水元公園の北東部に広がるメタセコイアの森。
― かつて昭和天皇が好んで皇居に植えたものの子孫と言っても
過言ではない。
もともとは高尾駅北側にある高尾森林公園(旧林業試験場)に
日本で最初に植栽されたものが全国に広がったものである。
メタセコイアは陽樹(日照条件が悪いと育たない樹木)なので、
日当たりが良いと成長がよく、本来もっと大きくなる木である。
水元公園の場合、少しこみいっていて、
日当たりが悪く、成長もかなり遅い。
つまり、本来のメタセコイアの森とは違う様相を呈している。
植栽後の手入れで大木になることを想定して、
間引きを行っていれば、もっときれいな森になっていたかも知れない。
今の状態は下草もほとんど生えておらず、
したがって草を好む昆虫も少なく、
それを食べる肉食の昆虫や鳥たちもいない。
数年前だが、東京都の大自然塾に参加してここで伐採を行ったことがある。
本格的な作業ではなかったが、実際に伐採を行って判明したことは、
かなり中心部に腐りが入っていたことである。
樹木に詳しい方ならご存じかも知れないが、
樹木は中心部から外側に向かって、肥大成長している。
簡単に言うと中心部から成長が止まっていき、
外縁部の形成層の部分だけが生きているのである。
ということは、中心部は単に樹木の重量を支えているだけなのかも知れない。
それが腐ってしまった樹木は外縁部で全重量を支えていることになる。
もっとも中心部がカスカスになっているので、
かなり重量を軽減しているかも知れない。
だから、そういう木を伐採するにはよくよくの注意が必要になってくる。
とてもボランティアの仕事ではないというのが
実感として味わった次第である。
プロでも難しい仕事をアマチュアに担わせるというのは少々無理があるし、
相当の危険を覚悟しなければならない・・・。
(wrtten by 和心)