「太平洋食堂」五か国語字幕付き配信 Stage Beyond Borders
お待たせしました。ついに!3月20日より、下記国際交流基金HPより、「太平洋食堂」日・英・仏・露・中・スペイン語の多言語字幕つき配信が
開始となりました。門真国際映画祭2021での受賞にくわえ、このセレクションに選ばれたことは最大級の喜びです。
物語りが生まれて脚本が出来上がり、ここまでたどり着くのに、演出家、俳優の格闘、スタッフの献身、撮影、ポストプロダクション、翻訳とものすごい数の方の労力が関わっています。心から感謝もうしあげます。
戯曲を、各国語に翻訳するのは、例えばgoogle 翻訳の様にはいきません。
全くちがう作業でした。私は英語への翻訳、査読、その総合チェックの過程を知ることができましたが、太平洋食堂を英語表現で、新たに
リライトしている印象でした。どれほどのご苦労があったことか。
そして翻訳されて変わるもの、変わらないコンテキストに感動しました。誠之助のスピリットが英語になって更に活き活きとしたようにさえ感じます。最後の字幕つき映像のチェックをしながら、震えました。
仏語、ロシア語、中国語、スペイン語と、是非、字幕を切り替えて見比べてくださいませ。
正直、この新宮弁や明治の風俗や旧い日本が伝わるのか?と不安にも思って、現代語脚本もつくりました。
しかしながら、翻訳というフィルターを通してあらたな食堂が出来上がったようにも思います。
そして、ロシアとウクライナが戦争をしているこの時期に、この2020年の最終上演映像がアップされたことにも驚くばかりなのです。
幸徳秋水が日露戦争開戦に非戦を叫び万朝報を退社したり、太平洋食堂で侵略戦争の罪悪について、町の衆が激論を交わしている
様子がなんというか、現実にフィットし過ぎて終わった筈の戦争の世紀が再来していることに震撼とするのです。
一体、どういうめぐりあわせなのか?
そして水平社100年と言う今年、水平社のずっと前に平等を叫び親鸞思想を生きた髙木顕明さんの生きざまや、信仰を知って頂くことは、
あの時代の先人の苦難と思いをもう一度蘇らせることが出来て、バトンを受け取った一人として感無量です。
コロナ禍での上演、関係者はとても苦しみました。
藤井ごうさんの粘り、スタッフの圧倒的な技術力、体力気力の限界まで振り絞った俳優の皆様、しんどい公演でした。
映像化についても、私がかなり独断専行したのですが、撮影チームのチーム力でチャレンジ、ついに乗り切りました。
そう、私はやったこともないのに、スイッチャーをやり、通常ならインカムをつけてカメラの小回りも決めるのに、ノーインカムで
以心伝心のカメラワークとなりました。
編集作業、これもアレイズの泉さんが発熱しながら、昨年、やり遂げてくださいました。
門真国際映画祭の受賞は、無冠だったこの作品に最高の栄誉を与えてくれました。
Pacific Refreshment Roomが目指したものは、万民が共に食堂を囲んで、平和の灯を世界に向って照らすことです。
食べるだけではない、自由・平等・博愛の分かち合い。
沢山の外国語で、それが世界中に少しでも伝わりますように!
そう、「太平洋食堂へようこそ!」
YOUTUBEでの配信映像は、DVDやブルーレイよりも、データも粗いです。
うつくしい画像でご覧になりたいかたは、DVDを引き続きご利用ください!
また、観劇三昧では、ブルーレイ品質の映像がご覧になれます!!




