居城に住み着いていた男装女子×青い眼のイケメン侯爵の恋 小説「侯爵と男装のシンデレラ」感想 | FLOWERS~ めぐみの夢恋語り~・ブログで小説やってます☆

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一瞬一瞬、1日1日を大切に精一杯生きることを心がけています。
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良いお話で、主役カップルも好感の持てる人物たちだったのですが、、、
何故か、あまりページが進まず、途中で何度も挫折しそうになりながら漸く読了したというのが正直なところです。

主人公のポリー・トレセインは貧しさゆえに、母違いの幼い三人の弟たちを育てるために男装して、廃墟も同然の侯爵の城に住み込んでいます。
その城の主である若き侯爵トムが帰還したところから、話は始まります。トムは幼少期に後見人に虐待された悲惨な過去を持ち、その陰惨な想い出の詰まった居城を厭い、荒れるに任せていました。
しかし、彼をそんな悲惨な境遇から救い出してくれた慈愛溢れる名付け親の遺言により、彼にとって大切なものを見つけに城に期間限定で戻ってきたのです。
そこで男装したポリーとトムが出会い、二人は反発しあいながらも、烈しく惹かれ合ってゆきます。

ーあなたの心の奥深くにはいつも愛があったのよ、トム。ただあなたが気づこうとしなかっただけ。そうでなければ、どうやって本当の家族を失ったあと、心でつながった家族を作れるというの?
ラストシーンの晴れて侯爵夫人となったポリーの言葉が心に残ります。
ポリーにもトムにも、本物の家族だけでなく、たまたま知り合っただけなのに強い絆と信頼で結ばれた仲間がいました。それが心でつながった家族というわけですね。
自分を犠牲にしても自分以外の存在へ心を砕き優しさを示せば、幸福は神によって予期せぬプレゼントとして贈られるー、ポリーの人生を見ているとそんな気がします。

トムの名付け親が次に「大切なもの探し」を命じたのはどうやらトムの護衛兼相談役でもあった弁護士のピーターズのようです。
彼もいわくありげな過去の持ち主らしいので、もしかしたらこの物語には続編があるのでしょうか。
ピーターズはなかなか謎の多い興味深い人物だったので、読んでみたい気もします。