リンパを流すメリットとは | 分子栄養学のススメ

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分子栄養学の確立者である三石巌によって設立された会社“メグビー”のブログです。

リンパマッサージやリンパケアという言葉は日常でもよく聞く言葉になっていますが、『リンパ』とはどのようなものなのか知っていますか?
私たちの身体には血管が全身に張り巡らされていますが、リンパ管も全身に張り巡らされています。
リンパの働きをよく知ると、今日からの身体のケアがより効率的になるかもしれません。

イラスト:コトバンク【リンパ系の構造とはたらき】より

リンパとは


リンパの主な働きは細胞と細胞の間にある余分な組織液を回収し、血管に戻すことです。
足がむくんでいるときにリンパマッサージをするとむくみが改善される経験をされた方もいらっしゃると思います。
むくみは血管から出た余分な水分が細胞と細胞の間に溜まってしまっている状態です。リンパマッサージを行うことで余分な水分を血液に戻すことができます。


末端のリンパ管である毛細リンパ管は細胞同士の結びつきがゆるく、隙間があるので、水分などの組織液だけでなく、血管に入れないタンパク質などの高分子も運ぶこともできます。
また、リンパ球などの免疫細胞の移動などにも使われています。
 

リンパの通り道『リンパ管』とは

 

血液が流れる管は血管ですが、リンパが流れる管はリンパ管と呼ばれています。
血管は心臓から出て組織を経て心臓に戻ってくるというように、心臓を中心に身体の中を循環しています。
しかし、リンパ管は一方通行の構造になっています。
リンパ管は皮膚など末端の組織で毛細リンパ管として始まりますが、その始まりは閉じられており、どの組織ともつながっていません。

イラスト:Medical Note HPより

 

細くて網目状の毛細リンパ管が集まって合流しながら太くなっていき、最後は胸管(左リンパ胸管)、右胸管(右リンパ本幹)と呼ばれる2本にまとまって、静脈に注ぎます。
毛細リンパ管にはありませんが、リンパ管には半月弁があるため、基本的には逆流することはありません。
血液は心臓という強力なポンプによって流れますが、リンパ管にはそのような大きなポンプがありません。そのため、人の動きとともに起こる筋肉の収縮、弛緩によって生じる圧力、呼吸によって生じる胸の中の圧力の変化、身体の外からのマッサージ刺激などがリンパ液を流す助けとなります。その圧力は弱く、血液と比べるとリンパ液の流れるスピードはゆっくりです。流れる速さも一定ではありません。

イラスト:リンパ管疾患情報ステーションより

リンパ節の働き


リンパ管をたどると、ところどころにリンパ節があります。リンパ節はそら豆のような形で成人の身体には650個ほどあるとされています。
リンパ節には、リンパ球、マクロファージなどの免疫細胞が集まっており、リンパ球はリンパ管の中を流れながら、全身を巡り、細菌などの異物に備えています。異物の侵入を確認すると、血液循環系へ侵入しないように、リンパ節の免疫細胞が戦います。リンパ節はリンパのろ過装置と言われており、リンパ液中の異物や細菌や古くなったリンパ球などを取り除きます。
風邪をひくと耳の下のリンパ節が腫れることがありますが、リンパ節の中でリンパ球が増えて、細菌と戦うために起こる現象です。



三石巌とマッサージ


三石は身体のメンテナンスとしてリンパマッサージや野口体操、指圧などを取り入れた独自の林式運動法を考案した林スズエさんのマッサージを定期的に受けていました。
また、坐骨神経痛で伝い歩きしかできない状態であってもマッサージを受ければ、立って動けるようになり、北海道での特別講義をこなしたことがあるというほど、マッサージは三石の健康への寄与が大きいと文章にも残しています。

 

 

リンパを流すためにはマッサージも大切ですが、日頃からの栄養対策が重要です。
身体の機能を正常に近づけていくためには、良質タンパク、ビタミンB群、ビタミンC、ビタミンA、ビタミンE、ミネラル、植物ポリフェノールなどの栄養素を不足が無いように摂取することが大切です。