メメントCの世界 -30ページ目

メメントCの世界

演劇ユニット「メメントC」の活動・公演情報をお知らせしています。

東京新聞インタビュー「ワーニャおばさん!」

 

10月3日の東京新聞の特報面で、インタビュー記事が掲載されました。

 

 

 

 

ワーニャおばさんと、ワーニャ伯父さんはどう違うのか??

見てのお楽しみですが、世の中にはワーニャ伯父さんがいっぱいです。

そして悲嘆にくれて酒を飲むのです。そして次の日も同じように暮らすのです。

おばさんは、妥協しながら前進します。

ネタバレしないで説明するのは大変ですわ。

 

しかし、毎日、毎日、稽古しながらどうやったら、前に進めるのか考えています。

何もない所から物語を立ち上げるのに等しい作業です。

というのも、現代のアメリカ、コロナ後を舞台にしているので、

本当に難しい~~~部分も、楽しい部分もあります。

正直、日本人はへたれですよ。プロテスタントではないですから。

プロテスト、抵抗する人、プロテスタントにはなれない。

信仰の問題というのではなく、和をもって貴し、の精神が刷り込まれている。

でも、ワーニャおばさんは、諦めません。

そういう物語です。

是非ご来場ください。

 

チケットはこちら!!

予約窓口URL
https://ticket.corich.jp/apply/169220/012/

 

 オフィス由宇 「ワーニャおばさん!」脱稿

 

台風がすごいですね。

猛烈な湿気と、暖気と雨でした。

稽古に借りている目黒川沿いのスタジオで、脱稿直前の確認をしていたら、ものすごいサイレンが鳴り響き、

警戒警報が出ていました。こんな都会の川で警報???と驚いて外を見たら、ものすごい雨。

異常気象というか気候変動というか、災害がいつどこであるのか分からない今日この頃、本当に考えてしまいます。

 

10月19日~25日まで、キンケロシアターで上演されるオフィス由宇の脚本、やっと脱稿しました。

ワーニャおばさん、はワーニャ伯父さん(by チェーホフ)ではありません。

ワーニャ伯父さんの女性版でもありません。

私の中でのワーニャ伯父さんは、どうも勘違いと自尊感情のバランスを崩して、居酒屋でいつ果てるともない愚痴をこぼし、

お姉さんに、「仕方ないよね、生きていかなくっちゃ」と言われているサラリーマンの悲哀に思えます。

それが悲劇かというと、またそれはまた違う部分があり、ロシアだから仕方ないけど、何としかしなさいよ!!と婆やのマリーナにカツを入れてもらいたくなります。エレーナに関しては、もういい加減にしろよ!とどつきたくなります。

そして、家内労働の犠牲ともいえるソーニャに至っては、おいおい!!そんな伯父さんにつきあってたんじゃ、未来が無いぜ!と言いたくなるほど、運命に対して従順すぎるのでイライラします。まあ、私がソーニャなら、エレーナと共謀して、父親の遺産を早目にぶんどって、モスコウへ、モスコウへ、一旗揚げに行くでしょう。

 

今回の「ワーニャおばさん!」はそういう話ではありません。

舞台はなんと、アメリカのロサンジェルス近郊というから、ビバリーヒルズ・ハイスクールもご近所の、センチュリーシティー。

撮影所とかモールとか劇場とかある、でも田舎な感じで、ダイハードの撮影が行われたビルなんかもあります。

どうしてそこを舞台にしたかというと、私はアメリカで実感があるのは、そこだけだからです。

最初の設定は現代日本コロナ以降、という設定でしたが、アメリカに場所を移しました。

多分、日本の今って、ものすごく特異な時代で、あとで振り返ると、一体あれは何だったんだ?と思うのではないでしょうか。
 

さて、私がセンチュリーシティーに居たのはちょうど、阪神大震災の後、オウムサリン事件の年のそのちょうどサリン事件の日を挟んだ1週間ほど。就職していた会社の新しいミュージカルの視察でした。視察して飲んで騒いでいたのは、上司たちで、下っ端の私はほぼ4日ほど、不眠不休で音楽スコアと台本ときっかけ表を照らし合わせ、スピーカーやウイッグなどの資料写真を撮り、通訳を手配してくれない会社のせいで、本当の所はどうなのか分からない音響のプランについて質問し、触っちゃいけないものに触って、怒られていたのでした。不必要なほど大きいスピーカーやら、不必要なほど多い機材やら、マシンやら、巨人の国にいるんだな、とため息ばかりついていた記憶があります。

