「キーマンがつないだ地域の産品」
一昨日の夜、「農業現場を検証する」をテーマとする(1~3月)オンライン研究会に参加しました。
今期第1回の演題は、「農業危機の実態と克服への取り組み」で、愛知県押井営農組合代表理事の鈴木辰吉氏のお話でした。
小さくなって行く社会で、衰退していく地方の集落を継続させるために、地域の自治を「農村政策」として考える様々な"知恵"が分かりやすく伝わってきました。
稲作は、大規模化が国策に見えますが、担い手が誰なのかを考えると未だ難しく、大規模化は緩やかに進めていくことが現実のようです。
どんな取り組みにも、キーマン、キーパーソンが存在すること改めて感じた内容でした。
私が農業の世界に足を踏み入れた頃、長野県の各地で、地産地消に力を入れはじめていました。
北信の木島平村で開催した、食品の製造販売を知るプロによる講演会に参加したり、東信の女性グループの取り組みをお聴きしたり、どれも長野県農業改良普及センターの女性県職員の企画でした。
木曽の「すんき」も、木曽農業改良普及センターの女性所長の呼びかけから、木曽スンキ研究会が発足し、伝承、普及から地域おこしへと活性化したようです。
醸造学の権威、坂口謹一郎博士の家で、王滝村出身の家政婦の方が、すんきを紹介したことから、研究者の中では既に「すんきの研究」が存在し、民俗学者である折口信夫氏が"美食"と語る産品でもありました。
塩を使わない保存食、ということで、発酵の菌が腐敗に傾かないことが肝です。
普及センターでは、pH4前後0.5と指導し、
木曽スンキ研究会では、その指標として、茎の中に実の赤かぶを1%混ぜて漬け、それがきれいなピンク色に変わると適正な酸度だ(腐敗しない)と提起したそうです。
組織も、取り組みも、産品も、
それを守って行くためには、チカラを注ぐキーマンの存在が必須です。
「無くしたくない」……そんな"愛着"が生まれたら、守り抜けるでしょうか。
食料危機を考えて、「米の自給家族」として田舎の親戚になる消費者。
押井営農組合でのこのつながりが、農業危機の克服、そして未来の新たな農業生産のモデルになればと期待が膨らみます。
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