3 遺伝子の秘密 〜健康管理は細胞がポイント!?〜 | 分子栄養学のススメ

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分子栄養学の確立者である三石巌によって設立された会社“メグビー”のブログです。

 同年の友だちがだれももっていない白内障という病気を、どうしてボクがもっているか、がここでの疑問だ。

 親の目がわるけりゃ子の目もわるい。それだけのことじゃないかなんていうことだったらむかしの人間の頭だ。今の人間の頭はもうすこし進んでいるはずじゃないかな。

 クリスマスがちかづくとモミの木がでてくる。このあいだアメリカの農園でそれをそだてている風景がテレビにでてきた。ボクはびっくりした。木振りがみごとにそろっているんだ。せたけも形もみんなウリフタツだ。こんなことはもうすたれたようだが、つべこべいわなくたって意味はわかるだろう。

 解説があったかどうかわすれたが、これは木振りのいいモミの木のクローンなんだ。クローンていうのは近ごろはやりのバイオのキーワードだ。こういうものを知っておくのも損じゃないはずだ。

 ランの花はすこしまえまではねだんがたかくてやたらに手にはいるものじゃなかった。それが、いまはけっこう手ごろな値で売っている。それはバイオっていう新しい技術のおかげだってことは、花屋でなくたって知ってる人がいる。このランがクローンなんだ。アメリカの農園のモミの木とおなじだ。

 ランでもモミでも種でふやすのがありきたりのやりかただ。クローンは違う。冗談にアインシュタインのクローンをたくさんつくったらどうかなんてことが話題になったことがある。

 キミははこれを脱線だとおもうだろう。どっこいそれは認識不足だ。ボクの健康管理学は分子生物学からでている。クローンも分子生物学からでているんだ。

 分子生物学のトップキーワードはDNAだ。それを遺伝子といっていいことにする。先週、設計図ってことばがでてきた。DNAは生命の設計図だなんていわれる。それでボクは設計図ってことばをだしたんだ。

 植物でも動物でも、そのからだは細胞からできている。よけいなことかもしれないが、これはサイボウではなくてサイホウだ。

 すべての細胞には同じDNAがおさまっている。全身の設計図がおさまっている。種子や卵子とおなじだ。だから、種子や卵子から一人前の生物がでてくるのなら、どこかひとつの細胞をそだてても一人前の子ができあがるはずじゃないか。クローンがそれだ。

 血管網の話がクローンに飛んだのはなぜかって。ボクは大風呂敷をひろげているんだ。

 

本原稿は、1994年1月21日に産経新聞に連載された、三石巌が書き下ろした文章です。