閑話休題 | メメントCの世界

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閑話休題・石を愛でる男

虐殺話ばかりしていて、息が詰まりました。
そしたら、ウクライナにロシアが侵攻しようと、もうしている?ではありませんか。理由は、居留民保護ですね。こういうように、そこに自国民が居住しているのを理由に軍隊を送ってしまえるわけです。そしてあわよくば、占領して政情不安だから面倒見てやると併合しちゃうのです。ウクライナについては、私は実際は良く知りませんが、オレンジ革命で民主化したのに、やっぱりいろいろあるようですね。正義はどこにあるのか分からない。正義とは現実に相いれないのでしょうか?反大統領派も何やらネオナチ色だったり、その前の前の政変でおかしな動きで議会を混乱させていました。おっかない徹子頭の美女のオバサン(差別用語)がドンです。私はオジサンですが何か?

日中戦争時の国際条約について調べましたら、南京の頃はまだ、ジュネーブ条約というのは日本に効力がありませんでした。それでハーグ陸戦条約となるのですが、それに交戦規定、戦争のルールが決められています。一つ、軍隊は認識の為の認識票をつけろとあります。覆面禁止ですね。それと、降伏したら捕虜として人権を守って扱わねばならず、裁判なしの処刑や重労働、虐待を禁じています。捕虜の虐待で戦後に戦犯としてたくさんの日本人が有罪判決を受けました。バターン死の行進で、捕虜が炎天下のフィリピンの収容所まで行軍させられ、日本軍はかなり平気だったようですが、捕虜たちはバタバタと倒れ、ろくな食料も与えられなかったということですが、山本七平さんは、日本はもっともっとひどい虐待を自分の兵士にしていたから、あれは虐待とは言いかねる、と強弁しています。つまり、日本軍の普通は、世界基準では虐待ということです。
東京裁判を認めない人もいますが、南京の戦犯は、東京から南京に移送されて裁判を受けて、死刑判決になった人は、南京郊外の雨花台で銃殺となったのです。南京戦の雨花台は激戦の地でしたし、その前からずっと刑場だったということです。血に塗られた土地ですね。ここに雨花石という色石を眺めて楽しむ文人趣味が中国にはあるそうです。しかし、その石はまあ本物ならば、皆、血ぬられているわけです。ぞっとしますね。

石、それを愛でる人のことを、中国で石痴というそうです。痴とは、ひたむきにその対象に尽し愛情を注ぐことです。見返りを求めない愛を、異性以外に注ぐことを痴というそうです。石痴、菊痴、などなど、あるそうです。奥が深い~~~~

堀田善衞の小説にはよく、石痴の人が出てきます。ふつうの石痴は、コレクションをたくさんもっていて、きれいな珍しい石を集めます。特別なのかと思いきや、案外と周りに居ました。そして、もっとよく考えたら私の父もある種の石痴でした。ただちょっと違うのは、やたらに大きな石を集めて庭に石を配置するのです。あまり上手じゃないので、ただただ、ゴロゴロと石があります。田舎の川のそばを通りかかると、川底や谷底に立派な石があるので、「ああ、よい石がある」とつぶやいて、時々それを勝手に持って来ました。これは本当は違法です。私は何がいいのか分らないので、「へえ~ただの石じゃん」と言うのみでした。この石集めというのはきりがないので、かなり迷惑です。だって、重いし脈絡もなく石が増えるのです。実家の大石も今は大分減りました。父が要介護4になったからです。隣家の土健屋さんのユンボを勝手に借りて石を並べる事もなくなりましたので、家の様子はここ十年ほど変わっていません。
 しかし、もう一人の石痴が我が家に現れました。長男です。二年生の頃まではいろいろな石や金属を拾い集めていました。ポケットは砂だらけ。男の子は皆そうなのでしょうか?最近、何も拾って来ないので、このまま一過性だとよいなと思います。石痴は遺伝するのか?

稽古は佳境です。私はぐったり、そろそろ役者紹介をせねば。ああ、眠い。
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