箱山城(長野県中野市中野箱山・山ノ内町戸狩) | えいきの修学旅行(令和編)

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 北信高梨氏の本拠
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 この美しくも霊性漂う山々とその麓は、武田が弘治3年2月に落合氏を葛山城に滅ぼすまでは、高梨氏の本拠であった
 
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素の美しさに浸っていたいが、広く読者に伝えるためには書き込む要もあろう
二年前に書いた鴨ヶ岳・鎌ヶ岳城の記事を下に貼る。
 
鴨ヶ岳・鎌ヶ岳・夜交氏山城 序http://blogs.yahoo.co.jp/mei8812462/17963686.html
 
今回書くのは箱山城
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二年前に鴨・鎌へ登った時は、鴨への登りがきつく、とても箱山までも歩く力が残っていなかった。
二年の時を経て、完とすべく挑んできた。
※透けた写真は4月小境調査後移動したため結露有
 
 ケバは略し郭と堀切位置を地理院地図に書き込んだ箱山城概念図
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記事中の堀・郭名、測地は宮坂武男(2014)『信濃の山城と館8』、戎光祥出版に準拠する
 
箱山山頂を主郭とし、三方に派生する尾根を堀切で遮断、小さいが厳しい砦の様相を示す。
堀切で遮断と書いたが、それぞれルートも通り、尾根先方の出丸的郭とも連絡する。
尾根筋の様子は、ここでごっちゃごちゃ書かず、写真とともに辿りながらで紹介することとしよう。
 
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箱山峠の東から東尾根
東尾根からは南に岩が巨人の如く居並ぶ異様な尾根が派生する。
 
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ズーム
なんだあれは?
 小境を済ませ、勇躍箱山城へとり懸かろうと箱山峠へ着陣したが、その異様な姿と風の音に恐れを抱き、この日は撤退した。思えば、この日の恐れが、私の平成29年の漢字「岩」の始まりであった。
 

 
主郭
 
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主郭南西壁
南西は郭2を経て箱山峠に至る尾根で、壁下を堀アが遮断する。
 
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虎口様の凹みがあるが、どうか
 
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主郭から堀ア
 
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壁途中から堀ア
記事後部で箱山峠からここに至ります。
 
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堀ア南掘り下げ
 
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堀ア北掘り下げ
 
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標高695mの主郭
20×13ほどの台形をし、御岳社、浅間神社、霊神碑が並ぶ。
北辺は土塁の痕跡がある。三方の尾根は堀切るが、虎口からルートも通る。
 
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北辺
土塁痕跡と虎口。
 
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北尾根堀切ウ
 
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北 越後境眺望
 
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北東 高梨が退いた飯山方向
 
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無責任な写真だが、主郭東部
天水溜がある。
 
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天水溜
 
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主郭東辺から東尾根方向
 
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東尾根堀切イ
では、各尾根筋を堪能しようではないか。
 

                                        
 東尾根
 
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郭6
 
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郭6から主郭東辺
城に比してちゃっちい意味での砦はなく、小さくとも孤高に屹立する厳しい要塞の意味での砦の様相。
 
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壁下に郭7
 
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郭7
 
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郭7東辺
 
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東尾根
 
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攻め来る者への自然の障壁
 
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自然の造形芸術
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宮坂先生の記す矢穴の入った岩とはこのことか
 
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堀エ、その先に郭8
 
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郭8
東方の警戒拠点。
 
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天水溜のようにみえたが、宮坂先生は郭8の穴を石材を採ったあとと推測しているようだ。
 
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南東
この下にあの巨人居並ぶがごとき異界。
城としての利用はできなかったのではないか。
 
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ヶ岳、鎌ヶ岳眺望
 
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湯田中温泉眺望
 
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北東は堀オで守る
 
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斜から
 尾根先方向には、いい岩が胸壁となっている。
 上段郭8と堀岩胸壁とで二段陣地としても機能できたのではないか。とすれば天正期上杉による改修も考えることができるのではないか。
 
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岩を胸に充て尾根を睨む。
こともできる?
 

                                          
 北尾根
 
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主郭北虎口
主郭虎口下導線は堀ウ底(堀ウ写真は先掲)へ降りる。
 
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堀ウ底から主郭北壁
 
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北尾根
90mほど下る。
 
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やや小高く郭5
浅間社が座す。
 
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北下には削平段あり、北の防御点となっている
 

                      

南西尾根
 
登り口の案内を兼ねて箱山峠から
 
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箱山トンネル西側

 軽1台程度の駐車スペースがあるが駐車はやめた方が無難。東側旧耕作地あたりに駐車可能ではないか。東側から二度稜線上を目指したが、藪きつく断念し、この日は西側から歴史と展望の小道を歩き稜線上箱山峠へ至るを得た。

 
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箱山トンネル西側を右、鴨ヶ岳へ至る歴史と展望の小道を鴨ヶ岳方向へ。
獣結界フェンスを通過。
 
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箱山峠に至る
箱山トンネルから5分。
 
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箱山峠
 
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切通の東側、北に稜線上への道
攀じ登り気味に稜線上に出て、北へ登り進む。
 
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登るとここにも古道
切通以前の箱山峠か。
 
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北へ

 

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途中岩場を通過
2017「岩」の始り。
 
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霊験あり
 
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眺望もよく、信仰地なはず
 
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武田が来る方
 
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こんなのも
月生城にもあった。
 
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郭4か
 
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郭3か
箱山トンネルから17分。
 
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場を縫う
 
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郭3ー2間
ロープ伝い。
 
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郭2
 
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郭2の城内側北東区切りに石列あり
 
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防御構造か、信仰遺構か
 
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斜から
私は城戸に関連する構造と考える。
   
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石列付近から郭2
 
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石列から約30m登ると堀ア前の二段陣地に至る
 
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ア前上段陣地
 
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下段陣地
 
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主郭南西を守る堀ア(記事前部掲載)
箱山トンネルから30分。
 

 
 参考文献 宮坂武男(2014)『信濃の山城と館8』、戎光祥出版
 
おまけ
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本能寺の変後の天正に高梨が入った安源寺城から箱山・鴨ヶ岳城