コレステロールをどう考える?? | 分子栄養学のススメ

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分子栄養学の確立者である三石巌によって設立された会社“メグビー”のブログです。






コレステロールにおいて、『動脈硬化のリスクとなるので下げろ!』、『多いほうが長生きするので下げるな!』などと、極端な意見が飛び交っていますねとほほ



このコレステロール論争は、まだ終わりを見せず、多くの人々に混乱をもたらし、医療従事者もやり難い状況が続いていることでしょう。。




このような中で、中立的な立場にいる臨床研究適正評価教育機構(J-CLWAR)では、コレステロール論争に対する見解として「個々の危険因子や性差を考慮した基準づくりが必要」と提示しています。 


■メグビーではどう考える?
(Point1)コレステロールは、細胞膜やニューロンの髄鞘の構成成分という重要な脂質であり、また胆汁、性ホルモン、副腎皮質ホルモン、ビタミンDの原料という役割もあることから、身体にとって必要不可欠な成分です。


一般的にコレステロールは、善玉と悪玉などと言われて分けられていますが、
悪玉コレステロール(LDL)肝臓で作られたコレステロールを末梢組織に運ぶ役割
善玉コレステロール(HDL)末梢組織で余ったコレステロールを回収して肝臓に戻す役割
など、どちらも生体内では重要な働きをしています


(Point2)LDLが悪玉と呼ばれる理由は、血管に傷がつくそこに酸化LDLが入り込む免疫反応によってプラークが形成その結果動脈硬化を引きおこしてしまうためです。


(Point3)コレステロールは、肝臓で7~8割合成されるといわれ、その材料となるのが、糖質や脂質です。そのことから、食事由来のコレステロールの影響は2~3割程度であり、少し摂りすぎてしまった場合も、フィードバックによって肝臓での合成が調節されるため、高くなることはありません。


Point1~3を見ていただくとわかるとおり、身体に必要不可欠なものであることから、不足しないように体内で大半が合成されており(不要なものをわざわざ合成しているわけではない)、リスクとなるのは、血管への傷害と酸化が伴った場合です。



このことを踏まえて、コレステロール値が高かった場合、どうしますか?

医療機関では、スタチンによる服薬コントロールを中心とし、加えてコレステロール制限食による指導が一般的です病院


ただ、コレステロール値を下げる下げないに関係なく、血管が傷つき、酸化LDLが増えると、動脈硬化のリスクは上昇します。

(服薬でコレステロール値をコントロールしても7割の方が動脈硬化を発症したというデータもあります。)

このことから、メグビーでは、どの方法を選ぶかではなく、根本的な対策を取り入れていくことの大切さをお話ししているのですshokopon



《コレステロール対策》

・代謝の正常化(良質タンパク、B群、C、ミネラル)
7~8割体内で合成されるコレステロールが異常値を示す場合、体内合成の代謝異常によって引き起こっていることが予想できます。

・血管強化(良質タンパク、ビタミンA、B群、C、ミネラル)
血管を強化することで、血管への傷害も予防でき、動脈硬化のリスクを軽減できます。


・酸化防止(ビタミンC、ビタミンE、コエンザイムQ10、植物ポリフェノール、セレン)
LDLは、酸化しなければ問題とならず、むしろ身体に必要不可欠な成分です。

・脂質代謝の強化(レシチン、EPA、DHA、ニコチン酸)
特に、ニコチン酸EPAは相関が強く、脂質異常症治療薬としても処方されています。

・食事での注意
コレステロールの合成材料となる糖質、脂質は、過剰にならないように注意しましょう。中でも、トランス脂肪酸(マーガリン、ショートニング)の過剰摂取が大きなリスクとなるので、摂取しないように薦められています。


・適度な運動
運動は、血流量の増加、脂質代謝に関わる酵素の活性、代謝を向上させるなどの効果があり、それによって体内で余ったLDLの回収役であるHDLを増大させます

・生活習慣の見直し
高コレステロール血症は、生活習慣病の1つですので、生活習慣を見直すことが大事だと思います。(食事内容、生活リズム、喫煙、飲酒、過体重、運動不足、冷えなど)




服薬については、医師が判断することですが、現段階では、国で定められた基準を超えれば、服薬が必要という流れができている印象です。

ただ、どのステージ(年齢、体格、性別など)においても基準値が同じというのは、正確に評価できないのではないか?という疑問が湧きます。

文頭でお話ししたように、下記のような個々の危険因子や性差を考慮した基準が出来れば、本当に薬が必要な人、不必要な人がもう少し分かりやすくなるのかもしれないですね。

<体質、家族歴>家族性脂質異常症などがあるとハイリスク。
<疾患の合併>糖尿病や高血圧などの合併は血管が障害されやすい。
<コレステロールの割合>HDLが40未満だとハイリスク。

<性差>女性は動脈硬化のリスクが低いと言われている。 など



医師は、非常にハードなスケジュールの中で業務を進めているので、このようなことを考慮して一人ひとりに対応するということには限界があるのだと思います医者汗

そして、自分で判断することは、場合によっては危険リスクを伴うこともありますし、もちろんメグビーで判断することもできません。

そうであれば、やはり医師が判断する基準となる値を、見直し、統一していくことが一番現実的であり一般にも分かりやすく正確な判断ができる方法なのではないでしょうか。


ただ、どちらにしても、栄養対策を取り入れることはリスクを減らし、大きな安心を得ることにも繋がりますし、トータル的なケアにも繋がります。

数値が高いから対策しなくては!低いから何もしなくても安心!ではなく、コレステロールのメリット・デメリット、身体のネットワークやシステムなどを含めて考えてみると、今自分に必要な対策が明確になるのではないでしょうか


今一度、ご自分の問題として捉えてみてくださいチューリップ。B