板を陽極に,薄い純銅板を陰極として,電解液に硫酸銅(Ⅱ)の硫酸酸性水溶液を用いて電解精錬を行うと,純粋な銅が得られる。銅の単体は,赤色光沢のある金属で,電気や熱の伝導性が大きく,導線や電気材料として広く用いられている。
銅は電池の電極としても使われてきた。たとえば,1800年頃にイタリアのボルタによって発明されたボルタ電池では,銅は正極として用いられ,銅正極と亜鉛負極の間に硫酸水溶液を浸した布を挟み,これを何層も積み重ねた構造であった。
また,1836年にイギリスのダニエルは,電極として銅と亜鉛を,電解液として硫酸銅(Ⅱ)水溶液と硫酸亜鉛水溶液を用い,両者が混じらないように素焼き板などの隔膜で仕切った電池(ダニエル電池)を発明した。
ダニエル電池は,当時発展しつつあった電信用の電源として広く使われ,歴史的に重要な役割を果たしたが,1868年にフランスのルクランシェにより安価で取り扱いが容易なマンガン乾電池が発明され,実用的な電池としての使命を終えた。
■ 2011年度 2011 龍谷大学
銅は,展性・延性の大きな金属で,しかも電気伝導性も大きいので,電線などに用いられるほか,黄銅や青銅などの合金の材料としても用いられており,我々の身の回りにある,主要な金属の一つである。
単体の銅は,黄銅鉱などを溶鉱炉で空気を吹き込みながら加熱することにより得られる。このようにして得られた銅は純度99%程度で,不純物を含んでおり,粗銅とよばれる。さらに純度の高い銅は,陽極に粗銅板,陰極に純銅板を用い,硫酸を加えた硫酸銅(Ⅱ)水溶液中で電気分解することにより得られる。
このように,電気分解により不純物を多く含む金属から純度の高い金属を得る方法を電解精錬という。このとき,粗銅中に含まれる銅はイオンとなって溶け出し,陰極の純銅板上に析出する。また,粗銅中に含まれる銅よりもイオン化傾向の大きい鉄,ニッケル,亜鉛などはイオンとなって溶け出すが,電圧を調節することで,純銅板上には析出せず,溶液中にとどまる。
一方,銅よりもイオン化傾向の小さい金や銀などはイオンにならず陽極の下に沈殿する。銅は,非常に有用な金属で多くの分野で用いられているが,地殻中にはたかだか0.01%ほどしか含まれておらず,資源的に希少な元素の一つである。そのため,電線や塊で利用されている銅の大部分は使用後,回収されリサイクルされている。
HP「恋する化学」にpdfファイルをアップしています。
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入試問題文を聴いて覚える化学 銅編
■ 2011年度 秋田大学
銅は,単体として天然にも存在するが,工業的には銅鉱石を製錬して製造される。黄銅鉱(主成分CuFeS2)などの銅鉱石を空気を吹き込みながら加熱すると,鉱石中の鉄や硫黄成分は酸化されて除去される。この方法によって不純物を含む粗銅が得られる。
粗銅から純銅を得るためには電解精錬を行う。電解精錬では,電解液である硫酸酸性の硫酸銅(Ⅱ)水溶液中で粗銅板を陽極,純銅板を陰極として0.2~0.5ぼるとVの低電圧で電気分解を行う。
このとき,粗銅板に含まれている亜鉛,鉄,銀,金などの不純物金属のうち,銅よりもイオン化傾向が大きい不純物金属は,銅(Ⅱ)イオンとともに陽イオンとなって電解液中に溶け出す。これと同時に,電解液中の銅(Ⅱ)イオンは還元され,陰極上に析出する。この操作によって陰極上に純度99.99%以上の純銅が得られる。
また,陽極の下には,電解液中に溶け出さなかった不純物金属が沈殿する。この沈殿物に含まれる金属は,別の操作により回収される。
■ 2011年度 中央大学
