ヒトの身体は、体内外ともにさまざまな種類の常在菌が住み着いていて、バランスを保ちながらうまく共存しています
しかし、これらが何らかの影響でバランスを崩すと、感染症を引きおこすことがあります。
(普段は感染しないなんでもない菌に感染してしまうのです)
口腔内も同じで、何種類もの常在菌が住み着いています。
これが除去できずにいると、プラーク(歯垢)が形成され、細菌の増殖が進み、感染へと発展してしまいます
さらに、感染によって慢性的な炎症が生じてくると悪玉菌が増殖してきます
この菌は、強力なタンパク分解酵素を分泌するため、タンパク質で構成されている歯周組織は破壊され、歯肉炎や歯槽膿漏などの歯周病を引きおこし、最終的には歯がなくなってしまいます
これらの常在菌は、いつでも悪さをするわけではなく、生活習慣、ストレス、栄養、遺伝的要因、加齢、疾患、薬物などの影響によって、感染し悪影響を与えてしまうのです!
そのような場合、生体側の条件としては、一般的な対策と同様、ブラッシングなどによるプラークコントロールが基本になります。
その他、生活習慣の改善(禁煙、抗ストレスなど)も必要です。
中でも、弊社では栄養条件を重要視しています
歯周病を起こす1つの要因に加齢による身体の変化があげられます。
それは、酵素合成能力の低下、免疫力の低下、ホルモンバランスの乱れなどが影響して、さまざまな機能が低下しまうのです。
このことを考慮すると、栄養条件を高めることは非常に重要なことだといえます。
[栄養対策]
■組織の強化
(良質タンパク、ビタミンA、ビタミンB群、ビタミンC、亜鉛、ヘム鉄)
歯周病菌の住み家となる歯茎は、コラーゲンや粘膜組織で構成されており、これが歯と歯周組織を結びつける重要な役割を果たしています。
この組織が弱くなると、歯茎がやせて歯周ポケットが深くなり、歯周病に陥りやすくなるだけでなく、本来必要な歯みがきなどのケアも、組織に傷害を負うリスクとなってしまいます。丈夫な組織をつくっていくことは、歯周病菌対策とともにケアの効果を高めることにも繋がります。
■炎症対策
(ビタミンC、ビタミンE、コエンザイムQ10、植物ポリフェノール)
歯周組織には、炎症が起こった際に発生する活性酸素を除去するために必要な酵素(SOD)やコエンザイムQ10が局在しています。しかし、これらは加齢とともに合成能力が低下してしまうことから、歯周病は年齢の高い方に多く見られます。
体内で合成できなくなる分は、外から十分に取り入れて対策しましょう。
※コエンザイムQ10の効用に歯周病の改善があります。
■免疫力のUP
(良質タンパク、ビタミンA、亜鉛、セレン)
歯周病菌は、上記のSODとともに、免疫細胞によっても害のないように対処されています。
そのため、免疫力が低下すると歯周病が悪化しやすくなりますので、十分な対策が重要です。
■女性ホルモンとカルシウム代謝の調整
(ビタミンE、カルシウム、マグネシウム、ビタミンD、ビタミンK)
女性ホルモンの分泌量が低下すると、カルシウム代謝に影響を与え、歯や骨などが弱くなりやすくなります。歯周組織の1つである歯槽骨などもその影響を受けてしまうと、弱って、歯周病菌に侵されやすくなります。
■生活面でのリスク
・喫煙
(タバコに含まれる物質は歯周病菌のバランスを乱すため、禁煙が勧められています。)
・ストレス過多
(ストレスは、身体の正常な働きを低下させます。)
・ドライマウス
(唾液中には、免疫細胞が含まれており、これによって口腔内が整えられています。)
・疾患
(糖尿病や自己免疫疾患、ガンなどは、免疫力を低下させる要素を持っており、疾患のコントロールも大事になります。)
歯周病は、一番患者数の多い疾患としてギネスにも認定されているほどに、身近な病態です
その問題は、口腔内だけにとどまらず、これだけ全身にも影響しているとなると、積極的に捉えていくべき問題だと思います
弊社のお客様にも、歯科医師をされている方がおられますが、やはり専門家の中でも口腔ケアに栄養対策を組み込んでいるところが増えてきております。
私の通う、歯科医院でもサプリメント外来を行っています
一般的な対策(プラークコントロール、生活習慣の改善など)についてはよく指導がありますが、栄養素での対策はあまり目にすることはなかったのではないでしょうか?
私たちにとって、必要な栄養素を摂りいれる第一の部分であるのが口です。
いつまでも、自分の口からおいしく食べられるように、大事にしていきたいですね
(参考)