低血圧は、夏に注意が必要 | 分子栄養学のススメ

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分子栄養学の確立者である三石巌によって設立された会社“メグビー”のブログです。

夏バテといわれる症状は、体がだるい、食欲がない、頭痛がする、めまいや立ちくらみがするなど、様々です。

 

これらの症状は、更年期の不定愁訴やストレスの影響などがその原因になることがありますが、低血圧の症状も、これに似ています。

 

低血圧は、朝に強く出ることが多く、朝起きるのがつらいなど、特に午前中の生活に支障をきたします。

また、季節ではに症状が出やすく、食欲不振になると夏バテし易くなります。

 

外気温が高いと、末梢血管が拡張するため血圧が低下します。

加えて、夏季には汗をかくことによって、循環血流量が減少することも血圧が下がる要因となります。

そのため、水分の補給はもちろんですが、ナトリウムやカリウムなどの電解質も不足しないように注意する必要があります。

 

●低血圧の種類

 

高血圧と比較して、低血圧には明確な基準がありませんが、一般には、最高血圧 (心筋の収縮期)が 100mmHgより小さい時を目安にしています。

 

低血圧も高血圧と同じく、体質的なものと、原因となる疾患があるものとがあります。

 

慢性的に低血圧が続き、外的要因が思い当たらない場合は、体質や遺伝的な要因である本態性低血圧と考えられます。

本態性という語は、医学的に明らかな原因はないことを指しています。

 

また一過性のものとして立ちくらみといわれる起立性低血圧症もあります。

立ち上がったとき、重力によって下半身に血液がとどまろうとするので、静脈から心臓へ還る血流が減少し、そのため収縮期血圧は20mmHgほど低くなります。

 

このような状態の時、交感神経は、ノルアドレナリンを放出して、静脈を刺激して血液還流を促し、心筋に対しては拍出量を増加させ、細動脈には収縮を命じます。

細動脈は、交感神経支配を受けており、血圧の調節に重要な役割を果たし、抵抗血管ともいわれます。

 

通常は、数十秒で元の血圧に戻りますが、低血圧症の人では、動脈がすばやく反応せず、その収縮の力も強くないため、血圧の回復が遅れ、立ちくらみや失神などを起こすと考えられています。

 

●高齢者の3人に1人は低血圧

 

加齢によって高血圧が起こり易いことは広く知られていますが、実際には、血圧が低くなる人が少なくないことも分かっています。

これは、血圧調節役の自律神経系で、交感神経の作用が鈍ってくることなどが原因です。

また脳への血流が減少すると、低血圧症状が起こり易くなってきます。

 

特に、立ちくらみやめまいといった症状は、転倒や思わぬ怪我につながることもあります。

低血圧が起きやすいタイミングや予防方法について、知っておくことが大切です。

 

日常生活では、急に立ち上がらないように日頃から注意したり、食事では、一度に多く食べないことや食後に安静を保つことなどが挙げられます。

 

食後は食べた物を消化・吸収するため、血液が胃や腸などに集まり、脳への血流が減少します。

通常は、自律神経が働き、血圧や心拍数を上げて、血液の循環を調節しますが、この機能が上手く働かない場合は、血圧が低下し、食事性低血圧が生じます。

 

 

●血圧と栄養対策

 

低血圧の人には、一般的に、規則正しい生活、起床はゆっくりと、積極的に運動をする、などの指導が行われます。

 

栄養面での対策としては、高タンパク食を土台にした、フィードバックビタミン・ミネラルの摂取が欠かせません。

フィードバックとは、元々は工学の用語ですが、電化製品の自動制御のように、体にもフィードバック的に調整される仕組みがあり、生体の基本原則の一つとなっています。

 

このシステムがなかったら、血圧や血糖値、体液をはじめとする、体の恒常性(ホメオスタシス)を保つことはできません。

 

生体のフィードバックはコーディングによって可能となります。

コーディングとは、遺伝情報を解読してタンパク質を作る過程をいいます。

三石巌は、このコーディングに関わるビタミンやミネラル群を、フィードバックの基本に置くという意味で、フィードバックビタミン・ミネラルと呼びました。

 

体全体の代謝を正常に行うため、言い換えれば、生体のフィードバックがスムーズに行くように、良質タンパク、ビタミン、ミネラルに不足があってはなりません。

 

木で例えると、基礎となる土壌・根・幹は無視して、葉に栄養を与えても、その木は枯れてしまいます。

 

体本来の仕組みを活かした栄養対策が、まずは基本となります。