三石巌の書籍で、現在絶版して読むことができない物の中から、その内容を少しずつですが皆様にご紹介させていただきます。
風邪は予防できるか
風邪をひくと、まず、鼻かのどがおかしくなる。いわゆる「上気道」の粘膜が感染したのだ。
ところで、上気管の粘膜にはいつも細菌が寄生している。いわゆる「常在菌」だ。細菌ばかりではなく、ウイルスやマイコプラズマもいるかもしれない。マイコプラズマは、風邪に乗じて増殖する単細胞動物(原虫)である。
これらの微生物が、異常増殖をおこせば、風邪ということになる。ところが、ふだんそれは抑制されているのだ。抑制の条件は、上気道に分布する血管に十分な血液が流れていることである。
寒い空気にさらされて粘膜が急にひえると、血管が細くなって血行がにぶる。粘膜が健全なら、血行はまもなく回復し、微生物抑制の条件は整うが、それができないとなると、ふつうはウイルスが風邪の引き金をひく。このとき、マイコプラズマが参加する場合もある。細菌はあとから登場する場合が多い。
ウイルス面から風邪の予防を考えると、まず、インターフェロンが頭に浮かぶ。そこで、高タンパク食とビタミンCに焦点が合ってくる。粘膜を正常化するためのビタミンAがあれば、鬼に金棒というところだろう。
〔三石巌全業績−11 健康ものしり事典(絶版)P36より抜粋〕