「恋についてーともしび」アーカイブ配信チケット購入は28日9時まで!
観劇三昧でのアーカイブ配信、期限が迫ってきました。
チケットご購入は、28日の9時まで、アーカイブ視聴は13時までです。
お見逃しなく!
観た方から、様々なご感想を頂いています。
嬉しい反応ばかりです。
岡町高弥さんから劇評頂きました。感謝です。
『8月13日、コロナ禍、台風の中、メメントC公演「ともしびー恋について あなたの知らないチェーホフ」(原作・チェーホフ、脚本・音楽・嶽本あゆ美、演出・大内史子、音楽・演奏、寺田英一)を見るため、オメガ東京に足を運ぶ。
まずは、この困難な状況にあって上演できたことを喜びたい。
チェーホフの故郷タガンローグを舞台にした3人の男たちが語る恋物語。ある日医師のラーギン(山口雅義)は、道に迷い、たまたま出会った鉄道技師アナニエフ(清田正浩)に助けてもらい、工事現場の飯場で一夜を過ごすことになる。
そこには、見習いのシテンベルグ(久井正樹)も暮らしていたが、生きることの虚しさに激しく苛立っていた。アナニエフはシテンベルグを諭すように、人妻キーソチカ(石巻美香)との恋物語を語り始める。
回想シーンに立ち会うというより、不倫現場に遭遇した三人という生々しさが、芝居ならでの醍醐味。舞台に大きな花道を作ったのも効果的だった。
チェーホフの研ぎ澄まされた科白と恋する男女の滑稽な熱情が入り混じって、悲劇と喜劇は背中合わせであることが、よくわかる。
1888年に書かれた、「ともしび」には、メロドラマの中に今日にも通じるペシミズム批判がある。
チェーホフならではだ。
嶽本あゆ美と寺田英一の歌と生演奏がバックについて贅沢な舞台になった。90分間の人間ドラマを堪能させてもらった。
アフタートークで、ロシア文学者の内田健介が、「チェーホフの描いた桜の園の舞台ウクライナで戦争が起きている。もう生きている間、ロシアには行けないのではないか」と言った言葉が悲痛だった。』
コリッチにも、観て来た感想いただいています。
tottory(1732)
実演鑑賞
満足度★★★★
自身の問題意識や関心、ちょっとした興味まで「演劇」表現に投じ存分に楽しんでいる印象のある嶽本女史。仏道世界の旅から娑婆に戻った?前作(山の羊舎との合同)にてその筆力を改めて実感し、厳しい日程ながら今作は実演で観ようと出かけた。過去上演「ともしび」の改作との事で、男三人が夜伽に過去の女性経験を話す、という流れで複数のエピソードが再現される。人生を生きる当事者の主観と客観の隔たり、人間世界を俯瞰して突き放しつつ心に留め置く距離感が絶妙なチェーホフ作品には、(演劇では感情移入が標準的態度であるので、その対照である)虚無主義、ニヒリズムが際立つ。俳優が熱情を体現する程に嘆息は深くなる。
今作では楽器演奏が付き、回想劇に相応しい古きを懐かしむような楽曲が劇を彩る。また狭い劇場ながら装置がうまく抽象(比喩)性と機能性を兼ねて独特な空間を作り、そこに一番感心したと言えば感心した。若干噛みが多く集中を削がれる箇所もあったが、面白く観た。嶽本女史の世界には才気の煌く瞬間と、拘泥(恐らくは製作の動機に繋がる)による見えづらさとが同居する事があり、どちらもこのアーティストの特徴と過去の観劇の印象とも合せて思う。
その一つかどうか・・劇を貫く世界観としてチェーホフ(あるいは作者)がラストに男らに言わせる「この世は無意味」的な趣旨の台詞は、そこに持って行くまでに演出上または戯曲上の「何か」が欲しい。仏教的な無常感は「客観」真理を言い当てているのに対しチェーホフは人間の心情とその発露を描いている。前者から一気に後者へ飛躍した感じを持った。やはり今も仏道の世界を旅しているのだろうか・・。
楽曲の演奏者の一人がどうやら嶽本女史であると最後に気づいた(そして終演後やおら挨拶に立つ..冒頭を見逃したので知らかったのは私だけかもだが)。後でプロフィールを見れば女史は音大出身。多才な人である。
バート(6387)
実演鑑賞
満足度★★★★
未見のチェーホフ作品。ハイブローでついていけるかなーと危惧していましたが、意外に分かりやすくて楽しめました。まあ、深いところまでは分かりませんが。生演奏と歌が良かったです。
2022/08/12 (金) 14:00
