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分子栄養学のススメ

分子栄養学の確立者である三石巌によって設立された会社“メグビー”のブログです。

9月9日に発売される三石巌の新刊文庫の見本本が到着しました。

 

「タンパク質で免疫力を上げる  今こそ知りたいインターフェロンの効用」が祥伝社黄金文庫より発売されます。
1978年に講談社から「夢の新薬 インターフェロンの効用」として出版されましたが、その後絶版が続いておりました。
本書では、三石巌が提唱する高タンパク、メガビタミンが感染症に対しても有効であることを科学的根拠とともに解説しています。
感染症に対抗するためには、どうすれば良いのかという疑問に対して、少しでもお役に立てれば幸いです。
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「タンパク質で免疫力を上げる 今こそ知りたいインターフェロンの効用」
著者:三石巌
出版社:祥伝社黄金文庫
発売日:2022年9月9日
定価:770円(税込)
 
●高い免疫力を持ち続けるために! 
・ウイルスとは何か
・ウイルス感染の条件は
・ウイルスに占領された細胞の末路
・インターフェロンの発見と研究
・風邪とビタミンC 
・ガンへのわが挑戦
・メガビタミン主義者としての体験的ビタミン有効説
・高タンパク食
 
I 話題のインターフェロンとは――「夢の新薬」、「ノーベル賞もの」と評価される理由
II インターフェロンの発見と研究――日・英で発見され研究すでに二十余年
III ウイルスあってのインターフェロン――悪名高き「ウイルス」の正体とその行動
IV ビタミンCと結びつく?――メガビタミン主義の立場から大胆にアプローチ
V インターフェロン合成への仮説 -ウイルス依存でなく自前ではつくれないか?
VI ガンとインターフェロン -ガン=ウイルス説が否定された場合でも有効か?
VII ガンとビタミン――メガビタミン主義者としての体験的ビタミン有効説
 
Amazonでは、予約注文が可能です。

 

 

ウイルスへの感染を防ぐ機能がヒトの身体には備わっています。
ウイルスや細菌などの異物の侵入を防ぐバリア機能と、侵入した異物を排除する免疫システムです。異物の侵入を最前線で防ぐのが「喉のバリア機能」です。
 

■喉の構造

喉は、医学用語で「咽喉(いんこう)」といい、咽頭(いんとう)と喉頭(こうとう)の二つから構成されています。
また、鼻腔、咽頭、喉頭を「上気道」と呼びます。
喉は「呼吸」「嚥下」「発声」のほか「ウイルスや細菌の侵入を防ぐという大切な働きも担っています。
喉の粘膜はウイルスが吸着しないように「線毛」「粘液」「唾液」の働きによって守られています。

 

 

■ウイルスが侵入すると?

空気中には、ほこり・カビ・細菌・ウイルスなどの異物が含まれており、呼吸と一緒に吸い込んでいます。
気道の粘膜は「線毛」でおおわれ、その表面は「粘液」で保護されています。
侵入してきたウイルスや細菌などの異物は、気道をすすむうちに、この粘液にからめとられ、線毛によって無意識のうちに体外へ押し出します。

線毛は、粘液に浸りながら1秒間に15〜17回程度の速さで小刻みに動いて(線毛運動)、ウイルスなどが肺へ侵入しないように防いでいます。
線毛運動の快適な条件は、温度が35〜38℃、pHが6.8〜7.2と言われており、乾燥、寒冷、喫煙時や睡眠時には運動が抑制されます。
特に、乾燥によってその働きが弱まるとウイルスが体内に侵入しやすくなり、感染症を引き起こします。

■喉の痛みはなぜ起こる? 


ウイルスなどの病原体が侵入すると、喉の細胞が傷害され、身体はそれに対抗しようとして炎症反応を起こし、炎症物質(プロスタグランジン、ヒスタミン、プラジキニンなど)を産生します。
さらに、炎症物質が神経を刺激すると同時に、血管を広げて血流を増加させることで、喉の腫れや痛みを引き起こします。
つまり、喉が痛くなったり、赤く腫れたりするのは、白血球などの生体防御隊がウイルスと闘っている証拠なのです。
喉が潤っていると、喉の粘膜が外敵の侵入を防いでくれますが、乾燥していると外敵が侵入しやすくなり、炎症が起こります。


■咳や痰が出るのはなぜ?

 

気道の線毛運動などによって、異物が取り除かれないときに、「咳」が起こります。
異物が粘膜表面の異物感知装置に当たると、神経を介して信号が咳中枢(延髄)に送られ、「咳」が発生します。
その時、異物は「痰」として吐き出されます。
吐き出されない場合でも、咽頭へ押し出され、気づかない間に飲み込まれて胃に入り胃酸によって消毒されています。

※咳は、風速何百mにも及ぶジェット気流(気管内では秒速200~300m、口のすぐ外では秒速40mの台風なみ)で異物を「痰」として強制的にはきだしてしまおうという防御反応のひとつです。

※強い咳は1回約2kcalほど消費し、1分間に1回の割合で10時間続くと、約1,200kcalとなり、身体を消耗させる要因にもなります。
また、炎症が進むと、ウイルスと戦った白血球の死骸などが粘液に混じって、痰の粘り気が増し、さらに喉の線毛の働きが弱くなるので、痰がのどに絡みつくようになります。
 

そこで、ウイルスが体内に侵入するのを防ぐためには、「喉のバリア機能を高める」ことが重要です。

■喉のバリア機能を高める

 「タンパク質」「ビタミンA」
 

上記のように、喉は常にウイルス、細菌などにさらされています。
そのため、防御機能を備え持ち、多数の線毛の生えた粘膜で覆われています。
線毛は、モップのような働きをしており、空気とともに入ってきた病原体や異物は、粘膜から分泌される粘液(ねばねばした液体)に絡め取られ、さら絡め取った物質を線毛が運び体外へ排出しています。

線毛は良質タンパクで合成されるため、良質タンパクの不足は、線毛機能の低下=防御機能の低下を引き起こします。

さらに、粘液の分泌や線毛の土台部分になっているのは粘膜のため、粘膜の構成成分である良質タンパク、ビタミンA、ミネラル(亜鉛)などの摂取は重要です。

特に、タンパク質とビタミンAは、喉の粘膜を強化するために欠かせません。

さらに、粘膜表面を粘液でしっかりとコーティングするためにはレシチンが必要です。
※レシチンは卵黄や大豆製品に含まれています。

また、喉に何らかの炎症が起こっている場合は、活性酸素の発生量が多くなりますので、ビタミンC、ビタミンE、植物ポリフェノール、ベータカロチンなどの抗酸化成分の強化も必要となります。


さらに、ウイルスの侵入を阻む「線毛」の弱点の一つが乾燥です。
こまめに水分を摂ることで、線毛が潤って動きが良くなります。
手洗いやうがいもウイルスを取り込まないという意味で必要ですが、水分補給で身体の中から潤すことがとても大切です。