銅は,天然に単体として産出することはまれで,多くは銅鉱石中に硫化物や酸化物のかたちで,不純物をともなって存在している。高純度な銅の単体を得るためには以下の工程が必要となる。
銅鉱石(黄銅鉱など)をコークス,石灰石,ケイしゃ砂とともに溶鉱炉中で加熱することにより硫化銅(Ⅰ)に変える。その後,硫化銅(Ⅰ)を転炉中で加熱し粗銅と二酸化硫黄にする。ここでできた粗銅は不純物を含んでいるので,さらに電気分解により高純度な銅の単体を得る。
この電気分解では,粗銅を陽極に,純銅板を陰極とし,硫酸銅(Ⅱ)の硫酸酸性溶液を電解液に用いて0.3V程度の電圧をかける。すると,粗銅中の銅はイオンとなって溶液中に溶け出した後,溶液中を陰極である純銅板に向かって移動し,その純銅板上に析出する。しかし,粗銅中に不純物として存在するニッケル,鉄,亜鉛などは,銅よりもイオン化傾向が大きいため,溶液中に溶け出して陽イオンとなるがそのまま溶液中に残る。
一方,銅よりもイオン化傾向の小さい金属(例えば,金,銀)はイオンとはならずに陽極の下に沈殿する。以上の電気分解の工程は,電解精錬と呼ばれている。
銅の単体は酸に侵されにくいため塩酸や希硫酸には溶解しないが,希硝酸,濃硝酸及び,熱濃硫酸には溶解する。また,銅の単体は室温で乾燥した空気中では変化しないが,長く雨風にさらされると,表面に緑青という緑色の物質を生成する。
緑青を大気中で強熱すると,1000℃以下では黒色の酸化銅(Ⅱ)を生成するが,
1000℃以上の温度では赤色の酸化銅(Ⅰ)を生成する。
■ 2011年度 同志社大学
周期表で3族から11族の元素は遷移元素とよばれ,日常生活で重要なものが多い。遷移元素の最外殻電子の数は1または2個であり,同一の遷移元素でも複数の酸化数を示すことが多い。
銅Cuは第4周期の遷移元素である。銅鉱石(主に黄銅鉱CuFeS2)を還元すると粗銅が得られる。得られた粗銅板を陽極に,薄い純銅板を陰極として,電解液に硫酸銅(Ⅱ)の硫酸酸性水溶液を用いて電解精錬を行うと,純粋な銅が得られる。銅の単体は,赤色光沢のある金属で,電気や熱の伝導性が大きく,導線や電気材料として広く用いられている。
銅は電池の電極としても使われてきた。たとえば,1800年頃にイタリアのボルタによって発明されたボルタ電池では,銅は正極として用いられ,銅正極と亜鉛負極の間に硫酸水溶液を浸した布を挟み,これを何層も積み重ねた構造であった。
また,1836年にイギリスのダニエルは,電極として銅と亜鉛を,電解液として硫酸銅(Ⅱ)水溶液と硫酸亜鉛水溶液を用い,両者が混じらないように素焼き板などの隔膜で仕切った電池(ダニエル電池)を発明した。
ダニエル電池は,当時発展しつつあった電信用の電源として広く使われ,歴史的に重要な役割を果たしたが,1868年にフランスのルクランシェにより安価で取り扱いが容易なマンガン乾電池が発明され,実用的な電池としての使命を終えた。
■ 2011年度 2011 龍谷大学
銅は,展性・延性の大きな金属で,しかも電気伝導性も大きいので,電線などに用いられるほか,黄銅や青銅などの合金の材料としても用いられており,我々の身の回りにある,主要な金属の一つである。
単体の銅は,黄銅鉱などを溶鉱炉で空気を吹き込みながら加熱することにより得られる。このようにして得られた銅は純度99%程度で,不純物を含んでおり,粗銅とよばれる。さらに純度の高い銅は,陽極に粗銅板,陰極に純銅板を用い,硫酸を加えた硫酸銅(Ⅱ)水溶液中で電気分解することにより得られる。
