ビタミンAは何からとれるか | 分子栄養学のススメ

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分子栄養学の確立者である三石巌によって設立された会社“メグビー”のブログです。

三石巌の書籍で、現在絶版して読むことができない物の中から、その内容を少しずつですが皆様にご紹介させていただきます。

 

ビタミンAは何からとれるか

 ビタミンAをふくむ食品として有力なものは、卵、バター、ニンジン、ホウレンソウなどである。ただし、あとの二つはカロチンという名のオレンジ色の色素である。
 からだにはいったカロチンは、小腸壁で分解し、二分子のビタミンAとなる。これらの食品でビタミンAを補給するとなると、卵なら4個、バターなら1/6ポンド、ニンジンなら50グラム、ホウレンソウなら80グラム、ということになる。これだけとっていない人は、ビタミンAの欠乏症に見舞われる。
 タラの肝油は昔から栄養になるとされてきた。やがてその有効成分がビタミンAであることがつきとめられたのであった。いまから20年あまり前に、ビタミンAの合成品があらわれ、タラの肝油を大幅に駆遂した。
 肝油の名のもとに売られる商品も、大部分は合成品といってよい。ビタミンAの副作用も、合成品によって確かめられたものである。
 ビタミンAの名で総括される化学物質は、立体構造上20種類ほどの異なった分子をかかえている。天然のビタミンAは、体内でその構造を変えて働く。ビタミンAの過剰摂取の害がよくいわれるが、これが現実のものになるのは、低タンパク食の場合にかぎる。
 天然のビタミンAは、タラのたぐいの魚の肝油から抽出する。この作業で収率をあげるためには、化学物質の添加が効果的である。そうしてつくったビタミンAは、メチル基かパルミチン酸基が付加されているので、純正品に比べて活性が低い。

〔三石巌全業績−11 健康ものしり事典(絶版)P182より抜粋〕