坂本九が笑顔で歌う理由 | スチャラカでスーダラな日々

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故・植木等氏の御冥福に因んでkeiのスーダラな日々を紹介します。故人の映画のようにスイスイと軽妙な人生を送りたいものです☆彡

坂本九が笑顔で歌うその理由

見上げてごらん夜の星を見上げてごらん夜の星を見上げてごらん夜の星見上げてごらん夜の星々1985年8月12日に起こった日本航空機墜落事故によって43歳の短い生涯を閉じた坂本九さん。ソロとして活躍する前の1958年には、当時ロカビリーバンドとして活動していたザ・ドリフターズに加入し、ボーカルを担当していた。

その後、1961年10月に発売した「上を向いて歩こう」が大ヒットを記録して一躍人気者となるが、この曲は海を越えたアメリカでも爆発的な支持を集め、ヒットチャート誌『ビルボード』で3週連続1位を獲得する。

これは当時、アジアのアーティストが誰も成し得ていなかった快挙であり、現在に至るまでこの記録に比肩する日本のアーティストは誕生していない。

1963年5月に発表された「見上げてごらん夜の星を」もまた不朽の名曲として人々に歌い継がれている。「星」をイメージする曲をリストアップする時には欠かすことのできないスタンダードナンバーだ。

なぜ坂本九の作品は日本人に長く愛され続けているのか。当たり前のことだが、曲自体の完成度が高いというのがそのひとつ。シンプルでありながらも人の心に訴える歌詞とメロディは、音楽の持つ優しさや癒しを与えてくれる。

人は不安な時、心が折れそうな時、何かに頼ろうとする。だが、それが具体的なものであればあるほど、もしそれに頼ってダメだったら……というネガティブな思考も併せて生まれてくる。漠然とはしていても、手の届かない大きな存在が自分を包み込んでくれるようなイメージを描ければ心が落ち着く。

さらに「歩こう」「ごらん」「あるさ」という呼びかけにも注目したい。励ますように促すように聴く者へ呼びかけるこれらの言葉には「いたわり」と「愛」がある。「ほら」という柔らかい誘いの言葉が聞こえてくるようだ。

歌詞とメロディだけでは人々の心を動かすことは容易ではない。そこに坂本九という天賦の才能を持った歌手の歌声が加わったからこそ、これらの作品に「命」が宿った。

「見上げてごらん夜の星を」が様々な芸能人の歌声のリレーによってCMから流れたのは、東日本大震災のもたらした衝撃によって日本全体が深く沈み込んでいた時期。日本がもがき苦しんでいる時に坂本九さんの歌は、常に人々に寄り添い包み込むように励ましていた。

ORICON MUSICより記事を一部引用

見上げてごらん夜の星を - 坂本九