このように,電気分解により不純物を多く含む金属から純度の高い金属を得る方法を電解精錬という。このとき,粗銅中に含まれる銅はイオンとなって溶け出し,陰極の純銅板上に析出する。また,粗銅中に含まれる銅よりもイオン化傾向の大きい鉄,ニッケル,亜鉛などはイオンとなって溶け出すが,電圧を調節することで,純銅板上には析出せず,溶液中にとどまる。
一方,銅よりもイオン化傾向の小さい金や銀などはイオンにならず陽極の下に沈殿する。銅は,非常に有用な金属で多くの分野で用いられているが,地殻中にはたかだか0.01%ほどしか含まれておらず,資源的に希少な元素の一つである。そのため,電線や塊で利用されている銅の大部分は使用後,回収されリサイクルされている。
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入試問題文を聴いて覚える化学 1・2族編
今日も、入試問題文を聴いて覚える化学 1・2族編です。
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入試問題文を聴いて覚える化学 1・2族元素編
■ 2011年度 京都工芸繊維大学
周期表の縦の列を族とよぶ。同じ族に属する元素群を同族元素といい,それらの性質はよく似ている。水素以外の1族元素は,アルカリ金属とよばれ,いずれも価電子を1個もち,1価の陽イオンになりやすい。アルカリ金属は,大気中の水蒸気や酸素と反応しやすいので,取り扱いに注意しなければいけない。ベリリウムとマグネシウムを除く2族元素は,アルカリ土類金属とよばれ,2価の陽イオンになりやすい。
アルカリ金属およびアルカリ土類金属の単体は,それらの塩の水溶液の電気分解では製造できないので,融解塩電解で製造されている。
■ 2011年度 立命館大学
周期表1族には,水素とアルカリ金属元素が含まれる。これらに共通な電子配置は,価電子の数が1個であることである。
アルカリ金属元素はイオン化エネルギーが小さいので,陽イオンになりやすい。アルカリ金属元素の単体は周期表の下にある元素ほど,密度は大きく,融点は高い。アルカリ金属元素の単体は,空気中の酸素や水蒸気に触れないように石油中に保存する。
金属ナトリウムは水に入れると,常温でも激しく反応する。ナトリウムの水酸化物である水酸化ナトリウムは白色の固体であるが,湿った空気中では水分を吸収して固体表面がぬれてくる。この現象を潮解という。また,ナトリウムをはじめとするアルカリ金属元素の化合物を,白金線につけてバーナーの外炎に入れると,元素特有の色を示す。このように呈色する現象を炎色反応という。
炭酸ナトリウムは,工業的には,塩化ナトリウムの飽和水溶液にアンモニアと二酸化炭素を吹き込み,炭酸水素ナトリウムの沈殿をつくり,これを集めて焼くことによりつくられる。これをアンモニア・ソーダ法という。
■ 2011年度 慶應義塾大学
炭酸ナトリウムはソルベー法によって工業的につくられている。この方法では,塩化ナトリウムの飽和水溶液にアンモニアと二酸化炭素を吹き込むと,溶解度の小さい炭酸水素ナトリウムが沈殿するので,それを集めて加熱することにより炭酸ナトリウムを得ている。炭酸ナトリウムの水和物結晶を乾いた空気中に放置すると水和水の一部が失われて風解と呼ばれる現象がおこり,結晶表面が白色粉末状になる。
塩化水素は,実験室では塩化ナトリウムに濃硫酸を加え,加熱することによって得られる。
炭酸水素ナトリウムは白色の固体で,重曹とも呼ばれ,胃腸薬やベーキングパウダー,入浴剤などに使用されている。また,酸を加えたり,加熱すると分解して二酸化炭素CO2を発生する。
炭酸ナトリウム及び炭酸水素ナトリウムはいずれも水に溶けると弱塩基性を示す。
