70年続いた編物教室に幕 | スチャラカでスーダラな日々

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故・植木等氏の御冥福に因んでkeiのスーダラな日々を紹介します。故人の映画のようにスイスイと軽妙な人生を送りたいものです☆彡

99歳の編物講師が教室の歴史に幕

2022年12月の藤田編物学院昭和の編物教室を99歳の講師が語る藤田芳子さん(99)藤田編物学院の毛糸生徒たちが感謝の気持ちをサプライズ編物教室 70年間お疲れさま長い間教室を続けられたことは何よりの宝物と目を細める藤田芳子さん(99)=弘前市=。藤田さんが主宰する編み物教室が2023年9月30日に前身の「ロケット編物教室」「藤田編物学院」から数えて70年の歴史に幕を下ろした。2023年12月に100歳を迎えることもあり教室に区切りを付けたが、まだまだ編み物への意欲は尽きず「何もしないのは落ち着かない。物作りが好きなので教室はきょうが最後だけど、これからも編み物を続けていきたい」と笑う。

藤田さんは1953年、弘前市新鍛冶町にロケット編物教室を開いた。同教室はその後、藤田編物学院と名前を変え、2018年夏に閉院するまで多くの生徒に機械編みや手編みを教えた。2018年10月からは、弘前市樹木1丁目の次男・晴央さん宅で毎週土曜日に編み物教室を開いていた。

教室最後の日には、藤田編物学院の頃からの生徒である高井恵子さん、藤田さんが指導していた相馬婦人会の編み物教室からの生徒である溝江ヒサヱさん、樹木の教室から通い始めた中村清子さんの3人が駆け付けた。

藤田さんはこの日も編み棒を持って実際に編む様子を見せながら、「一目たりともおろそかにしては駄目。丁寧に編まないと、編み目が変に飛び出たりするから」と最後まで熱心に教え「ほとんどの物は今までやったことの繰り返しだから、何を作るにも困らないと思う。もし分からないことがあったら電話して」とアフターケアも怠らない。

編み物に一段落つくと、生徒の3人は藤田さんに「長い間ありがとうございました」のプレートが乗ったケーキを贈り、長年の感謝を伝えた。中村さんは「この中では一番年数が短いけれど、色の合わせ方や色と合う模様など、たくさんのことを教えてもらった。本当はまだまだ教室を続けてほしい。これからも時々電話をして、編み方を教えてもらったり、元気を分けてもらったりしたい」と名残を惜しんだ。藤田さんも3人に手編みのマフラーを贈り、「もらった人はそのマフラーと同じ編み方をやってみてください。これは宿題」とほほ笑んだ。

藤田さんは「編み物で手先を動かすことと、怒ったり、肝を焼いたり(いらいらしたり)しないで穏やかに生きるのが長生きと元気の秘訣(ひけつ)。これからも自然の流れに身を任せて生きたい」と話した。

藤田編物学院 2018年
藤田編物学院 2018年:現在は更地後に城東閣が入居