個人的にiPhoneは爆発的に売れるとは思ってない。

魅力的でないというつもりはない。ブログなどを中心にPC親和性の高い人にはそこそこ売れると思うし、自分もまあ余裕があれば買いたいかな、と思う。


しかしいろんなブログやニュースサイトなどで見られる、「ガラパゴス状態を打ち砕く黒船」とかそういう意見には賛同しかねる。
CNETのオンラインパネルディスカッション「iPhone 3G、日本のモバイル業界を変えるか 」でも同意できるのはこの人 くらい。他はもう持ち上げすぎっつーくらい。

いや、もちろんケータイサイトを企画する仕事もする自分にとっても、新たなコンテンツプロバイド先が1つできるというのならそれはありがたいと思うのだけど・・・
何より、一般の携帯利用者にどの程度アピールするかな?という点では非常に難しいと思う。少なくとも短期的には。

で、多くがiPhone待望という中で、まあ釣りっぽいタイトルで目を引いたのが

■それでもiPhoneが売れない9つの理由 (デジタルマガジン)

という記事があって、その論拠に賛同できそうかな、と見てみたが、どうも説得力がない。

1つ1つ見てみよう。


1.FeliCaなどの電子マネーに対応していない
あれば便利で使うだろうが、この機能自体がないから購入を躊躇する人は少なかろう。


2.ワンセグがない
これも1に近いものの(実際見ることはまれであっても)、最近の機種でデフォになってるだけに、少し影響はあるかも。


3.プランに強制加入というのが気に入らない
実質フルブラウザ利用を考えれば安いくらいだし、他のキャリアと比較して高いというわけではない。パケホ利用者の利用額平均8900円だし、通話で1万前後も妥当。それでも、PCフルブラウザまで含めたパケホ”しか”選択肢がない縛りはユーザを限定するとは思う。特に2台目需要はiPod touchに流れてしまい、難しいだろう。


4.カメラが使えない
これは妥当な指摘だが、付いてないわけではなく、更に音楽再生を軸とすればバーター可能な妥協点だろう。


5.本体が高い
これは他機種と同様だから(906が高いと同じ)これを理由に売れないという論拠にはならない。欲しい人には魅力的な値付けだろう。


6.キャリアがソフトバンクモバイルである
辺境とかでなければカバー率は極端に違わないし、販売台数への影響は微々たる違いであろう。それに1の「都市生活者云々には必要」とかの論拠と矛盾する。ドコモだったら(まだドコモも発売する可能性をにおわせてるだけど)iモード搭載その他いろんな縛りが出てきそうだし、PCネットの親和性があるSBが妥当だと思っていたし、その通りになった。


7.通信がもたなさそう
「売れたらパンクしそう」だから売れないというのは理由にならない故に論拠になってない


8.Appleの初物は危険
Appleにかぎらず昨今の携帯の多くが不具合を持ち、ソフトウェアアップデートで対応している。
ハード的な不具合という意味では確かに最初のiPhoneも不具合があり、更に3Gで薄くなってリスクは高いだろうが、だから売れないという理由にはならない。

9.バッテリーが取り外せない上にサポートがダメ
バッテリー交換は店だが保障対象外バッテリーの交換は1週間はかかるというのはまあ本当にかかったら痛いだろうが、さすがに日本でそれはないだろう。



とまあ、手放しに賛同できるほどの説得力がないのだ。

しいていえば2,3,8,9だが、これを持って売れない、と断言するような決定的な要因ではなかろう。


だけど、やっぱり自分は爆発的とまでは売れないと思う。


結局、ウィルコムのZero3とか京ポンとかイーモバイルのEM-ONE等々、昨今のインターネットマシン・スマートフォン・通話機能付きPDA、その他呼び方はいろいろあろうものの、こうした狭いシェアの中ではヒット商品、といえるくらいになると思うけど、ケータイ全シェアからすれば・・・やっぱり小さいと思うわけで。

もちろんiPhoneとWindowsMobileを比較すればインタフェースその他優位性は段地だと思うのだけど、あくまでもそれは普通のケータイとして、じゃない。

つまりPC(Mac含む)オーナーのサブマシン的なツールとしては大きいけど、多くのケータイしか使わない主流派にとっては、むしろ公式のメガアプリとか遊べないの?とか、キーはやっぱりボタンでないと高速入力できないとか(絵文字とかどうなのかね?)、いくらiPhoneのUIがすごくても、そこで購入しようとする人はいない(最初に購入する)んじゃないか、というのがあるわけで。