水酸化ナトリウムは工業的には塩化ナトリウムの水溶液の電気分解によって製造されている。この際,陽極には塩素,陰極には水素が発生する。水酸化ナトリウムは白色の固体で,水によく
溶けその水溶液は強塩基性を示す。また,水酸化ナトリウムの固体を空気中に放置すると,水分を吸収して固体の表面がぬれてくる。この現象は潮解と呼ばれる。
■ 2011年度 香川大学
地殻の構成元素を存在量(質量)の順に並べると,最も多い元素は酸素であり,次にケイ素,アルミニウム,鉄と続き,カルシウムは5番目である。カルシウム化合物を主成分とする鉱物としては石灰石,セッコウなどの外にホタル石がある。ホタル石に濃硫酸を加えて加熱すると、フッ化水素が発生し硫酸塩を生じる。この気体の水溶液はケイ酸塩を溶かすので保存容器の材質に注意が必要である。
石灰石を加熱すると,二酸化炭素が発生しせいせっかい生石灰を生じる。生石灰と水を反応させるとしょうせっかい消石灰となるが,このとき多量の熱を発生するので生石灰は発熱材として利用されている。生石灰とコークス(炭素)を混合して電気炉で2000℃ぐらいに加熱すると炭化カルシウムができる。炭化カルシウムに水を加えると可燃性の気体であるアセチレンを発生させることができる。消石灰に塩素を吸収させると,さらし粉が得られる。さらし粉を水に溶かすと,酸化力の強い次亜塩素酸イオンを生じるので殺菌剤や漂白剤として利用される。
カルシウムの単体は天然には存在しないが,炭酸塩などから融解塩電解または溶融塩電解と呼ばれる方法で得ることができる。カルシウムの単体を水と反応させると, 水素を発生する。このとき生成する水酸化物の水溶液は石灰水と呼ばれる。石灰水へ呼気を吹き込むとはくだく白濁するが,さらに吹き込み続けると液体は透明になる。この液体を加熱すると気体が発生して再び白濁する。
■ 2011年度 長崎大学
2族元素は,電子殻の最外殻に2個の電子を持つため,2価の陽イオンになりやすく,その水酸化物は塩基性を示す。2族元素の中でベリリウムは水と反応せず,マグネシウムは熱水とのみ反応する。これら以外の2族元素の単体は,常温で水と反応し,気体の水素を発生する。このように,2族元素の中でも化学的性質が特に似ている元素をアルカリ土類金属といい,特有の炎色反応を示す。
カルシウムは,水と反応して水酸化カルシウムを生じる。水酸化カルシウムは消石灰ともよばれ,酸化カルシウムに水を加えても生じる。水酸化カルシウムの飽和水溶液に二酸化炭素を通じると,炭酸カルシウムを生成して白濁する。この白濁液にさらに二酸化炭素を通じ続けると,白色の不溶物は炭酸水素カルシウムとなって電離し,溶解する。炭酸水素カルシウムの水溶液を加熱すると再び炭酸カルシウムを生じて白濁する。2族元素の硫酸塩は,日常生活においても重要な役割を担っており,硫酸カルシウムは建築材や医療用ギプスとして,硫酸バリウムはX線撮影の造影剤として用いられる。
■ 2011年度 兵庫医科大学
カルシウムとマグネシウムはいずれも周期表2族に属する元素であるが,その化学的性質には違いが見られる。例えば,カルシウムの単体は常温の水と反応するが,マグネシウムの単体は反応しない。また,それぞれの水酸化物の水に対する溶解度も異なる。
カルシウムとマグネシウムはともに地殻の構成元素である。地殻に存在するカルシウムの大部分は石灰石や大理石など炭酸カルシウムとして存在している。このことには,地球が46億年前に誕生してからたど辿った環境の変化が関係している。現在の火星や金星のように,もともと地球の大気は二酸化炭素が大部分を占めていたが,地球では海が誕生し二酸化炭素は溶解していった。その後,地球の表面温度が低下することで,さらに大気中の二酸化炭素は減少した。一方,海水中に取り込まれた二酸化炭素は炭酸イオンとなり,岩石から溶け出したカルシウムイオンと反応し,炭酸カルシウムとして海底に堆積していった。
