三石巌の書籍で、現在絶版して読むことができない物の中から、その内容を少しずつですが皆様にご紹介させていただきます。
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関節のところでは、二本の長骨が骨端を向き合わせている。
その骨端の骨細胞のなかにもリゾゾームはある。
何かの原因で、そのリゾゾームの膜が破れたとしよう。
すると、リゾゾーム酵素が外にでてくる。リゾゾーム酵素は、さまざまな酸性分解酵素である。ということは、酸性の環境において、タンパク質、脂質、糖質を初めとするもろもろの物質を、それが分解し溶解する
ことができる、ということだ。
もし、細胞の内部が酸性化しているとき、リゾゾーム膜が破れれば、その細胞はもちろん、周囲の組織もとけてしまうだろう。
この溶解液がつまり、関節に水としてたまることになる。
リゾゾーム酵素の作用で、細胞内もしくはその周囲にあったタンパク質がちぎれて、短いアミノ酸のくさりをつくれば、それが、「痛み物質」キニンになる可能性がある。
キニンは、アミノ酸八個ないし十一個つないだ短いくさり状分子である。
このキニンが、関節痛の原因だろう。
関節痛は、「変形性関節症」にも、「リウマチ」にも、「慢性関節リウマチ」にもついてまわる。
これを防ぐには、リゾゾーム膜の保護、キニンの捕捉などを考えればよい。
(全業績-11 健康ものしり事典 P69より抜粋)