 その時に色々質問したサウンドデザイナーさんは、私が帰国した後に首になったので、その視察で実力社会というものの厳しさを目の当たりにした経験でした。それとアメリカ人俳優のタフさでしょうか。周りがどうだろうが関係ない、俺は舞台に出ていってやることやるだけさ、という姿にびっくりしていました。それと、スタッフの間の議論とかそういう話合いの盛んで、尽きない討論の場にもびっくりするばかり。

 そういう話合いを、忙しい舞台稽古の間でもやってる彼等のある意味、懐の深さでしょうか。時間に追われる日本の舞台作りと、資本も時間の概念も違うので、「あーーー私って田舎者で非文明国から来たアジア人の下っ端のスタッフなのね」という私の自虐を一層強めてくれました。これは、差別的だったとかじゃなくて、自分の受けてきた教育の小ささみたいなものをつくづく感じたからです。今でもなかなかポジティブな精神状態にはなれませんが、あの根拠のないポジティブな人達だからこそ、楽しいミュージカルが創れるのかもしれません。

 

 昼めしは、近所のスーパーの、おかしな「テリヤキボール」。甘い醤油味の鳥とズッキーニとピーマンの煮物が、ご飯にぶっかけてあるのか、「ジェイド」という中華料理屋のチャーハンと春巻きをひたすら食べていました。それか、スーパーのサーモン寿司(醤油なし)のローテーションを、朝昼晩繰返していたのでした。とにかく、ホテルと劇場にしか行かず、途中は徒歩でしたので、芝生が永遠に続く道をてくてくと歩いて劇場に通いました。歩いている人は少なかったですね。

後できいたら車でしかみんな移動しないのだと聞いて、なるほどと思いましたが、芝生が美しい人工的な感じのセンチュリーシティには、四季の感じはなくてある意味、映画の中の町、そのものです。

 そして、夜中にひたすら襲ってくる眠気と闘いながら、劇場で録音した音を聞きながら、台本を作っていたのでした。

夜中の2時位に、もうどうしても眠くて、ルームサービスで、「コーヒーたくさんください」と頼んだら、すごいひんしゅくを買ったのですが、「実は仕事が大変で、私は寝てはならぬのだ」、と言うと、同情したフロントの人が、でっかいポットにコーヒーを沢山作って持ってきてくれました。ガブガブと飲んだコーヒーは凄く美味しかったです。

 

要するに私のロス経験というのは限定的でしたが、その町に住んでいるとネガティブな事がほとんど存在しないような気がするので、今回の話の町に採用したのです。きっと、センチュリーシティも今は変わっているんでしょうね。

 

内容はネタバレしたくないのですが、駒塚さん演じる、元女優・ヴィクトリア・エレンバーグが、素敵な女性たちと出会い、終の棲家を作るために奮闘するお話です。ウーマンリブの世代、その後の世代、リブ世代の娘世代などが入り混じり、社会の中での女性の位置や権利についても少し考えたり、自分のことを大事に思ってくれるようになったらな、ということをエンタテイメントに表現してみました。ものすごいベテラン女優の競演が見ものです。男性俳優もある意味、他ではなかなかない役どころですね。

笑って泣いて、免疫力がアップするんじゃないかと思いますので、是非、ご来場ください!!

 

ちけっとはこちらから!

予約窓口URL
https://ticket.corich.jp/apply/169220/012/

よろしくお願いいたします!

 

 

オフィス由宇企画・主催 『ワーニャおばさん!』作・演出 嶽本あゆ美

 

出演

駒塚由衣/田岡美也子/井上加奈子/増子倭文江/渡辺美佐/大石ともこ/水口智世江/田中完/山森信太郎

 

 

 

 

昨年、「カレンダーガールズ」で初プロデュース公演を成功させたオフィス由宇が放つ第二段は、「ワーニャおばさん!」

チェーホフ戯曲をあくまで下敷きに、現代、今まさに2022年のアメリカ・ロサンゼルス近郊が舞台。

元女優・ヴィクトリア・エレンバーグが運営するワーニャ財団の高齢者女性用ホーム「ブロッサムズ」で、様々なバックボーンを持つ女達が、行き場を失い孤独な女性の為のコミュニティを立ち上げるコメディストーリー。