炭酸カルシウムの一部は地球内部まで取り込まれ,高熱のため塩基性酸化物の酸化カルシウムと酸性酸化物の二酸化炭素に分解されたが,残りの大部分は地殻に蓄積し続け,地球は炭酸カルシウムの豊富な惑星になった。
現在,カルシウム化合物は多方面で利用されている。建築材料のセメントやしっくい漆喰の成分は炭酸カルシウムや消石灰であり,そ塑像や医療用ギブスなどに使われるセッコウは硫酸カルシウムの水和物である。また,消石灰に塩素を吸収させて作られるさらし粉は漂白剤や殺菌剤などに利用されている。さらし粉CaCl(ClO)・H2Oは塩化カルシウムと次亜塩素酸カルシウムの複塩と考えられる。
一方,酸化カルシウムとコークス(石炭を乾留してつくったたこうしつ多孔質の炭素)を混ぜて電気炉で強熱すると得られる炭化カルシウム(カーバイト)は有機合成原料として用いられている。さらに,カルシウム化合物には吸湿性をもつものが多く,乾燥剤や除湿剤として利用されている。
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□テキストは下記参照ください。
入試問題文を聴いて覚える化学 1・2族元素編
■ 2011年度 京都工芸繊維大学
周期表の縦の列を族とよぶ。同じ族に属する元素群を同族元素といい,それらの性質はよく似ている。水素以外の1族元素は,アルカリ金属とよばれ,いずれも価電子を1個もち,1価の陽イオンになりやすい。アルカリ金属は,大気中の水蒸気や酸素と反応しやすいので,取り扱いに注意しなければいけない。ベリリウムとマグネシウムを除く2族元素は,アルカリ土類金属とよばれ,2価の陽イオンになりやすい。
アルカリ金属およびアルカリ土類金属の単体は,それらの塩の水溶液の電気分解では製造できないので,融解塩電解で製造されている。
■ 2011年度 立命館大学
周期表1族には,水素とアルカリ金属元素が含まれる。これらに共通な電子配置は,価電子の数が1個であることである。
アルカリ金属元素はイオン化エネルギーが小さいので,陽イオンになりやすい。アルカリ金属元素の単体は周期表の下にある元素ほど,密度は大きく,融点は高い。アルカリ金属元素の単体は,空気中の酸素や水蒸気に触れないように石油中に保存する。
金属ナトリウムは水に入れると,常温でも激しく反応する。ナトリウムの水酸化物である水酸化ナトリウムは白色の固体であるが,湿った空気中では水分を吸収して固体表面がぬれてくる。この現象を潮解という。また,ナトリウムをはじめとするアルカリ金属元素の化合物を,白金線につけてバーナーの外炎に入れると,元素特有の色を示す。このように呈色する現象を炎色反応という。
炭酸ナトリウムは,工業的には,塩化ナトリウムの飽和水溶液にアンモニアと二酸化炭素を吹き込み,炭酸水素ナトリウムの沈殿をつくり,これを集めて焼くことによりつくられる。これをアンモニア・ソーダ法という。
■ 2011年度 慶應義塾大学
炭酸ナトリウムはソルベー法によって工業的につくられている。この方法では,塩化ナトリウムの飽和水溶液にアンモニアと二酸化炭素を吹き込むと,溶解度の小さい炭酸水素ナトリウムが沈殿するので,それを集めて加熱することにより炭酸ナトリウムを得ている。炭酸ナトリウムの水和物結晶を乾いた空気中に放置すると水和水の一部が失われて風解と呼ばれる現象がおこり,結晶表面が白色粉末状になる。
塩化水素は,実験室では塩化ナトリウムに濃硫酸を加え,加熱することによって得られる。