じゃあどのくらい売れそう?というのはまだみんな予想してないんだが・・・まあ正直わかんないよね。

とはいえ適当に予想してみると・・・


MacユーザでiPodユーザがコアターゲットで、黙ってても買ってくれるはず。
次のメインターゲットはPCオーナーでもiPod利用者で、更にiTMSからDLでガンガン買っている人。これは結構年齢層が高くPCにも親和性のあるリッチ層なので、こっちもほっといても(2台目とかで)買ってくれそうだ。

と思ったら、どうやら音楽配信は直接できず、Wi-FiでiTMSに接続しなくちゃいけないという話で、こりゃ非常に大きな阻害要因だ。むしろこれができれば売れるかも、と思えるんだけどね。米国はやらないけど日本ではやるってこともあるんじゃないか。ケータイの着うたフルを切り崩す為には。


うまくして上記のユーザの大半が買ってくれたとしても・・・せいぜい1年で50万台くらいいけば御の字じゃないか?100万台売れればすごいと思う。

米国で最初のiPhoneが出た時は2ヶ月で100万台、現状600万台というのは、もちろんそれなりにヒットだろうけど、ケータイ市場を塗り替えるとまではいかないだろう。

これはPDAに親和性が高くてスマートフォン需要も高い米国だから、というのもあり、日本ではPDA的な文化はマニアのもので、とても小さい。

既存ケータイにPDA的要素が付加されるならユーザも使うが、PDAに通話機能が付いたといっても飛びつくユーザはかなり限定的だろう。


業界トップのシャープの2007年出荷台数が1000万台超だし、ドコモ・au・SBのシェアを5:3:2と考えればおおざっぱにシャープのソフトバンク端末200万台として、半分の100万台もいけばそれこそ万々歳だろうが、じゃあそれがケータイ業界を変えられるか、といえばそんなはずもなかろうと。

(ドコモのBlackberry端末より売れるだろうことは確かだと思う)


追記:日本のスマートフォンのシェアは約3%だそうで、1億台の3%とすれば300万台、まあそれなりに大きくなったとはいえ、まだまだだろう。


ここでも伏兵として、ドコモでも販売されれば、これが1つのプラットホームとして大きく変わるかもしれないのだけど。


で、今のソフトバンク利用者の多くは学生さんのようなあまりお金がない人か企業利用であろうことを考えると、期待できるのはiPod利用者でソフトバンク利用者か。その辺に訴求していく(ケータイとiPod両方の買い換え時のサービス等)とか方法はあろうと思うけど、どこまでやってくれるだろうか。

MacやiPodのようなある種殿様商売型ではダメだと思うし、iPod成功要因がコンテンツ(iTunes+iTMS)あってこそ、というのがわかっていれば、と思いたい所だけどね。


長期的には、上記のように直接DL購入ができるようになることで、PCで買いにくかったダウンロード販売がケータイで楽になり、今の着うたフルみたいな殿様商売を徐々に脅かす、とか、アプリの充実とかいうコンテンツ蓄積要素もあろうけど。

あとは既存のケータイサービスやコンテンツがどこまで「iPhoneユーザは儲かりそう」と本腰入れて参入してくるか、というところじゃなかろうか。


で、上記記事のコメントにAppleファンらしい人が「イヤ売れる!」と書いたりしてるけど、むしろAppleファンは売れて欲しくないのじゃないか?
「この良さがわかってる人だけ買えばいいんです」というスタンスが一番だと思うわけで。
まあそれを超えるのがキャズムwっつうんでしょうが。

「美少女ゲーム・アニメをする人は心を破壊され、人間性を失っているので規制すべき」と主張するトンデモ請願が参議院に (GIGAZINE)

「美少女ゲーム(エロゲ)・アニメを楽しむ人は、人間性失ってる。少女殺害等に繋がるので販売規制を」…民主党議員が請願 (痛いニュース)

その他いろんなところで取り上げられ、ネット中で非難囂々である。


痛いニュースあたりは脊髄反射的および自虐的なコメントが多いが、GIGAZINEの取り上げ方はいつも通り冷静だがちょっと表面的だ。


確かにこの請願書は内容が論拠が曖昧どころか論理的でもなく、感情論のみで書かれた感が強い。


街中に氾濫(はんらん)している美少女アダルトアニメ雑誌やゲームは、小学生の少女をイメージしているものが多く

→本当にそうなのか?どの程度?ランドセル登場率が??


このようなゲームに誘われた青少年の多くは

→対象がゲームだけになっているが?アニメ雑誌は?


