廻る因果の糸車② | メメントCの世界

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演劇ユニット「メメントC」の活動・公演情報をお知らせしています。

廻る因果の糸車②


何やら、オドロオドロした題名が続きます。前回は、私が田中、杉嶋と再会してメメントを結成し、その後、内山厳さんと出会った所まででした。

 メメントを作るぞ!となった時、私は1歳にならない次男を抱えていて、二人は新婚でした。ほぼ同時期に、田中と杉嶋はご結婚の運びとなりましたのは、これも廻る因果でしょうか。その新婚の二人を連れて、名古屋でのアウェイの招待公演に出かけたのですが、楽しかったです。みんな若くて・・・今では杉嶋さんの坊っちゃんが二歳のお誕生日を迎えます。時の経つのも早いものですなあ。

 「劇が孵化する~」シリーズの第二回は、金塚さんの作品で、08年劇作家協会新人戯曲賞最終候補になった「葉子」のリーディングでした。ここで、羽場さゆりさんが登場。あまりの美貌にのけ反りましたが、詳しくは田中の紹介に譲ります。

 私はメメントを結成する前、劇作家協会戯曲セミナーで出会った作家達と、創作集団「パオ」という作家の合評会組織を作りました。そこにいた方は皆様、金塚さんを始め、ツワモノぞろい。近々では、中澤日菜子さんが五月に第4回泉鏡花記念金沢戯曲大賞優秀賞

を見事、受賞されました。おめでとうございます!!!彼女は仙台劇の町戯曲賞もとっていて、すごい打率を誇る劇作家です。しかし、誰しも永遠に賞をとり続けるなんて不可能で、こうやって新作戯曲を発表する恒常的な場を確保する為に、作家達はいろいろと企てるわけです。この消費社会で、新作戯曲なんてのは、マクドナルドのポテトと同じ位の速さで消費されてしまうのですが、演劇の市場価値とは離れた所で、作家自身の真摯な取り組みを続ける事が戦いだ!と雄叫び上げる代わりにリーディング公演をやっています。そして、何度も再演されて、なおかつ観客の心に届く言葉を編み出す為に、台本というテキストの中で作家は格闘するのみです。

というわけで、是非、劇が台本から孵化していく過程をご覧下さいませ。


嶽本