炭酸水素ナトリウムは白色の固体で,重曹とも呼ばれ,胃腸薬やベーキングパウダー,入浴剤などに使用されている。また,酸を加えたり,加熱すると分解して二酸化炭素CO2を発生する。
炭酸ナトリウム及び炭酸水素ナトリウムはいずれも水に溶けると弱塩基性を示す。
水酸化ナトリウムは工業的には塩化ナトリウムの水溶液の電気分解によって製造されている。この際,陽極には塩素,陰極には水素が発生する。水酸化ナトリウムは白色の固体で,水によく
溶けその水溶液は強塩基性を示す。また,水酸化ナトリウムの固体を空気中に放置すると,水分を吸収して固体の表面がぬれてくる。この現象は潮解と呼ばれる。
■ 2011年度 香川大学
地殻の構成元素を存在量(質量)の順に並べると,最も多い元素は酸素であり,次にケイ素,アルミニウム,鉄と続き,カルシウムは5番目である。カルシウム化合物を主成分とする鉱物としては石灰石,セッコウなどの外にホタル石がある。ホタル石に濃硫酸を加えて加熱すると、フッ化水素が発生し硫酸塩を生じる。この気体の水溶液はケイ酸塩を溶かすので保存容器の材質に注意が必要である。
石灰石を加熱すると,二酸化炭素が発生しせいせっかい生石灰を生じる。生石灰と水を反応させるとしょうせっかい消石灰となるが,このとき多量の熱を発生するので生石灰は発熱材として利用されている。生石灰とコークス(炭素)を混合して電気炉で2000℃ぐらいに加熱すると炭化カルシウムができる。炭化カルシウムに水を加えると可燃性の気体であるアセチレンを発生させることができる。消石灰に塩素を吸収させると,さらし粉が得られる。さらし粉を水に溶かすと,酸化力の強い次亜塩素酸イオンを生じるので殺菌剤や漂白剤として利用される。
カルシウムの単体は天然には存在しないが,炭酸塩などから融解塩電解または溶融塩電解と呼ばれる方法で得ることができる。カルシウムの単体を水と反応させると, 水素を発生する。このとき生成する水酸化物の水溶液は石灰水と呼ばれる。石灰水へ呼気を吹き込むとはくだく白濁するが,さらに吹き込み続けると液体は透明になる。この液体を加熱すると気体が発生して再び白濁する。
■ 2011年度 長崎大学
2族元素は,電子殻の最外殻に2個の電子を持つため,2価の陽イオンになりやすく,その水酸化物は塩基性を示す。2族元素の中でベリリウムは水と反応せず,マグネシウムは熱水とのみ反応する。これら以外の2族元素の単体は,常温で水と反応し,気体の水素を発生する。このように,2族元素の中でも化学的性質が特に似ている元素をアルカリ土類金属といい,特有の炎色反応を示す。
カルシウムは,水と反応して水酸化カルシウムを生じる。水酸化カルシウムは消石灰ともよばれ,酸化カルシウムに水を加えても生じる。水酸化カルシウムの飽和水溶液に二酸化炭素を通じると,炭酸カルシウムを生成して白濁する。この白濁液にさらに二酸化炭素を通じ続けると,白色の不溶物は炭酸水素カルシウムとなって電離し,溶解する。炭酸水素カルシウムの水溶液を加熱すると再び炭酸カルシウムを生じて白濁する。2族元素の硫酸塩は,日常生活においても重要な役割を担っており,硫酸カルシウムは建築材や医療用ギプスとして,硫酸バリウムはX線撮影の造影剤として用いられる。
■ 2011年度 兵庫医科大学
カルシウムとマグネシウムはいずれも周期表2族に属する元素であるが,その化学的性質には違いが見られる。例えば,カルシウムの単体は常温の水と反応するが,マグネシウムの単体は反応しない。また,それぞれの水酸化物の水に対する溶解度も異なる。