ペシミズムを論じたチェーホフのこの短編は、当然ながらとても哲学的だ。物語の躍動感を期待してはいけない。どうしようもない亭主に付き従って生きてきた女性が、偶然に会ったかつての知人男性と駆け落ちする。こうした恋愛話が男性3人の間で繰り広げられる。どっちにせよ皆、死んでいくのに、何のために生きていくのか。演劇では多彩な切り口で表現されるような命題を、哲学的要素を前面に浮き上がらせている。
シンプルな舞台演出がよかった。ギターなどの弦楽器やピアノで奏でられた音楽がぴったり合っていた。役者たちの実力も十分だ。特に、人妻キーソニカを演じた石巻美香は流れるようなお嬢さま言葉の長台詞を難なくこなし、どきっとするような色気を見せる。
しかし、心に響くような何かを期待して地下の小劇場に入ったためか、消化不良感が強かった。結局「この世のことは何もわかりはしない」とつぶやくばかりでその恋が人生をどう変えたのかなど、まったくわからないままで終わる。そういう舞台なのだということは分かっているのだが。
ミャンマー料理研究家の保芦さん
『☆日頃からミャンマー支援活動の力になって下さっている嶽本 あゆ美さんプロデュースによるリーディングミュージカル『 MY LIFE PLAN 』を鑑賞しました。クーデターにより人生の経過が変わってしまったミャンマー人大学生、難民申請が受理されぬまま20年以上日本で生活をしているスリランカ人男性 ( 平良 太宣 )2人の歌声を聴く程に僕の気持ちは重く重くなりました。ミャンマーの友人達を助けたくて支援活動を続けていますが、もう他人事ではなく自分の事になっているのだと、舞台を観ながら感じてならず、とてもつらくなりました。吉祥寺に戻って来たので、これからミャンマー支援募金活動を頑張ります。☆感謝☆』
堀切理恵さん
『チェーホフは「かもめ」に始まり若い頃からよく観てきた。決してスッキリはしない人間の苦悩に惹かれる(笑)。井上ひさしさんのチェーホフの生涯を描いた「ロマンス」もおもしろかった。今日は獄本あゆみさんの脚本「ともしび 恋について」。
台風襲来前に観終わって今、電車で脱出! ホッ。
脚本が素敵に仕上がっていてさすが! 回想シーンは芝居ならではの演出で、小さな舞台にロシアの広大さと時間軸が縦横に広がり、役者さんの語りも味がり、生演奏も贅沢で上質の小舞台だった。
明日まで! 台風も去るでしょうから皆さん、荻窪オメガ東京にゴー!
あ、明日は難民がテーマの「マイライフプラン」の上演もあり、絵本『ようこそ! わたしの町へ』のチラシも折り込んでいただいたのだった。こちらもどうぞよろしく!』
藤木直実先生
『メメントC公演「ともしび—恋について」@東京オメガ(荻窪)。初日に行ってきました。チェーホフ原作、嶽本あゆ美脚本、大内史子演出。チェーホフのふたつの小説がもとになっているそうです。
19世紀末、鉄道工事現場を舞台に、医師と技師と若者が語り合う一夜の物語。移動と拡張、イケイケドンドンなオジサンとニヒリズムに陥った若者との葛藤・相剋、および、「恋」によるその止揚…などが作品のテーマとおぼしく、聞き手の医師(内科と衛生学が専攻で、必要に迫られれば外科もやるらしい)は、さながらニヒリズムの「感染」を絶つ治癒者という感じ。
近代化が一定程度達成した時期の若者のニヒリズムとか、不真面目なこじらせおじさんが人妻との「真実の恋」で人生を取り戻すとか、ちょっと夏目漱石の「それから」みたい…、いや、漱石のほうが後代ですが。といいますか、恥ずかしながらチェーホフは「桜の園」と「三人姉妹」くらいしか読んだことないのですが。
こういう場合の「運命の女性」というものは、「夢のような美女」であることが求められると思うのですが、人妻キソーチカ役の石巻美香さんは、イノセントでノーブルでとっても良かったです。技師役のナンパおじさんの清田正浩さんも、洒脱軽妙じつは真面目な感じでハマってたと思います。
特筆すべきは寺田英一による音楽で、寺田さんと嶽本さんが舞台上で生演奏しています。嶽本さんはピアノ弾いて、バラライカ(?、よくわからないけど弦楽器)弾いて、歌まで歌ってます。さすが音大ご卒業。生音楽、良いですね。とても楽しかったです。あと、舞台上ではダンスシーンもあります。【追記:「バラライカ」ではなくて「ブズーキ」というギリシャの楽器だそうです。】
ちょっとフェミなスパイスや、笑いもあり、シンプルな舞台装置中央のスロープは、時に工事現場、時に汽車の車内、時に人生の行路を示して象徴的でした。
今日11日はアフタートークに孫崎享さん、13日は内田健介さんがご登壇。14日が千秋楽で、その後の特別演目も含めた配信もあるそうです。』