久々利城後編 | えいきの修学旅行(令和編)

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後編では、本丸の後方郭(ローマ数字)から、北遮断堀切を楽しみ、西尾根X郭、下方区画へと辿ります。
 
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本丸の後方、土橋で郭Ⅰ・Ⅲとは、土橋で接続している。
 長瀬治義は『岐阜の山城ベスト50を歩く』のなかで、現地設置概要図で本丸とした郭(Ⅳ)、あるいはⅢが主郭であった可能性も記している。
 南東からの谷には郭Ⅴ、Ⅵを配し、守りを固めている。
 
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土橋で接続
 
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土橋南東下郭Ⅴは、谷防御のみならず、帯郭状に郭Ⅲ南下を巻く
 
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土橋を渡ると高所となる郭Ⅰ下で北尾根郭Ⅱ(左)と郭Ⅲ(右)に分岐する
先に郭Ⅲ、Ⅰを見てきます。
 
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郭Ⅲへ
 
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郭Ⅲ
 
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谷対岸、本丸(郭Ⅳ)を見る
本丸、土橋を監視することができ、こちら(郭Ⅲ)を主郭とすることもできそうだ。
 
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郭Ⅲ南下は郭Ⅴが帯郭状に巻き、守りを固めている
 
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郭Ⅲ北は、郭Ⅰが高く天守が如く守る
 
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郭Ⅰ
設置標柱では「天空見張郭跡」とある。
最上位居住スペースではなく、郭Ⅲ背後を守る機能であろう。
北東(右下)急壁、北は堀切で尾根を遮断。
 
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直下に郭Ⅲ
 
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北東は急壁
 
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北は尾根続き(細い)のため、堀切で遮断している
 
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うぃ
北堀遮断切。
左端は土橋。
右、北にちょいずれて竪堀。
北にもう一本堀って、二重としている。
 
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降りました
北尾根、二重堀切だが、完全遮断ではなく、土橋で郭Ⅱに接続。
 
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竪堀
といっても、傾斜きつく、回り込まれる心配はないのではないか。
城構造か?
 
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二重堀切間の小郭
後背を守る陣地になろう。
 
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私の記憶では二重目堀切なのだが、この先(北尾根)、概要図と記憶が一致していない…。
 
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垂直に近い
 
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記憶と概要図が一致しない高所…(すみません)
 
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この堀切が二重目堀切か(概要図と記憶が一致しない)
 
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これは郭Ⅱ
 
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東斜面には竪堀が三本
しかし、ここも急傾斜で、竪堀無くとも回り込みは不可能に思える。
どうやって掘ったの…。
 
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郭Ⅱ北の堀切
この堀切の北に、堀状溝構造が幾筋かあるが、この堀切が城域を区切る堀切であろう。
 
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東は急壁へ
堀切城内側壁面は、岩を使い堅固である。
 
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城内側壁面の岩
 
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西は谷側に竪堀状に降る
 
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 堀切の先、北尾根には構造が無く、左に分派する西尾根には堀状溝構造が幾筋かあり、尾根を降ると郭Ⅹへと至る
 
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西尾根側、堀状溝構造
防御構造か、疑問。
 
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竪堀なのか
 

 
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高所郭Ⅹから北の横堀状通路で下方郭に接続していたようだ。
郭Ⅺ、Ⅻは居館と思われるが、藪でよくわからない。
 
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西尾根上方の堀切
 
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郭Ⅹ後背の堀切
 
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尾根上から
左方は竪堀状、右方は横堀状通路構造。
 
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左方(南東谷側)は竪堀状
 
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右方(北)は横堀状通路
後ほど歩きます。
 
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郭Ⅹ
特別の造作はない。
 
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郭Ⅹから後背堀切
 
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横堀状通路を降る
 
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この辺りは歩き易い
 
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郭Ⅺの北西に至る
 
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郭Ⅺ
 
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溝の奥の区画が郭Ⅻか
 
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このあたりは、概要図のどこのにあたるのか、西尾根下方の郭群は、よくわからない
 
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虎口らしい構造もあるが、概要図の何処か、城構造か、不明
 
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出入口であろうか
 
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 西尾根下方郭群とは別に、可児郷土歴史館に隣接して、関ヶ原戦後、久々利村を含む4600石余を与えられた尾張徳川家家老千村氏の屋敷が構えられていた(現地設置説明板より)。
 
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 予定外で思いがけず踏み込んだ久々利城でしたが、迫力ある遺構が明瞭で、感動しました。
ふだんは、過酷なまでの城が多いのでですが、久々利城は歩き易く、艱難辛苦なし(西尾根・下方郭は困難有)に城跡を堪能することができ得をした気分です。
 また、整備された城では、遊歩道とルートとが一致しない場合があるのですが、久々利城はルートでしか城内に入ることができず、往時の攻城・登城、現代の散策が一致して体感できるという意味でも貴重な城跡だと感じました。
 
参考文献
 可児郷土歴史館設置「久々利城跡パンフレット」
 
 長瀬治義「久々利城」、三宅唯美・中井均編(2010)『岐阜の山城ベスト50を歩く』、サンライズ出版株式会社、pp.106-9
 千村氏屋敷跡説明板