 

60年代後半のラディカルなウーマンリブの盛り上がり、公民権運動、平和運動を戦った世代と、その後の成長期のアメリカ、バブリーなクリントン時代に人生を謳歌した世代、そして20代の疲弊し希望の見えない世代などが、コロナ禍のトラウマを抱えつつ、より良き未来に向かって協力し奮闘する。人種、信条、世代間ギャップを乗り越えて彼女たちは一つの未来を描きだす。

 

ワーニャ伯父さんは、挫折で幕を閉じたが、ワーニャおばさんは、愛と希望とフリーダムをとことん追求する。「だって仕方ないわ。生きていかなくちゃ!」

 

今、もっとも円熟を見せる女優陣ががっぷりタッグを組み、社会派からミュージカルまで圧倒的な筆力をみせる嶽本戯曲に挑みます。是非とも、この奇跡の舞台を御高覧頂きます様、お願いもうしあげます。

 

チケットは、カンフェティだと、前の方のお席が確約できます。選べます。

https://www.confetti-web.com/Wanya-obasan

 

ダイレクトメールは、mementocdefg@gmail.com まで、お日にち、枚数などを御報せください。

予約窓口URL
https://ticket.corich.jp/apply/169220/012/

 

「恋についてーともしび」アーカイブ配信チケット購入は28日9時まで!

 

 

観劇三昧でのアーカイブ配信、期限が迫ってきました。

チケットご購入は、28日の9時まで、アーカイブ視聴は13時までです。

お見逃しなく!

観た方から、様々なご感想を頂いています。

嬉しい反応ばかりです。

 

 

岡町高弥さんから劇評頂きました。感謝です。

 

『8月13日、コロナ禍、台風の中、メメントC公演「ともしびー恋について あなたの知らないチェーホフ」(原作・チェーホフ、脚本・音楽・嶽本あゆ美、演出・大内史子、音楽・演奏、寺田英一)を見るため、オメガ東京に足を運ぶ。

まずは、この困難な状況にあって上演できたことを喜びたい。

チェーホフの故郷タガンローグを舞台にした3人の男たちが語る恋物語。ある日医師のラーギン(山口雅義)は、道に迷い、たまたま出会った鉄道技師アナニエフ(清田正浩)に助けてもらい、工事現場の飯場で一夜を過ごすことになる。

そこには、見習いのシテンベルグ(久井正樹)も暮らしていたが、生きることの虚しさに激しく苛立っていた。アナニエフはシテンベルグを諭すように、人妻キーソチカ(石巻美香)との恋物語を語り始める。

回想シーンに立ち会うというより、不倫現場に遭遇した三人という生々しさが、芝居ならでの醍醐味。舞台に大きな花道を作ったのも効果的だった。

チェーホフの研ぎ澄まされた科白と恋する男女の滑稽な熱情が入り混じって、悲劇と喜劇は背中合わせであることが、よくわかる。

1888年に書かれた、「ともしび」には、メロドラマの中に今日にも通じるペシミズム批判がある。

チェーホフならではだ。

嶽本あゆ美と寺田英一の歌と生演奏がバックについて贅沢な舞台になった。90分間の人間ドラマを堪能させてもらった。

アフタートークで、ロシア文学者の内田健介が、「チェーホフの描いた桜の園の舞台ウクライナで戦争が起きている。もう生きている間、ロシアには行けないのではないか」と言った言葉が悲痛だった。』

 

コリッチにも、観て来た感想いただいています。

 

 tottory(1732)