知らず知らずのうちに心を破壊され、人間性を失っており

→そんな研究結果があるのか、そもそも人間性の定義は?精神疾患を煩っている?


既に幼い少女が連れ去られ殺害される事件が起きている。

→前文とのつながりがまったくわからない上にどの事件が該当するのかも不明


これらにより、幼い少女たちを危険に晒(さら)す社会をつくり出していることは明らか

→ちっとも明らかでない


表現の自由以前の問題である

→憲法を遵守する以前の問題なのか?


とまあ、一文たりとも理解できない。

いや、個人的にはもっとゾーニングをしっかりして、少しはやましいくらいの場所に(レンタルビデオ屋のアダルトゾーン程度には隔離)した方がよいとは思うのだけどね。

ただ、罰則付き販売制限というのはちょっと穏やかでないし、その論拠がこれじゃとても賛同できない。


たぶんこうしたアニメやゲームを自らが実験台となって実際にプレイした結果、かわいそうなことに両議員が心を壊し、人間性を失ってしまったのだろうと推察さえるのであるが。


ところが、どうもこの請願には裏があったようで。

GIGAZINEのトラックバックにあった以下のブログにその真相があるので、「はいはい、虹ヲタオワタ」とか自虐的に流さず、読んでおかれることを強くお奨めする。


■このトンデモ請願は3年前に野田聖子議員とジュベネイル・ガイドが集めた物と同内容 (「反ヲタク国会議員リスト」メモ)


いやはや、要するに、美少女ゲームメーカーActive元社長がジュベネイル・ガイドというNPOを作ってソフ倫2代目理事長となり、さらなる規制による利権を求めて3年前に野田聖子自民党議員が出した請願書と内容がほとんど(上記の支離滅裂な内容まで含めて)同一であったというわけで。


つまり当時は参院与党の自民から出したけど通らず、今度は参院で民主党が与党になったので、そっちに鞍替えして同一内容の請願を出し直したという感じか。


そのあたりは早々にWikipediaにもストーリーラインが描かれているのでこちらも一読を(というか上記ブログの人が書いたのかもしれないが)。


ジュベネイル・ガイド (Wikipedia)


しかし、円より子・下田敦子両民主党議員もそのへんチェックしてなかったのか判ってて再請願したのか。

いずれにせよ、これじゃあとても「自民オワタ→民主ガンガレ」とはいえない脇の甘さ、というか別の意味でまたブーメランつうか・・・


少なくともこういう請願を内容精査することなく、そのまんま出す時点でとてもじゃないが頭ワル杉→応援どころか落とすべき候補者になってしまったことを反省すべきだと思うわけで、メモしておく。


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<本文とは関係ありません>

最近池田信夫ブログがらみのエントリが多いのだけど、もう1つ趣味のテーマで。

今回は同氏がThe New Yorkerの(オンライン限定)記事にあったJazzアルバム100選を紹介し、同時に池田氏のお薦めアルバムを挙げていた。


100 Essential Jazz Albums (池田信夫ブログ)

元のThe New Yorkerの記事はこちら


The New Yorkerの記事の方は、原文にもあるように、Jazzが1970年代に(フュージョンとか)いろんな方向へ分岐してしまったゆえ、ここでは(主に60年代くらいまでの)クラシックJazzでのリコメンデーションになってるよ、ということだ。

なので、池田氏が「古典に片寄りすぎで、1920~30年代の録音はマニア以外にはおすすめできない」というのも仕方ないだろう。いわばJAZZの歴史を知るための必聴100選。

で、池田氏の紹介しているベスト10はそこを補完する感じか。

自分的には池田氏のお薦めは(ご自身をいわれている通り)前衛系で、いくつか聴いたことはあるが1枚も持ってないので試聴してみたい。(仕事中はGetsz & Gilbertoというのは非常にわかるw)


逆にTheNewYorkerの記事の100選については、今ではたまに引っ張り出す程度だけど、高校生の頃からLPで買ってきたアルバムが半分くらいある。(版はいろいろなのでかならずしも同一ではないが)

それだけスタンダードなものを集めてきたということだろうが、25年も前でもすでにジャズなんてマイナーで、田舎でネットもない時期に集めるのも大変だった記憶がある。後でCDやオンラインで買い直したものがその中の半分くらい、という感じか。


自分が網羅的に聴いてたメインはビッグバンドからせいぜいBEBOPくらいまでで、モダンジャズになってからはビル・エバンスとかコルトレーンとか耳障りのよいあたりを脈絡なく聴いてたくらいで、これを見て久しぶりにレコードで聴こうかと思ったりしている。

