映画「人間失格〜太宰治と三人の女たち」視聴ー女たちの間を漂った天才作家の苦悩と美しい映像 | FLOWERS~ めぐみの夢恋語り~・ブログで小説やってます☆

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皆様、こんにちは。

 

  昨日、一昨日と二日にわたって、自宅で映画を観ました。

 

  四月二日に解禁になったばかりの「人間失格~太宰治と三人の女たち~」です。

 

  韓流時代劇オンリーの私には珍しく、日本物、、、

 

 実はレンタルではなく販売で購入しました。



 

 ツタヤオンラインのクーポンがあったので、少しお安くは買うことができました。

 


 さて、気になる内容ですが。

 

 まず、映像の美しい作品だなというのが第一印象です。

 

 至るところにお花が出てきますね、本物もあれば、造花もあるのでしょうか。

 

 作家としての太宰治とまた夫であり、家庭人である人間、津島修治という二面から

 

 「太宰治」を捉え、その苦悩や歓びを描いています。

 

 ただ、太宰治という人は良くも悪くもあまりに複雑な人すぎて、二時間の枠で描ききるのは

 

 少々難しかったのではないか、、、という印象も拭いきれません。

 

 これはあくまでも、私個人の感想だとご理解下さいね。

 

 例えるなら太宰という人は深淵な沼のような人で、心に深まい孤独と闇を抱えているように思えます。

 

 非常に多面的な人なので、どこに光を当てて描くかによっても、まったく別人のようになることもありそうです。

 

 私は恥ずかしいことに、そこまで彼の人生を知っているわけではありません。

 

 ですが、映画を観ていると、どんな一生を生きた人なのかなという大体のところは知ることができます。

 

 そこは良いんですが、では、その人生の局面ー場面場面の彼の想いだとか葛藤というのは

 

 具体的にどんなものだったのか。

 

 その瞬間、彼はどんなことを考えていたのか。

 

 そういう深いところというのか、彼の葛藤が具体的などんなものだったのか。

 

 というのが伝わってきませんでした。

 

 作家太宰治が大体、どんな生涯を送ったのかを知るには丁度良い映画だと思いますが。

 

 人間太宰治を描くことについてはイマイチですが、

 

 彼を取り巻く三人の女性たちの人物像は裏腹によく表現されていたと思います。

 

 妻の美智役の宮沢りえさん。

 

 二人の愛人を沢尻エリカさんと二階堂ふみさんがそれぞれ演じていましたね。

 

 宮沢さんはベテラン女優の貫禄で、奔放な夫に耐えて尽くしながらた々、あふれ出ようとする

 

 感情の奔流を露出させるという、難しい役どころを流石に見事に表現。

 

 沢尻さんは、気紛れな天使と才女の二つの顔を持つ奔放な静子役がよく合っていました。

 

 とても綺麗な顔立ちで演技力もある女優さんなので、ちょっとアクシデントがあったのが残念です。

 

 二階堂ふみさんは沢尻さんを圧倒する熱演でした。

 

 宮沢さんが静なら、二階堂さんは動の演技といったところでしょうか。

 

 三人の女性が登場するシーンで、背景に花が効果的に使われています。

 

 監督にそのような意図があったかどうかは分からないですが、、、

 

 宮沢さんが最後に太宰の入水自殺にも拘わらず、平然といつものように洗濯物を干し始めた時、

 

 ラストシーンでは庭に菖蒲がたくさん咲いていました。

 

 濃い紫の凜とした菖蒲は、まさに宮沢さんの存在感を象徴しています。

 

 沢尻さんは桃の花?

 

 よく判らないですが、季節は春で、淡いピンク色の花がたくさん咲いていました。

 

 とても彼女の華やかで可愛らしいイメージにー役柄にも個人的にもあっているなと感じました。

 

 二階堂さんは何の花でしょうか。

 

 太宰が血を吐いて倒れ伏す時、雪がひっきりなしに降っていて、彼女が助けるシーンでは

 

 白い花が散華のように降っていましたし、

 

 太宰とのなれそめ辺りでは、藤の花や紫陽花が印象的でした。

 

 ひそやかな佇まいだけど、内側に静かな燃える情熱と激しさを秘めた花、

 

 情念を秘めた花のイメージでしょうか。

 

 映画では、どちらかといえば女性に対しては優柔不断で、

 

 三人の女たちの間をふわふわと漂う太宰を

 

 がっちりと捕まえて「死」という究極の場所につれていったのが二階堂さんという感じです。

 

 奥さんと愛人静子には太宰の子どもを授かりましたが、彼女には子どもができなかった。

 

 太宰を永遠に自分のものにしておくためには、「死」に向かうしかない。

 

 二人で自殺することで、愛する男を永遠につなぎ止めることに成功し、望みを叶えた、、、

 

 そんな風に映画を観て理解しました。

 

 現実がどうであったかは判らないですが、、、

 

 三人の女たちとの関わりは割とよく分かったのに比べ

 

 主役の彼の人間性について今ひとつ伝わってくるところがなかったのが残念かなというところです。

 

 ですが、美しい映像と共に一人の天才作家を巡るストーリーを愉しむことができました。