はじめましての方はこちらから見ていただけるとうれしいです☆
前回⇩からの続きです☆
「もう疲れた。休憩しよう」
と言って入ったのはラブホテルでした。
「たまにはこういうのも良いやろ?」
陽の入らない窓のない部屋で
照明をつけながら先生は言いました。
それからすぐに
先生は当たり前のように私の服を脱がし、
湿ったベッドに横たわります。
そして重なり、
先生は疲れ果てて深い眠りに落ちました。
眠る先生の横顔を見つめていると、
枕元のFMラジオから
先生の寝息をかき消すように
強くて悲しげな女性の歌声が
聴こえてきました。
25 years and my life is stillTrying to get up
that great big hill of hope
For a destination
25年間の人生、
希望に向かって試練に堪えてきた
And I realized quickly
when I knew I should
That the world was made up
of this brotherhood of man
For whatever that means
容易にわかった
世の中は男で成り立っていることを
あらゆる意味で
And so I cry sometimes
When I’m lying in bed
Just to get it all out
What’s in my head
And I am feeling
a little peculiar
だから時々
私はベッドで泣く
それを忘れるために
なんとも言えない気分
and I try,
oh my god do I try
I try all the time
in this institution
頑張ってきた
頑張ったよね?
こんな世の中で私は
精一杯努力してきたのに
And I pray,
oh my god do I pray
I pray every single day
For a revolution
そして祈った
ひたすら祈ってきたのに
何かが変わることを
(翻訳は正確ではありませんが、
高校生の私が聴き取って、
感じていたままの訳を
使わせてください )
流れる歌を聴きながら
愛しい先生の寝顔を見つめていると、
幸せなのに、幸せなはずなのに、
涙がこぼれてきました。
こんな所に来て、
こんな事をすることが
私の望んだ幸せだったのだろうか…
ラブホテルで性行為を楽しむことが
私にとって"良いこと"だと
先生に思われているのだろうか…
私は、
さっき聞いた
“たまにはこういうのも良いやろ?”
という先生の言葉に妙にこだわって
つまずいているのでした。
そして、そのせいで
私は自分の気持ちも、
先生の気持ちも、
わからなくなっていました。
先生を愛し
先生から愛されたい…
そして、
愛されていると感じたいだけなのに…
先生を愛しているから
先生から必要とされたい…
だから、
必要とされていると感じたいだけなのに…
先生と初めて結ばれた日、
先生が言った言葉をふと思い出しました。
「SEXは汚らわしいものじゃないよ。
美しいものだよ」
先生は
ただ何気なく言った言葉かも知れないけれど、
私には深い深い意味を持っていました。
「本当に汚らわしいものじゃないの?先生」
私は先生の耳元で小さな声で呟いてみました。
けれど
先生は深い深い眠りの中にいて、
代わりにもう一人の自分が、
「そんなことない
SEXなんて汚らわしいんだ…」
と答えます。
目を閉じれば
実家にいた頃、
義父が母と性行為をするのを
見せつけられたり、
義父の性器を触らせられたりした記憶が
蘇ります。
(こちらに詳しく書いています⇩)
本当はSEXなんてしたくない…
ただ、心から愛し、愛されたいだけなんだ…
いや、私は綺麗事を言いたいのか?
好きで男とラブホテルに付いてきて
SEXをしたのは紛れもない自分の選択だったではないか。
自己嫌悪のなかで涙をぬぐって、
床に落ちた服を拾い集めました。
SEXは愛なのか、
何が愛なのか、
愛はどこに行けばあるのか、
私はいったいどこに行くのか…
何をしているのか…
けれども、
私はもう引き返す道を見失っていました。
【次へ続きます】