「週末には花を買って」
日用品の買い出しに出掛けたスーパーをいつものように歩く
ふと足が止まった
明るい色彩が温かな陽差しの渦のように溢れている一角
そこは小さな雑貨店の店先だった
白 蒼 黄 紅
それぞれの色が叫び出そうとする子どものように
自分の魅力を精一杯主張している
ふと足が止まった
明るい色彩が温かな陽差しの渦のように溢れている一角
そこは小さな雑貨店の店先だった
白 蒼 黄 紅
それぞれの色が叫び出そうとする子どものように
自分の魅力を精一杯主張している
中でもひときわ目を引かれたのは蒼色の小さな花束だ
深みのある紫に近い薔薇は
例えれば月が輝く真夜中の空のよう
傍らの可憐な紫陽花は心もち色が薄い
まるで陽が落ちた直後の宵の空のような淡いやわらかな蒼
今 〝蒼い薔薇〟をモチーフにした新作小説を描いている
偶然見つけたこの蒼い薔薇のブーケに
何か運命的なものを感じた
ーなどと真顔で語りたくなってしまった
深みのある紫に近い薔薇は
例えれば月が輝く真夜中の空のよう
傍らの可憐な紫陽花は心もち色が薄い
まるで陽が落ちた直後の宵の空のような淡いやわらかな蒼
今 〝蒼い薔薇〟をモチーフにした新作小説を描いている
偶然見つけたこの蒼い薔薇のブーケに
何か運命的なものを感じた
ーなどと真顔で語りたくなってしまった
蒼でまとめられたこのブーケだけでも十分美しいけれど
少し淋しい
もう一度 陽気な楽団のように
楽しいハーモニーを奏でている花売り場コーナーを見ると
鮮やかな黄色ーミモザの数輪を手に取った
ミッドナイトブルーと眩しい黄色の対比の妙が映える
月が昇る真夜中と太陽が輝く真昼
見ているだけでうきうきとした気分になり
選んだ花たちを持ってレジへ急ぐ
ーいらっしゃいませ。
レジの向こうの女性のすがすがしい笑みに
いっそう心が弾む
少し淋しい
もう一度 陽気な楽団のように
楽しいハーモニーを奏でている花売り場コーナーを見ると
鮮やかな黄色ーミモザの数輪を手に取った
ミッドナイトブルーと眩しい黄色の対比の妙が映える
月が昇る真夜中と太陽が輝く真昼
見ているだけでうきうきとした気分になり
選んだ花たちを持ってレジへ急ぐ
ーいらっしゃいませ。
レジの向こうの女性のすがすがしい笑みに
いっそう心が弾む
たまには週末に花を買うのも良い
その日 小さな花束が
心に信じられないほどの大きな時めきと元気をくれた
蒼い薔薇の花言葉は〝奇跡、夢が叶う〟
ーいつか私のささやかな夢も叶いますように。
そっと心の中で呟き
店の女性から袋に入った蒼い花束を受け取った
その日 小さな花束が
心に信じられないほどの大きな時めきと元気をくれた
蒼い薔薇の花言葉は〝奇跡、夢が叶う〟
ーいつか私のささやかな夢も叶いますように。
そっと心の中で呟き
店の女性から袋に入った蒼い花束を受け取った