実演鑑賞

満足度★★★★

自身の問題意識や関心、ちょっとした興味まで「演劇」表現に投じ存分に楽しんでいる印象のある嶽本女史。仏道世界の旅から娑婆に戻った?前作(山の羊舎との合同)にてその筆力を改めて実感し、厳しい日程ながら今作は実演で観ようと出かけた。過去上演「ともしび」の改作との事で、男三人が夜伽に過去の女性経験を話す、という流れで複数のエピソードが再現される。人生を生きる当事者の主観と客観の隔たり、人間世界を俯瞰して突き放しつつ心に留め置く距離感が絶妙なチェーホフ作品には、(演劇では感情移入が標準的態度であるので、その対照である)虚無主義、ニヒリズムが際立つ。俳優が熱情を体現する程に嘆息は深くなる。
今作では楽器演奏が付き、回想劇に相応しい古きを懐かしむような楽曲が劇を彩る。また狭い劇場ながら装置がうまく抽象(比喩)性と機能性を兼ねて独特な空間を作り、そこに一番感心したと言えば感心した。若干噛みが多く集中を削がれる箇所もあったが、面白く観た。嶽本女史の世界には才気の煌く瞬間と、拘泥(恐らくは製作の動機に繋がる)による見えづらさとが同居する事があり、どちらもこのアーティストの特徴と過去の観劇の印象とも合せて思う。
その一つかどうか・・劇を貫く世界観としてチェーホフ(あるいは作者)がラストに男らに言わせる「この世は無意味」的な趣旨の台詞は、そこに持って行くまでに演出上または戯曲上の「何か」が欲しい。仏教的な無常感は「客観」真理を言い当てているのに対しチェーホフは人間の心情とその発露を描いている。前者から一気に後者へ飛躍した感じを持った。やはり今も仏道の世界を旅しているのだろうか・・。
楽曲の演奏者の一人がどうやら嶽本女史であると最後に気づいた(そして終演後やおら挨拶に立つ..冒頭を見逃したので知らかったのは私だけかもだが)。後でプロフィールを見れば女史は音大出身。多才な人である。

 

 

 

 バート(6387)

実演鑑賞

満足度★★★★

未見のチェーホフ作品。ハイブローでついていけるかなーと危惧していましたが、意外に分かりやすくて楽しめました。まあ、深いところまでは分かりませんが。生演奏と歌が良かったです。

 

 

2022/08/12 (金) 14:00

ペシミズムを論じたチェーホフのこの短編は、当然ながらとても哲学的だ。物語の躍動感を期待してはいけない。どうしようもない亭主に付き従って生きてきた女性が、偶然に会ったかつての知人男性と駆け落ちする。こうした恋愛話が男性3人の間で繰り広げられる。どっちにせよ皆、死んでいくのに、何のために生きていくのか。演劇では多彩な切り口で表現されるような命題を、哲学的要素を前面に浮き上がらせている。

シンプルな舞台演出がよかった。ギターなどの弦楽器やピアノで奏でられた音楽がぴったり合っていた。役者たちの実力も十分だ。特に、人妻キーソニカを演じた石巻美香は流れるようなお嬢さま言葉の長台詞を難なくこなし、どきっとするような色気を見せる。

しかし、心に響くような何かを期待して地下の小劇場に入ったためか、消化不良感が強かった。結局「この世のことは何もわかりはしない」とつぶやくばかりでその恋が人生をどう変えたのかなど、まったくわからないままで終わる。そういう舞台なのだということは分かっているのだが。

 

 

 

ミャンマー料理研究家の保芦さん

『☆日頃からミャンマー支援活動の力になって下さっている嶽本 あゆ美さんプロデュースによるリーディングミュージカル『 MY LIFE PLAN 』を鑑賞しました。クーデターにより人生の経過が変わってしまったミャンマー人大学生、難民申請が受理されぬまま20年以上日本で生活をしているスリランカ人男性 ( 平良 太宣 )2人の歌声を聴く程に僕の気持ちは重く重くなりました。ミャンマーの友人達を助けたくて支援活動を続けていますが、もう他人事ではなく自分の事になっているのだと、舞台を観ながら感じてならず、とてもつらくなりました。吉祥寺に戻って来たので、これからミャンマー支援募金活動を頑張ります。☆感謝☆』

 

堀切理恵さん

『チェーホフは「かもめ」に始まり若い頃からよく観てきた。決してスッキリはしない人間の苦悩に惹かれる(笑)。井上ひさしさんのチェーホフの生涯を描いた「ロマンス」もおもしろかった。今日は獄本あゆみさんの脚本「ともしび 恋について」。

台風襲来前に観終わって今、電車で脱出! ホッ。

脚本が素敵に仕上がっていてさすが! 回想シーンは芝居ならではの演出で、小さな舞台にロシアの広大さと時間軸が縦横に広がり、役者さんの語りも味がり、生演奏も贅沢で上質の小舞台だった。

明日まで! 台風も去るでしょうから皆さん、荻窪オメガ東京にゴー!

