実は大黒PAのほかにも高速道路で歩行者による問題が起きている。中央道の富士吉田バスストップ(中央道下吉田というバス停)がある。今年1月と5月にNHK甲府放送局で「中央道で高速バス降車後、外国人の道路誤進入相次ぐ」というニュースが放送され、筆者(佐滝 剛弘:城西国際大学教授)もコメントを求められた。
このバス停は、富士山と五重塔の写真が撮れることで外国人観光客に人気の新倉山浅間公園まで歩いて10分にあり、東京方面から直行する高速バスが、このバス停に停車。そのため、昨年から多くの外国人が下車するようになった。
ところが外国人向けの標識が完備されていなかったこともあり、バスを降りてもどちらに行っていいかわからず、一般道へ下りる階段を探せないまま、高速道路の本線へと歩いて行ってしまう人が増えてしまった。
そもそも高速道路上のバス停は、地元の人の利用を中心としたもので、不慣れな観光客が乗降することをあまり想定していなかった。そのため、わざわざ丁寧な標識を設置しなくても、利用者が困ることはあまりなかったのだ。
現在NEXCOと地元の自治体などで対策が練られていると聞くが、インバウンドの増加で私たちが思いもしない場所が外国人で賑わうようになったことで地元の人たちが困るようなケースが各地で頻発している。高速道路上でもそうした事例が出てきたことで高速道路の運営・管理会社や警察などの対応が求められる。
大黒PAは3方向の高速道路のどの路線からも立ち寄れるため、待ち合わせて相乗りする場所としても利用されている。そのため、施設を利用しないのに長時間駐車するクルマも目立っていて、今も長時間駐車に注意を促す横断幕がPA内に掲げられている。 便利で特徴のあるPAだからこその悩みが深いことをあらためて感じているうちに、2つの橋が美しくライトアップされる時間になったので、帰途についた。
Yahooニュースより記事を引用