それゆえ、このリストはずばりな感じで、最愛のエンターテイナー系ピアニスト、Fats Wallerがリストの最初に上がっていたり、特に好きだったLester Youngが2枚もエントリさえていてとてもうれしかったり、Art Tatumの神業的な演奏を聴きたくなるとか。

日本ではほとんど知られていないJohn Kirbyとかは戦前とは思えないアレンジがされたショパンの幻想即興曲とかは今聞いても非常に新鮮だと思うんで、決してマニア以外おすすめできないということはなかろう。

(さすがにジェリーロールモートンとかキング・オリバーあたりは歴史的な意味はあってもみんなにお奨めはしないけど)

が、そもそも日本ではほとんど入手できないかな。Amazonの輸入盤かiTunesあたりなら入手可能かもしれないが。


せめて同じアーティストをリストアップするのはやめて、1アーティスト2アルバムに限定してもう少し広げれば、とか、ジャズボーカルは別のリストにした方がいいかな、とか。

自分がもっとも好きなエリントンを1枚に絞るのは無理だというのも十分わかるが、スタン・ケントンは?とかね。

エラ、シナトラ、ナットキングコールも好きだけど、じゃあアニタオデイやジューンクリスティは、とか・・・


とはいえ、人に借りて聴いたのとか聴きたかったもの、紛失したものもあったりするので、ダウンロード購入しようかなと思うきっかけになったので感謝しつつ。


自分でもAmazonで入手できそうなもので、少しだけリストとずれるものも含めていくつかリコメンドしておこう。


Complete Columbia & RCA Victor Recordings/John Kirby Sextet
¥2,232
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アート・テイタム~ベン・ウェブスター・クァルテット+3/アート・テイタム
¥1,425
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Pres and Teddy/Lester Young - Teddy Wilson Quartet
¥971
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John Coltrane & Duke Ellington/John Coltrane
¥1,040
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Chet Baker Sings/Chet Baker
¥1,112
Amazon.co.jp
The Very Best of Fats Waller/Fats Waller
¥1,386
Amazon.co.jp


自分はもともと文系で理系の情報についてはどこまでトンデモなのかも判断が付きにくい。

もちろん、であるがゆえにそうしたものにだまされまいという気持ちもあって、いわゆると学会の一連の書籍も(最近はもうVOW化してしまったが)それなりに役に立ってきたと思う(そのすべてを信じるのでなく、懐疑しつつ楽しむという受け止め方ね)し、そこから派生してスケプティック系の書籍もいろいろ読んできたのだけど。


で、地球温暖化論のウソとワナ (池田信夫ブログ)と言うエントリがあって、その前にちょうど地球温暖化のウソとワナ (女子リベ  安原宏美--編集者のブログ) でもレビューが書かれていたので買おうと思っていたので参考に。

地球温暖化論のウソとワナ/渡辺 正
¥1,680
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上でも述べたとおり、自分が温暖化の原因がCO2というのを否定するだけの知識や論拠を持ってるわけでもないし、すべてのエコな行動が無駄だとは思わない。

のだけど、だからといってなんでもかんでも「環境にいいんだからいいじゃん」というのも、いわゆるニセ科学容認とかと同じ水準に落ちいてしまいそうな気がするわけで。

つまり水からの伝言もいい話だから学校の道徳で使っていいじゃん、とかいうレベルね。


でも温暖化とか環境保護という話になると、どれも正しいことが大前提になっているがゆえに、どうにもあがないにくいわけで。


以前からバイオ燃料による穀物価格高騰とか、バイオ燃料のほとんどが環境に優しくないとか、そういった話を聞くにつけ、少なくともバイオ燃料は効率などに基準でもつけて、それをクリアするまでは研究はしてもいいけど商品化しちゃだめ、くらいのことをしないとじゃないかと思ったりしてきた。


自分の嫌いな小池ゆりこ議員もバイオ燃料についての意見だけはめずらしく賛同できる(それ以外はやっぱりとても賛同できないけど)。が、低炭素社会だっけ?そっち向きの福田さんの洞爺湖サミットなんて期待できそうもない。

どっちかっつーと低支持率で低酸素状態でアップアップだったりして ヲイヲイ


「日本はひきつづき中長期的に温暖化研究や途上国支援等は続けますが、排出権とか金でかたづけるような京都議定書の内容とかは一度白紙に戻して、緊急性の高い穀物価格や原油価格高騰対策を前面に押し出した環境対策へシフトします」


