典型的な、越中在地領主寺嶋氏の池田城、天正期越後上杉の樫ノ木城と紹介しました。
で、今度は、小城ですが織豊系武将の改修が推定できる新宮山城を紹介します。
新宮山城
越中西部と越中平野南部を繋ぐ位置にあり、繋ぎの城として機能したものと思います。
上写真の右端、熊野神社参道入り口から登ります。
上写真中央にも山頂主郭へ直に登る竪堀状の参道があります。
参道は城道ではなく破壊道のようです。
いざ。
参道登っていくと、左は、切岸が三重に構えられている。
参道破壊道が直進するが、参道左に並走する竪堀状のラインがルートで、鉤型に屈曲しあがったようだ。
この[状のルート虎口は、在地勢力、越後上杉には見られない普請で、切岸とあわせたプランとともに、織豊武将の改修を思わせる。
切岸線
ルートは右に
竪堀状ルート
折れ、参道の桝形に入ったようだ。
枡形
佐伯哲也『越中中世城郭図面集Ⅰ』では、桝形に二重の城戸を推定している。
上の段も桝形？
ここの出口も城戸の雰囲気はあるが破壊参道かもしれない。
とすると左に折れB郭に入ったと考えてよいのではないか。
奥は主郭北端
正面頭上から狙っている。
左はB郭
正面（左）に、三重切岸前面、桝形・城戸（手前）を横に、監視・迎撃を掛ける。
ルートはこのB郭を通過したのであろう。
で、桝形・城戸は正面主郭北端と左横B郭から狙われている。
おそらく破壊参道切口
主郭切岸したを回り込み主郭へ入る。
これは参道。
主郭へ
主郭には熊野神社が鎮座している。
左（東）は崖
さきの桝形・城戸右（西）の斜面
東よりも緩いが、主郭近くは斜度がさらに急になり、寄せることはできないであろう。
新宮山城主郭
社殿南には段差がある。土塁の痕跡、郭の区画であろうか、もしくは社殿造成に伴うものかもしれない。
社殿正面に、山下に直に降りる急な竪堀状の参道がある。
竪堀か
あまりに直すぎて、社殿造成時、物資を引き上げた搬入路に見えなくもない。
最初の全景写真に写っています。
参考文献 佐伯哲也『越中中世城郭図面集Ⅰ』