分子生物学の教え
すべての生命は、遺伝情報を刻印した遺伝子分子DNAの表現である。
これは、今世紀の情報であるがゆえに、二〇世紀人の頭におさめられるべきものである。
DNAは、タンパク質のアミノ酸配列の暗号にほかならない。
したがって、栄養素のトップにタンパク質がくることは自明である。
ここで二〇種アミノ酸の比率はどうか、量は十分か、という問題に直面する。
二つの条件のうちどちらかでも欠ければ、生体の合目的的運営は挫ける。
さらにいうならば、酵素と協同因子との関係も見逃すことはできない。
酵素タンパクの量に不足はなくても、ビタミンに不足があれば、挫折はここでもおこる。
これらは二〇世紀の生物学、すなわち分子生物学の教えるところである。