カルシウムとマグネシウムはともに地殻の構成元素である。地殻に存在するカルシウムの大部分は石灰石や大理石など炭酸カルシウムとして存在している。このことには,地球が46億年前に誕生してからたど辿った環境の変化が関係している。現在の火星や金星のように,もともと地球の大気は二酸化炭素が大部分を占めていたが,地球では海が誕生し二酸化炭素は溶解していった。その後,地球の表面温度が低下することで,さらに大気中の二酸化炭素は減少した。一方,海水中に取り込まれた二酸化炭素は炭酸イオンとなり,岩石から溶け出したカルシウムイオンと反応し,炭酸カルシウムとして海底に堆積していった。
炭酸カルシウムの一部は地球内部まで取り込まれ,高熱のため塩基性酸化物の酸化カルシウムと酸性酸化物の二酸化炭素に分解されたが,残りの大部分は地殻に蓄積し続け,地球は炭酸カルシウムの豊富な惑星になった。
現在,カルシウム化合物は多方面で利用されている。建築材料のセメントやしっくい漆喰の成分は炭酸カルシウムや消石灰であり,そ塑像や医療用ギブスなどに使われるセッコウは硫酸カルシウムの水和物である。また,消石灰に塩素を吸収させて作られるさらし粉は漂白剤や殺菌剤などに利用されている。さらし粉CaCl(ClO)・H2Oは塩化カルシウムと次亜塩素酸カルシウムの複塩と考えられる。
一方,酸化カルシウムとコークス(石炭を乾留してつくったたこうしつ多孔質の炭素)を混ぜて電気炉で強熱すると得られる炭化カルシウム(カーバイト)は有機合成原料として用いられている。さらに,カルシウム化合物には吸湿性をもつものが多く,乾燥剤や除湿剤として利用されている。
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入試問題文を聴いて覚える化学 アルミニウム編
実際に出題された入試問題文を聴くことによって、覚えられるように
入試問題文を一部編集し,録音したものをyoutubeにアップしました。
音声ファイルをiPhone等のmp3対応プレイヤーに入れて-,通学時間,就寝前等の空いた時間を利用し効率的に学習してください。
□テキストは下記参照下さい。
■ 2011年度 法政大学
アルミニウムは13族に属する典型元素で,原子は3個の価電子を持ち3価の陽イオンになりやすい。アルミニウムは,単体として産出することはないが,化合物として鉱物や土壌中に広く分布する。地殻中では,酸素,ケイ素に次いで,3番目に多く存在する元素である。
ボーキサイトを原料として精製により酸化アルミニウムAl2O3をつくり,氷(ひょう)晶(しょう)石(せき)とともに約1,000℃で融解(ゆうかい)し,炭素電極を用いたホール・エルー法で製造される。
アルミニウムの単体は軽くて軟らかい金属であるが,アルミニウムと少量の銅などの合金はジュラルミンと呼ばれ,軽量で機械的にも強いため,航空機の機体などに利用されている。
アルミニウムは,酸性および塩基性水溶液と反応して水素を発生する両性元素である。一方,濃硝酸や濃硫酸には溶けにくい。それは,表面に緻密な酸化(さんか)被膜(ひまく)ができるためで,このような状態を不動態(ふどうたい)という。酸化アルミニウムはアルミナと呼ばれ,工業的に重要な化合物である。宝石としても,赤色が特徴的なルビーや,青色のサファイアは,微量の不純物元素を含む酸化アルミニウムの結晶で,きわめて硬く,酸や塩基にほとんど溶けない。
■ 2011年度 防衛医科大学校
アルミニウムは地殻中3番目に多く存在する元素である。アルミニウム単体を工業的に得るには,はじめに原料の鉱石であるボーキサイトを精製して酸化アルミニウムを得る。次に1000℃に加熱し溶融(ようゆう)させた氷晶石Na3[AlF6]に酸化アルミニウムを溶解し,陽極と陰極の両電極に炭素を用いて融解塩電解するとアルミニウム単体が得られる。
