![ポカリスエット 1980年 ポスター](https://stat.ameba.jp/user_images/20240303/22/megomegoco/a9/5c/j/o1000120015408806563.jpg?caw=800)
![ポカリスエット 飲むコロンブスの卵](https://stat.ameba.jp/user_images/20240303/22/megomegoco/a8/15/j/o1000120015408806561.jpg?caw=800)
![ポカリスエット 1984年 ポスター](https://stat.ameba.jp/user_images/20240303/22/megomegoco/40/0a/j/o0730103015408813536.jpg?caw=800)
「点滴液の改良ではなく、それまで世の中になかった“汗の飲料”として開発しましたが、研究でわかったことは汗にも種類があることでした。例えば、日常における汗の塩分濃度はスポーツ発汗時よりも低い。これらの発見をもとに飲料を施策したものの、日常の汗の成分を再現した試作品は苦くて、まずかったのです。試行錯誤が続き、その試作品が1,000種類を超えた頃、たまたま研究室で同時開発していたものの行き詰っていた柑橘系粉末ジュースと、“出来損ない同士”を混ぜてみました」
これが“コロンブスの卵”となる。悩みのタネだった苦味が消えた。研究は加速し、最終的に試作品は、糖質濃度(甘味)が濃いタイプと薄いタイプの2品に絞られることに。研究員は「汗をかいたときに美味しく飲み続けられる味」のコンセプトのもと、自ら山登りをし、実際に汗をかいて試作品を飲んでみた。
「すると、甘味が薄いほうが飲みやすく、ゴクゴクと滑らかにのどを通ることがわかりました。こうして最終的な味が決定しました」
パッケージデザインは生命のルーツである海の青と、波を表す白を用いたクールでシンプルなもの。だが1980年の発売当時、食品・飲料ともに“青は売れない色”とされていた。ここでも、同社の業界タブーへの挑戦があった。
「『ポカリスエット』は当時、それまでにないカテゴリーの製品でした。そこで、“デザインは本質を表現するもの”というデザイナーの信念とコンセプトを伝える、という当社の強い意思によってこのデザインを採用。ちなみに、白い波型は『ポカリスエット』と真水の吸収スピードを比較したグラフの曲線を象徴化したもの。このデザインは今も変わることがありません。発売から30年以上経った2016年には、『グッドデザイン・ロングライフデザイン賞』受賞に至ったのは光栄の極みです」
「成分処方やデザインは基本的に変えていませんが、あらゆる日常シーンで水分補給の大切さに気づいていただくために、ゼリーやアイスラリーという新しい剤型も開発。スッキリした甘さの『ポカリスエット イオンウォーター』も誕生しています。また容器の軽量化、環境に配慮した容器・包装など、時代に合わせた変化も。時代ごとの社会・健康課題を理解し、大塚製薬らしい方法で課題解決に向けたご提案を常にしたいと考えています」
ORICON NEWSより記事を引用