動脈硬化とは何か | 分子栄養学のススメ

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分子栄養学の確立者である三石巌によって設立された会社“メグビー”のブログです。

三石巌の書籍で、現在絶版して読むことができない物の中から、その内容を少しずつですが皆様にご紹介させていただきます。

 

動脈硬化とは何か

 動脈硬化とは、その名のとおり、動脈が硬くなることである。硬くなれば丈夫になると思ったらまちがい、もろくなるのである。もっとも、動脈には太いものと細いものとがある。太いものの硬化は局部的におこる「粥状硬化」であり、細小動脈の硬化は全般的におこる肥厚である。

 粥状硬化をおこした部位には「粥状隆起」(アテローム)という名の、こぶのような隆起ができ、それが血管の内腔をせばめている。アテロームの原因は突然変異のようである。動脈の壁には平滑筋という筋肉層があるが、アテロームには平滑筋繊維の異常増殖がみられる。この異常増殖は突然変異からくる、と考えられるのだ。

 発達したアテロームの内部には、コレステロールの結晶が点在している。血中コレステロールが隆起を通過して血管の外に出ることができず、そこで結晶化したと考えられる。

 コレステロールはアテロームの原因ではない、と考えるのが正しいようだ。細小動脈の肥厚は高血圧からくる。高い血圧にたえるように、血管壁が厚くなったのであろう。肥厚があれば、血管の弾力は低下し、内腔はせばまり、高血圧を定着させる。

 

〔三石巌全業績−11 健康ものしり事典(絶版)P75より抜粋〕