前回、骨(骨密度)を強化することについてお話しました。
しかし、骨密度が高いにも限らず
骨折するケースがよく見られるようです
その原因は、骨質にあると言われています。
骨質とは、前回お話ししたコラーゲンの部分を指します!!
(建物でいう骨組み部分)
骨の土台となるコラーゲン線維は、
バラバラにならないように隣接するコラーゲン同士結合し、架橋を作ります。
このコラーゲン架橋の状態によって、
骨の質が決まります。
コラーゲン架橋は2つに分類されています。
■生理的架橋(善玉架橋)
遺伝情報に基づき酵素反応を介して形成され、コラーゲン線維の強度を高めます。
■非生理的架橋(悪玉架橋):AGEs架橋
酵素反応を介さず、糖化や酸化などにより形成され、コラーゲン線維を脆弱化させます。
生理的架橋は、遺伝情報に基づいて秩序を保ちながら形成されるので、過剰形成されることはありません。
しかし、非生理的架橋は、老化や疾患(糖尿病、腎障害など)に関わりのある後期反応性生成物(AGEs)によるAGEs架橋(※ペントシジン)によるものであり、糖化・酸化により時間依存的に形成され、過剰に形成される恐れがあるのです。
過剰に形成されたAGEs架橋は、コラーゲン線維の適度な弾力を失わせて固く脆弱化させてしまうことで、骨折のリスクが高くなってしまうのです。
(※ペントシジンは生体内糖化反応産物の一種であり、ホモシステインにより生成が促進されるこ とも報告されています。)
ただの硬い棒と弾力のある硬い棒ではどちらが折れやすいと思いますか?
そうです、
ただの硬い棒はしなることが出来ないので衝撃を吸収してしまい折れやすいですよね。
逆に、弾力のある棒は、棒高跳びのバーをイメージすると分かるように、衝撃を分散できるので折れにくいのです。
チューペットも凍らせる前はまったく折れないのに、凍らせて弾力を無くすと簡単にポキっと折れますよね
骨も同じなんです!!!!
そこで、骨質(コラーゲン架橋)の強化・正常化に対しては・・・
■生理的架橋形成の正常化
・良質タンパク、ビタミンB群(特にB6不足を防ぐ)、ビタミンC
→良質タンパク、ビタミンCはコラーゲン生成に必要な成分であり、生理的架橋形成に関わるリジルオキシターゼ(酵素)の補酵素としてビタミンB6が必要です。
■非生理的架橋(AGEs架橋)の形成防止
・ホモシステイン値上昇を防ぐ
→ビタミンB6、B12、葉酸の摂取が必要です。
※ホモシステインは、必須アミノ酸のひとつであるメチオニンの代謝における中間生成物で、動脈硬化の危険因子としても知られています。
・老化、糖尿病、腎障害などによる酸化・糖化などを防ぐ
→抗酸化物質の摂取やそれぞれの病態への対策も必要です。
骨の強化にビタミンB群が必要とは
意外ですよね~!!!
骨評価もこれまでのように
骨密度だけで判断しなくなってきているようです。
骨質まで含めて骨の状態をみることが大切ですよ