とかいってくれたら自民党支持しちゃうんだがなw


サマータイムについてもすでに何度も俎上に上がっては見送られてきたのが、今回は国会を通るとかいわれているようである。なのだけど、このメリットがちっともわからない。

世論調査でOKが過半数とかいうのもなんだか恣意的だ。環境にもいいという前提があって反対しにくいだろうし、実際は逆にエネルギー消費が増えるという論もあるわけだし。

経団連だかが積極的なようだけど、それだったら経団連に入っている企業は義務的に1時間勤務時間をずらして、しかも残業が増えない勤務体系にシフトすればいいんじゃないかと。

それともIT特需を狙っているのかね。OSはもちろん、銀行とかをはじめとするネット系のいろんなシステムにタイムシフトまわりのプログラムの改変が必要になり、当然いろんなところでトラブルが起きるであろう保守ニーズもお金を生むとか?

それで残業が増えてさらにエネルギー消費が増えたりしてね。トホホ。


環境とは違うけど、オーガニックとかの信者というのもやっかいで似たところがある。

これについても、自分だって生協の宅配とか使っているのだけど、数日前に読んだ愛読ブログ「食品安全情報blog 」にあった英The Independent誌の記事の翻訳。ちょっと長いが引用。


「偉大なるオーガニック神話:何故オーガニック食品は世界が許すわけにはいかない放縦なのか」

オーガニック食品は健康的でも環境に良くもなく、農薬も含まれる。気候変動と資源不足の時代に、オーガニックは世界が許すわけにはいかない無駄遣いである、と環境専門家Rob Johnstonが主張する。


神話1:有機農法は環境に優しい→ライフサイクルアセスメントによれば必ずしもそうではない。

神話2:有機農法は持続可能性が高い→単位面積あたりの収量が少なく環境負荷が高い

神話3:有機農法では農薬は使わない→使ってる

神話4:通常栽培食品の残留農薬は危険な量→残留農薬による健康影響があったという証拠はない

神話5:オーガニック食品は健康的→根拠なし

神話6:オーガニック食品は栄養価が高い→一部の食品の一部の栄養素のデータからそう言っているだけ。野菜の栄養素は数日放置すれば脱水により濃度は増える

神話7:オーガニック食品の需要は増大している→有機食品は英国で販売されている食品の1%以下。


これがすべての有機農法に当てはまるとは思わない。が、オーガニック信者がこの記事に大量のコメントをつけているようだ。(原文

でもエコとオーガニックって似た方向性だけど、相反することもあるということは覚えておくべきだろう。ほかにも、「ボトルに入った天然水より水道水の方が何倍も環境に優しい」とかね。


で、ニセ科学ってこところからさらにgdgdと、アルファブロガー小飼弾氏の書評「疑う者を信じよ - 書評 - 疑似科学入門 」というエントリ。


疑似科学入門 (岩波新書 新赤版 1131)/池内 了
¥735
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まだ未読ながら目次立てなどを見る限り、非常にしっかりした内容と思えるので購入するつもり。

ただいつものように、小飼氏が疑似科学とプログラムのバグに例えたりしているが、これはちょっと適切じゃないだろう。バグは人為的だが故意ではないし、どっちかといえば正義の為のプログラム(の皮を被ったウイルス)とか言った方がましかも。


ただ・・・個人的にはもっとやさしい入門書の方が必要なんじゃないかな、と思ったりする。

じじばばの為の、とか、子供と親の、みたいなね。

MIAUが子供(やその親)向けの(有害情報に向けたリテラシーとしての)インターネットの教科書を作るという話は前のエントリでも触れたけど、それに近い。

上記のような本はある程度問題意識を持った判っている人が読む内容で、PTAとかで水伝やゲーム脳のセンセーを講師に招くようなのを防ぐ為に親が気軽に読めたり、子供に読ませられるものこそ必要だと思うのだが。まあそっちの方が大変なのは承知だが。


で、さらにトンデモつながり?というわけではないが、大気イオンから地震予知するNPOのサイトで5/13に厚木で異常計測値が出ているとはてブ経由で知った。

http://www.e-pisco.jp/r_ion/data/kanagawa_atsugi.html

このNPO、阪神大震災の時にいろんな前兆現象があって、それを本にまとめられていた弘原海清氏(大阪市大名誉教授)が理事長しているのね。

大地震の前兆現象―空が、大地が、動物が異常を発信する (KAWADE夢新書)/弘原海 清
¥700
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個人的にはこの本のような前兆現象には興味(どちらかといえば社会学的興味?)があるのだけど、まあ過去の事例含めて批判も多く、どこまで信頼できるかというのはあろうし、関東で厚木しか公開されていないし、機械の性能とか故障とかいろいろ考えると、参考情報程度なら・・・なのかどうかグレーなわけで。


先の茨城の震度5弱の関連(4/22異常値→5/8)も考えれば、今後2週間前後は動向に注意した方が、と言う分にはよいのかね。

だからどうするわけでもないのだけど、いわゆる「備えあれば」?