ミョウバン結晶を実験室でつくるには,アルミニウムを水酸化カリウム水溶液に溶解させ,硫酸を酸性となるまで加えると沈殿が生じる。これを加熱し溶解した後に冷却すると結晶が得られる。一般に溶解度の差を利用して純粋な結晶を得る操作を再結晶という。
■ 2011年度 立教大学
アルミニウムは,ボーキサイトを原料にして得られる。ボーキサイトを濃い水酸化ナトリウム水溶液で処理して得られる酸化アルミニウム(アルミナ)に氷晶石を加えて,約1000℃で融解し,両極に炭素を用いて融解塩電解することにより,陰極にアルミニウムが得られる。
アルミニウムは,銀白色の軟らかい軽金属で,密度は鉄や銅の約3分の1である。アルミニウムに少量の銅,マグネシウム,マンガンを加えたジュラルミンと呼ばれる合金は,軽くて強度が大きいため飛行機の機体などに用いられている。
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□テキストは下記参照下さい。
■ 2011年度 法政大学
アルミニウムは13族に属する典型元素で,原子は3個の価電子を持ち3価の陽イオンになりやすい。アルミニウムは,単体として産出することはないが,化合物として鉱物や土壌中に広く分布する。地殻中では,酸素,ケイ素に次いで,3番目に多く存在する元素である。
ボーキサイトを原料として精製により酸化アルミニウムAl2O3をつくり,氷(ひょう)晶(しょう)石(せき)とともに約1,000℃で融解(ゆうかい)し,炭素電極を用いたホール・エルー法で製造される。
アルミニウムの単体は軽くて軟らかい金属であるが,アルミニウムと少量の銅などの合金はジュラルミンと呼ばれ,軽量で機械的にも強いため,航空機の機体などに利用されている。
アルミニウムは,酸性および塩基性水溶液と反応して水素を発生する両性元素である。一方,濃硝酸や濃硫酸には溶けにくい。それは,表面に緻密な酸化(さんか)被膜(ひまく)ができるためで,このような状態を不動態(ふどうたい)という。酸化アルミニウムはアルミナと呼ばれ,工業的に重要な化合物である。宝石としても,赤色が特徴的なルビーや,青色のサファイアは,微量の不純物元素を含む酸化アルミニウムの結晶で,きわめて硬く,酸や塩基にほとんど溶けない。
■ 2011年度 防衛医科大学校
アルミニウムは地殻中3番目に多く存在する元素である。アルミニウム単体を工業的に得るには,はじめに原料の鉱石であるボーキサイトを精製して酸化アルミニウムを得る。次に1000℃に加熱し溶融(ようゆう)させた氷晶石Na3[AlF6]に酸化アルミニウムを溶解し,陽極と陰極の両電極に炭素を用いて融解塩電解するとアルミニウム単体が得られる。
ミョウバン結晶を実験室でつくるには,アルミニウムを水酸化カリウム水溶液に溶解させ,硫酸を酸性となるまで加えると沈殿が生じる。これを加熱し溶解した後に冷却すると結晶が得られる。一般に溶解度の差を利用して純粋な結晶を得る操作を再結晶という。
■ 2011年度 立教大学
アルミニウムは,ボーキサイトを原料にして得られる。ボーキサイトを濃い水酸化ナトリウム水溶液で処理して得られる酸化アルミニウム(アルミナ)に氷晶石を加えて,約1000℃で融解し,両極に炭素を用いて融解塩電解することにより,陰極にアルミニウムが得られる。
アルミニウムは,銀白色の軟らかい軽金属で,密度は鉄や銅の約3分の1である。アルミニウムに少量の銅,マグネシウム,マンガンを加えたジュラルミンと呼ばれる合金は,軽くて強度が大きいため飛行機の機体などに用いられている。
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