疲労の正体とは?その対策について | 分子栄養学のススメ

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分子栄養学の確立者である三石巌によって設立された会社“メグビー”のブログです。

■疲労は生体アラーム

身体がだるい、寝ても疲れが取れない・・・そんな症状はありませんか?
疲れは誰にでも起こる生理現象です。
通常は一晩の睡眠や2~3日の休息によって回復します。
ところが慢性的な疲労が重なると、いくら休んでも回復しない状態が続きます。
疲労は、「発熱」や「痛み」とともに3大生体アラームと呼ばれ、身体のホメオスタシス(恒常性)の乱れを知らせる重要な警報信号の一つと言われています。


■疲労度チェック

疲労には、⾝体的疲労と精神的疲労があります。疲労度をチェックしてみましょう。

 

全くない(0点)、少しある(1点)、まあまあある(2点)、かなりある(3点)、非常に強い (4点)

 

文部科学省生活者ニーズ対応研究「疲労および疲労感の分子・神経メカニズムとその防御に関する研究」(2005年、倉恒弘彦)より抜粋。

 

■疲労はどうして起こるの?

疲労は、生活環境のストレスが引き金になります。
①精神的ストレス(人間関係の軋轢など)
②身体的ストトレス(長時間残業、過度の運動など)
③物理的ストレス(紫外線、騒音、温熱環境など)
④化学的ストレス(ホルムアルデヒドなどの化学物質など)
⑤生物学的ストレス(ウイルス、細菌、寄生虫など)
これらの要因が複合的に絡み合い、神経系、免疫系、内分泌系のバランスが乱れ、疲労につながると考えられています。

 

■疲労が蓄積するメカニズム

 

■疲労の正体は活性酸素

疲労の原因は、活性酸素による酸化ストレスで、神経細胞が破壊されるからであると考えられています。
前述のとおり、疲労は、身体のホメオスタシス(恒常性)が乱れているという生体のアラームですが、ストレスや疲労により体内で活性酸素が過剰に作られると、細胞膜や細胞内のタンパク質が損傷されます。

通常であれば、体内で活性酸素除去酵素(SOD)が合成されて、活性酸素を除去するため問題となりませんが、活性酸素の発生量の増加や加齢やストレスなどによりSODの合成機能が低下した場合、SOD(活性酸素を除去する能力)よりも活性酸素の発生量が上回ってしまい、余ってしまった活性酸素は正常細胞や遺伝子(DNA)に傷害を与えてしまいます。

そこで、抗酸化成分の摂取が非常に重要となります。

 

■疲労回復に必要な栄養素

・活性酸素除去

活性酸素の除去には、ビタミンC、ビタミンE、植物ポリフェノール、コエンザイムQ10、イチョウ緑葉エキスなどの抗酸化成分が必要です。


・エネルギー産生

エネルギー不足では、疲労を加速させますので、エネルギー作りに必要な糖質、良質タンパク、ビタミンB群、ビタミンC、コエンザイムQ10、ミネラル(カルシウム、マグネシウム、亜鉛など)などを十分に補給することが必要です。


・免疫の強化

疲労が蓄積すると免疫も低下します。
免疫を高めるためには、良質タンパク、ビタミンA、ビタミンB群、ビタミンC、ビタミンD、ミネラル(亜鉛、鉄、セレンなど)などの栄養素の摂取が欠かせません。

 

■疲労回復のための対策

・睡眠
詳しくは、こちらをご覧ください。
コロナ禍における“質の良い睡眠”について | 分子栄養学のススメ (ameblo.jp)

・適度な運動
・入浴

入浴の効果はお湯の温度によっても違います。
42度以上の高温浴は、交感神経系の活動を高めて新陳代謝も促進され、抑うつ状態の改善や意欲の向上などの疲労回復効果が期待できます。
一方、39度以下の比較的ぬるめの入浴では副交感神経系の活動が高まり、リラックス効果が期待できます。
さらに、ぬるめの入浴では睡眠誘発効果も期待できます。
比較的ぬるめのお湯にゆったりとつかると、身体の深部体温が38度程度まで上昇しますが、入浴後に体温が下がり始めると眠気を誘発するといわれています。

※三石巌がお風呂で行っていたアイソメトリックスを実践していただくこともおすすめです。