さらに怪しい2ch情報で


1923年2月 カムチャッカ地震-M8.5
1923年3月24日 四川地震-M7.3
1923年5月~6月 茨城県群発地震
1923年9月11日 関東大震災-M7.9

2006年4月23日 カムチャッカ地震-M7.9
2008年5月8日 茨城県沖地震-M7.0
2008年5月12日 四川地震-M7.8 new!


というのをみたりするとますます・・・いや、不安をあおるべきではないと言いつつも、気になるものは仕方ないゆえ、って、いつのまにかトンデモ論者に近くなってるって?


まあ、上記の予知とかはおいておくとして、サイクロンで千葉県全体が丸ごと水没したくらいの被害といわれるビルマといい今回の中国四川大地震といい、金と物は受け取るけど人的な支援は駄目とか、明らかに「国内体制で対応できる」っつー域を超えてる状況で国の見栄を張るって、自国民の命を軽視したひどい国だと思う。


自分は別に嫌中とかではないが、金や物よりも最初の100時間とか生死を分けるような早急な対応が必要な時にそういう国の対応を見ると、つくづく人の命より国の見栄が大事な国だよな、と悲しくなるのだ。

過日のエントリ「青少年ネット規制法案に反対するバナーを作ってみた 」を書いて、まだ出てもいない法案にそこまでやらなくてもよかったかな~と思ったりした。

まあ、その後もいろんな規制反対の声が上がり、硫化水素のネット書き込み対応問題について増田総務大臣の談話で「有害情報の判断は国ではなく第三者機関がやるべきだ」と話し、

高市法案は死んだ (池田信夫ブログ)

に書かれていたように、このまま収束するかなと思ったのだけど。


ただ、高市氏はまだまだやる気満々なのか、5/7付の日経ビジネスでのインタビューでも飛ばしている。


【焦点を聞く】ネット規制、親が守れないなら国が守る! (日経ビジネスオンライン)

インタビューの感想で「参考にならなかった」が多いのは高市氏への反感によるものであろうと思う。高市氏の動機の薄さや思い込みなどがよくにじみ出ていると言う点で非常に参考になった記事だった。


実際インタビュアーは一般の新聞などよりも結構がんばって(IT系オンラインメディアらしく)、これまでの反対意見を反映した「官製不況」的な業界の萎縮や国による表現の自由の侵害などについても具体的に突っ込んでいる。


ただ、彼女の言い分は「削除依頼しても大量に有害情報が流通しているから表現は萎縮しない」だとか、「民間に任せるのは無責任」、ゆえに「親がやらないなら国がやる」だそうで。

そもそもIT特命大臣とかをやってたのに、と思ったら、


・ITを存分に活用して国の競争力をつけ、子供の教育にも活用していくために普及活動をした

・親から「ネットで危険な情報に触れたらどうしてくれる」といわれた

・まずリスクの部分をできるだけ克服して、親に安心感をもってもらうことが大事だと思った


という経緯があったとか。


ほんとかどうだか、動機は「世論(親・報道)から対策を迫られている」といいつつ、そういった親、ひいては国民を信用していないんだな、というのが見え見えだし。


池田氏が上記ブログで


「彼女の政治的行動は支離滅裂で、一片の政治理念もない。一貫しているのは、選挙に弱い(人望がない)ためにマスコミに出たがりだということと、つねに強い者に迎合する機会主義である。」


と評しているが、今回のインタビューもまあ出してくれるメディアにはホイホイ出てきたんだろう。

やっぱりこのひとは少なくとも自分にとっては有害な政治家だと思うわけで。


あ、あと

MIAUが「インターネットの教科書」作成へ、子供・保護者向けに (Internet Watch)

というニュースも。これは望んでいた動きである。

前のエントリにも「MIAUは日本のEFF みたいになれば」みたいなことを書いたが、こうした啓蒙活動とかの動きは加速していってほしいと思う。