あ、明日は難民がテーマの「マイライフプラン」の上演もあり、絵本『ようこそ! わたしの町へ』のチラシも折り込んでいただいたのだった。こちらもどうぞよろしく!』

 

 

藤木直実先生

『メメントC公演「ともしび—恋について」@東京オメガ(荻窪)。初日に行ってきました。チェーホフ原作、嶽本あゆ美脚本、大内史子演出。チェーホフのふたつの小説がもとになっているそうです。

19世紀末、鉄道工事現場を舞台に、医師と技師と若者が語り合う一夜の物語。移動と拡張、イケイケドンドンなオジサンとニヒリズムに陥った若者との葛藤・相剋、および、「恋」によるその止揚…などが作品のテーマとおぼしく、聞き手の医師(内科と衛生学が専攻で、必要に迫られれば外科もやるらしい)は、さながらニヒリズムの「感染」を絶つ治癒者という感じ。

近代化が一定程度達成した時期の若者のニヒリズムとか、不真面目なこじらせおじさんが人妻との「真実の恋」で人生を取り戻すとか、ちょっと夏目漱石の「それから」みたい…、いや、漱石のほうが後代ですが。といいますか、恥ずかしながらチェーホフは「桜の園」と「三人姉妹」くらいしか読んだことないのですが。

こういう場合の「運命の女性」というものは、「夢のような美女」であることが求められると思うのですが、人妻キソーチカ役の石巻美香さんは、イノセントでノーブルでとっても良かったです。技師役のナンパおじさんの清田正浩さんも、洒脱軽妙じつは真面目な感じでハマってたと思います。

特筆すべきは寺田英一による音楽で、寺田さんと嶽本さんが舞台上で生演奏しています。嶽本さんはピアノ弾いて、バラライカ(?、よくわからないけど弦楽器)弾いて、歌まで歌ってます。さすが音大ご卒業。生音楽、良いですね。とても楽しかったです。あと、舞台上ではダンスシーンもあります。【追記:「バラライカ」ではなくて「ブズーキ」というギリシャの楽器だそうです。】

ちょっとフェミなスパイスや、笑いもあり、シンプルな舞台装置中央のスロープは、時に工事現場、時に汽車の車内、時に人生の行路を示して象徴的でした。

今日11日はアフタートークに孫崎享さん、13日は内田健介さんがご登壇。14日が千秋楽で、その後の特別演目も含めた配信もあるそうです。』

My Life Plan 寄稿③

 

 

「マイライフプラン」を描けなくなった国で

 

 

「僕らは絶対に暴力を使わない」。ミャンマー人の同僚からそう聞いたのは、軍事クーデターの翌日でした。「少しでも暴力的に抵抗すれば、軍は治安維持を口実に、僕らを徹底的に弾圧する。今まで僕らは、そうやって何度も傷つき、殺され、負けてきたんだ」

 

2015年までの半世紀、軍事独裁が続いたミャンマー。ようやく勝ち取った自由と民主主義は、たった5年で、軍事クーデターにより再び奪われました。人々は抗議デモやストライキ、不買運動など、あらゆる平和的な手段で軍に抵抗します。

 

しかし軍は、非武装の国民を凄惨に虐殺。7/25現在までに、2,100人以上が殺され、著名な民主活動家らが処刑されました。

 

市民は武力での反撃に舵を切ります。「国際社会はミャンマーを助けてくれない。私たちの未来は、私たちで何とかする」。人々は決意を固め、戦闘に希望を見出すようになりました。

 

近所に住む大学生は、こう言って戦場に向かいました。「僕らはクーデターで一度死んだ。だからもう死ぬのは怖くない」。そうして今も普通の若者たちが、慣れない銃を手に、40万兵力と言われる軍とゲリラ戦を続けているのです。

 

ミュージカル「マイライフプラン」には、最前線で負傷者を救護する少女が登場します。彼女は実在の人物です。未来を奪われた国で、彼女らが命を賭して取り戻そうとしているのは、まさに「マイライフプラン」を自由に描ける世界。その切なる願いが観る人の心に届くことを願ってやみません。

 

メイ(仮名)

 

NGO職員としてミャンマーに駐在。2022年4月に帰国するまで、現地で抵抗を続ける人々の姿をSNSで発信し続けてきた。(https://www.facebook.com/JapaneseDiaryFromMyanmar

 

またクーデター直後から、現地の民主派の医師らと協力し、軍の弾圧によって傷ついた若者や、村を焼かれて森などで避難生活を続ける人々に対し、医療支援を行っている。(https://syncable.biz/associate/ganbare-myanmar