

瀬戸内海は温暖小雨の「瀬戸内海式季候」で知られる日本最大の内海にして、大小700以上の島々が連なる日本随一の「多島海」である。見た目の穏やかさや温暖な気候風土から「地中海」に例えられることもあるが、海そのものは全くと言っていいほど類似性がない。「閉鎖性海域」という点は共通しているが、干満がほとんどない地中海に対し、瀬戸内海は干満の差が大きく、なおかつ潮が高速に流れる世界有数の「潮流海域」である。
ここが地中海と大きく異なる瀬戸内海の特徴で激しい潮の流れこそが独自の海洋文化を育み豊かな生態系を生み出して来た源である。総じて変化に富んだ多様性のある海である。
干満は一日2回、約6時間周期で「上げ・下げ」を繰り返すが、干満差は大きいところで4m、平均で2mほどの差が生じる。また、干満の上下がピークに達する前後1時間ほどは「潮止まり」となり潮の動きが止まる。
ピークを過ぎると「転流」して反対方向に流れ始め、その後は加速度的に流れが速くなる。沖合は平均速度3~4ノットで流れているが、「瀬戸」(島と島の間の狭い海峡のこと)では、時間帯により10ノット(時速18キロ)を超える激流ポイントも存在する。
「鳴門海峡」や「来島海峡」、伯方島南岸の「船折瀬戸」なが代表例であるが、潮が流れ始めると、もはや海と言うよりは川である。つまり「瀬戸際だらけの海」だから瀬戸内海となる。
小豆島ドリームアイランドより記事を引用
