心理に対する考え方
生活者である人間の主体は、肉体であり精神である。
その肉体は精神に影響をおよぼし、精神は肉体に影響をおよぼしている。
この関係において、精神が肉体の上位にあるのがわれわれ人間の特徴である。
精神とは、大脳の高等な活動の総和をさしている。
人間において、精神が肉体の上位にあるのは、その大脳が、他の動物にくらべて格段の発達をとげていることによる。
大脳はさまざまな活動をするものであって、その内容は、知覚や条件反射のような下等なものから、想像や思考のような高等なものにまでおよんでいる。
これらをひっくるめて心理現象とすることができる。
心理現象は、人間のあらゆる活動の母体である。
したがって、心理現象の特性を無視して生活を論じることは出来ないと考えてよい。