結局、食べちゃいけないのは、ボクからすればマーガリンとショートニングだけだ。
このふたつの不飽和脂肪酸の共通点は、不飽和のもとになっている炭素の二重結合がオールシス型ではないところにある。これは硬化油の特徴なのだ。
硬化油とは水素をくっつけて、液体の油を固体にちかづける加工をした油のことだ。
「硬化」はその意味なのだ。
二重結合にはシス型、トランス型のふたつの立体形がある。
二重結合のすべてがシス型ならばオールシスということだ。
天然の脂肪酸は、ナタネ油とサバ油以外はすべてオールシスなんだ。
それでないとプロスタグランディンの原料になれないんだ。
サラダ油にも硬化油をふくむものがある。
ショートニングはパンだけでなく、ケーキにもスナック菓子にもふくまれているものがある。
これも本当に食べちゃいけない。
ボクは食わない。
〔一九〇一年生まれ、九十二歳ボクは現役。(絶版)P206 より〕